「手ごわい映画」エミリア・ペレス ヤマナさんの映画レビュー(感想・評価)
手ごわい映画
クリックして本文を読む
「この男は手ごわいメキシコ人の一人だった。どこへ行こうと、この連中ほど手ごわい人間はいないのだ。」R.チャンドラー『長いお別れ』 男だけではなく、女も。そして、この映画自身も(ただし、メキシコ映画でなくフランス映画だけれど)。冷酷な麻薬王が性転換手術を受けて女性になる。それをミュージカルで。キワモノになりそうな題材を、(W.ヒルの映画で似たようなんかがあったような)ジャック・オーディアール監督は、メキシコの犯罪や暴力、自分らしく生きることの難しさなどを盛り込んで、見ごたえのある秀作に仕上げている。特に役者たちがいい。中でもリタ役のゾーイ・サルダナが。希望に満ちた卒業写真の顔、しかし、現実は弁護士として悪党を無罪にする空虚な日々、それが麻薬王と出会ったことで大きく変わっていく。自分が求めていた正しい生き方をしていたのに、最後は暴力に頼ってしまう。それが悲しい。久々に充実感のある映画だった。その前が『サメ遊戯』だったしね。
コメントする
