「聖母たちの子守歌」エミリア・ペレス HKさんの映画レビュー(感想・評価)
聖母たちの子守歌
ミュージカル映画ですが、
セリフの延長として気持ちが高まった時に歌が出てくる感じで、
”私歌うまいでしょ”の押し付け感なく、音楽もカッコよくスタイリッシュなので、
ミュージカルの苦手な私でも楽しく観ました。
登場人物の中では、主役のエミリア・ペレスより、
彼女(彼)の変身ぶりと自身の変わらなさを比較して気持ちが揺れ動く
友人弁護士リタの表情、言動に強く魅力を感じました。
仮に全く新しい善の人間に生まれ変われたとしても、
過去を完全に捨てず、良いとこ取りをしようとするならば、
眼を背けたい過去の自分の悪と対峙しなければいけない。
主役のガスコンが自身の過去の発言で炎上し、
過去に向き合わなければならなくなったのはなんとも皮肉な話。
物語は悲劇的な方向へと進みますが、
最後は聖母になることができたのだから、彼女の人生は幸福だったのかもしれない。
そう思わせてくれるような音楽の持つ力は、やっぱり大きいですね。
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