「トランスジェンダー女優とラテン系俳優総出演のエネルギー溢れるクライム映画」エミリア・ペレス 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
トランスジェンダー女優とラテン系俳優総出演のエネルギー溢れるクライム映画
内心では、
“お父さんは今日から、お母さんになったから“
で、済む話し・・・そうすればこんな大騒動にならないのに、
とか思ってしまいました。
この映画は特殊な設定です。
主人公は大金持ちの麻薬王マニタス(カルラ・ソフィア・ガスコン)
(大悪人で殺人をしてバラバラにしたり、溶かしたりは当たり前)
そんな彼が彼女になるために雇ったコーデュネーターは弁護士のリタ
(ゾーイ・サルダナ)でした。
医師の手配、偽造パスポートの入手、偽の名義の銀行口座の新設・・・
などの事務処理に手腕を発揮して(これって違法行為ですね)
4年後マニタスはエミリア・ロペスとしてリタの前に現れます。
“妻子を呼び寄せて一緒に暮らしたい“
身元は話さずに、親戚のお金持ちのエミリアおばさんとして
育児を手伝い、生活費を賄うことになります。
★性適合手術で別人になるためには、ヤバイ麻薬王のマニタスは
この世から消えます、殺されたことにしました。
(誰かがマニタスの死体に代わりになりました=殺人)
この映画がとてもユニークで楽しくて、展開が早くて面白い。
★ミュージカルなので、歌い踊ります。
マニタスの妻ジュリア役はセリーナ・ゴメス。
れっきとした大物歌手ですから、歌も踊りも抜群でオーラ全開。
おまけに若くて美しい。
★歌の歌詞が心の中を端的な言葉で伝えるので、場面転換の速さに
拍車をかけています。
メキシコシティ→スイス→ロンドン→メキシコシティ。
この移動も展開の速さを補っているし、
ミュージカル仕立ては大成功。
★妻が浮気して子供の奪い合いになる展開も、
★過去は捨てても性別を変えても、子供を愛する気持ちは
偽れない。
しかし、今までの悪が地獄まで追ってくる。
ラストはやはりギャング映画らしくエミリア、リタ、ジェシーを、
巻き込むドロドロの銃撃戦。
物騒で治安の悪い悪人天国メキシコ
(この辺がメキシコ人にはカチンときたらしい・・・)
ラストの悲劇は当然の報いで、想定内の、
それはそうだろうなぁ、・・・ですよ。
大悪党の麻薬王が慈善事業でチャリティー、
とか偽善も良いところ。
役者よし・・・本気度、華やかさ、
脚本よし・・・想定内でも展開の速さ、構成に驚く、
監督よし・・・フランス人のジャック・オーディアール。
アカデミー賞歌曲賞を受賞した
歌も、もちろんよし・・・バラードあり、ラブソングあり、
よく考えると馬鹿馬鹿しいけれど面白い映画でした。
腕力と、ラテンのエネルギーと、迫力に圧倒されました。
ちょっと気になったので……
琥珀糖さんの個人ページは2画面存在するのですね。古いコメントをクリックすると去年の11/15以前に案内されて、新ページとリンクしませんね。
良く考えるとばかばかしい、
おっしゃる通りと思います。人を食った映画と思います。
マニタス=エミリアは、多様性のショッピングモールのようなんですが、彼女の自滅は自己中自分勝手が過ぎたからで多様性を持っていたが故ではなかったですね。