「女性映画Zero」エミリア・ペレス 文字読みさんの映画レビュー(感想・評価)
女性映画Zero
2024年。ジャック・オーディアール監督。メキシコの麻薬カルテルを仕切る男が、幼少期からの女性になりたいという願望を抑え難く、若くて優秀だが恵まれていない女性弁護士を雇い、家族にも内緒で性転換手術を行い、まったく新しい人生を歩もうとする話。
思い切った手段に打って出て人生を変えようとするという映画的な物語の枠に沿いつつ、主人公というべき女性が2人いたり、ミュージカル的に踊り出したりしており、現代映画の趨勢にも乗っている。女性が主役となって喜びや悲しみや苦しみを描く映画を女性映画とすれば、トランスジェンダーの女性が主役の1人になっているだけで、性も愛も仕事も貧困も描かれた正統的な女性映画と言えるだろう。むしろ、別の性から女性になるところから丁寧に描かれるのだから、女性映画のZero地点に立つ画期的な映画だ。
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