「エミリアの生き方は魅力的でした」エミリア・ペレス 零零2015さんの映画レビュー(感想・評価)
エミリアの生き方は魅力的でした
気の強そうな中年の女性の顔がアップで、まっすぐこちらを見ている。
そんなポスターを遠巻きに見て、「自立する女性の人生賛歌」を描いた普通の人の日常を描いた物語だと思い込んでスルーしていました。
しかしポスターの文字をよく読むと「彼女はかつて、最恐の麻薬王だった」とあり、がぜん興味を惹かれたものの、残念ながら既に上映終了。
今月、キネマ旬報シアターの追加上映のおかげで、ようやく鑑賞できました。
いくつものレビューを読んでから鑑賞したため、いきなりのミュージカルに驚くこともなく、エミリアの行く末もほぼ想像できましたが、数々の高評価レビューにほぼ同意です。
ただ、この映画の魅力を損ねる程の事ではないですが、麻薬王が女性の姿になって現れエミリアと名乗って以降、「性転換した麻薬王」ではなく、「麻薬王の女性親族」という印象がやや強く、性転換の設定が少しだけしっくりきませんでした。
また、全てを捨てて女性になったはずの麻薬王が、自分の子供達には執着を残していたのが意外でした。子供たちに対しては、父性というより母性を感じる愛情表現だったので、やはり心は女性だったのですね。
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