バード ここから羽ばたくのレビュー・感想・評価
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鳥人間は何かしら?
チラシに「世界が大喝采」と書いてあったが、私には今ひとつでした。
主人公のベイリーは男の子だと思ってましたが、女の子でした😅。でベイリーには、兄(←彼女を妊娠させてしまう)と妹や弟たちがいるのだが、兄は異母兄妹?妹や弟たちは異父の関係みたい?←そのあたりが、クリアになっていないというかハッキリしていないので、この人間関係が理解できないまま鑑賞していたので、しっくりこなかった。
ベイリーが兄の代わりに兄の彼女の家に行き、手紙を渡そうとするシーンがあるのだが、そこに登場したカラスは名演技でした。冒頭にもカモメが登場しますが、そのカモメも名演技。
DV男は、結局は謎の男バードにどこかに連れて行かれたのかしら?
ベイリーの父バグは、刺青が凄かったですね。(←あんなに刺青してたら、病気になったら困るだろう...MRI検査とか受けることになったら一苦労だなぁ...と呟いていました。)
ベイリーは父バグの再婚の結婚式に出るのを最初は嫌がっていたのだが、ラストでは結婚式に出席して何かが吹っ切れたように感じだった。「さぁ前を向いて羽ばたこう」と感じかなぁ...
なんとかなる。
レイトショーで観ましたが序盤は音楽が鳴りっぱなしでアッパーな流れにずっと惹き込まれていました。マンチェスターが舞台なのか。貧困とか家庭環境を扱った映画でしたが序盤のドリーミングな映像、音楽がとにかく良かったと思います。最後に流れた曲がやられました。リアルすぎるだろ、拒絶するほどに。
Yellow
日本の貧困事情とはまた異なるイギリスの貧困事情が描かれており、そんな中で暮らす少女をはじめとした周りの人物、そして突然現れたバードという男との交流がメインストーリーになっており、個人的には全体的なやかましさがマイナスにはなってしまいましたが、刺さる人にはしっかり刺さるんだろうなと思いました。
子供たちは学校に行かず、大人たちは働かず、という不思議な環境下で暮らす登場人物たちのありのままが描かれており、早い段階での出産や育児なんかもあったりと、非日常がこれでもかってくらい味わえます。
父親がどう転がしてもダメクソ親父で、時折お前のこと分かってるで?という優しげな顔を見せたりもするんですが、それを覆い隠すようなカスみたいな行動ばかりなので、そこへの嫌悪感が最後まで拭えず、なんか良い感じにまとめたラストも個人的には綺麗事にしすぎだろう…と怪訝な表情で観終える事になりました。
父親のセリフも個人的にはクソさを加速させるものになっており、決してコイツを善として扱っちゃダメだろうというモヤモヤが増しました。
バードとの出会いからグッとストーリーは動き出すんですが、ツギハギのようにストーリーが進んでいき、基本的に誰かしらが怒っているのでハチャメチャですし気分は良くないといった作りなのでモヤモヤします。
その点マイペースに歩いてくれるバードの存在がどんどん有難くなっていきました。
バードが名の通りの姿に変化する感じは「動物界」を思い出させるようなシーンでしたが、あちらの作品ほどカタルシスを感じるものでは無かったです。
ファンタジーさも序盤から中盤にかけて地に足ついたドロドロさを見せていたので悪い方にギャップが働いているようでした。
周りでの出来事を眺め体験していくという成長物語のはずではあるんですが、主人公含め成長を感じさせる要素も弱かったかなーと思いました。
暴力描写もガンガン映されるので苦手な方は要注意です。
作品内で流れる音楽は抜群に素晴らしく、監督の選曲の良さが光り輝いていました。
Coldplayの「Yellow」を全員で歌いながらドラッグカエルの体液を呼び起こすとかいう化学反応起きまくりのシーンは印象的でした。
カメラワークは良く言えば個性全開、悪く言えば見辛くてしゃーないものになっていました。
ざらついた映像やiPhone視点だったりと色々やってるんですが、観やすさなんて二の次と言わんばかりのグワングワンしたカメラワークなのでちと不親切だなぁと思ってしまいました。
まぁ好みでは無かったですが、要所要所に良い意味で気になるところはあったので、監督の次回作以降でまたどうなるのかというところは気になります。
鑑賞日 9/10
鑑賞時間 15:35〜17:35
オバさんがんばってるなぁ😎 勇気をもらえたよ!
バリー·コーガン演じる全身タトゥーのシングルファザーのバグ、14歳で長男ハンター、16歳で長女ベイリーをもうけて、28歳で2歳ぐらいの女の子がいるシングルマザーと付き合って3か月で再婚しようとしてる。
イかれてる!なんも考えてない!
ベイリーの肌は黒くて髪は縮れてる。
ハンターの肌は真っ白でなかなかイケメン。
異母兄妹であることは明白。
15歳の兄ハンター(ジェイソン·ブダ)はガールフレンドを孕ませて、友達にそそのかされて列車でスコットランドに駆落ちを計画。
自警団もっとがんばれよ!
仕事しろよ!
クセ強めの個性的なキャストたち。
フランスの郊外の貧◯窟かと思ったけど、とても聞きづらい訛った英語だし、どこら辺の話なのよ?ってずっと思ってた。
ウィキペディアによるとイングランドの最南部のケントあたりが撮影ロケ地とのこと。
カンヌ国際映画祭に出品されたイギリスの女性インディーズ映画監督アンドレア·アーノルド作品。ショーン・ベイカー監督はまだ54歳だし、1961年生まれで64歳のアンドレアアーノルド監督。
オバさんがんばってるなぁ😎
勇気をもらえたよ!
過去のほかの作品も公開されてるみたいだし、観に行こうと思いました。
バード役のプランツ·ロゴフスキーはドイツ映画水を抱く女の潜水士役や希望の灯りでザンドラ・ヒュラーの家の浴室を覗く男役だった。
フランス映画の「動物界」かよ〜〜なアノ場面がないと、冒頭のハンディカメラ映像でグワングワン酔わされた甲斐がないってもんよ〜〜
自分の親と一緒に大人になる
イギリスの貧困地域の描写がものすごい。主人公の12歳の少女ベイリーは公営住宅のような建物の3階に住んでいるが、そこはアーティストか暴走族が残した落書きばかり。そして若者が酒と音楽でパーティ三昧。住居というより廃墟をスクウォッティング(占拠)しているようだ。
街を歩けば労働や学業に従事していそうな人は見当たらない。若者、子ども、シングルマザーばかりが放置された街だ。それを階段や高台、歩道橋などから俯瞰する視点が魅力的。狭い町で顔見知りだらけだが、主人公は誰ともなじんでいない距離感でさまよい続ける。
ベイリーはアフロヘアーで黒人っぽいのに、一緒にいるのは年上の白人の男たちか、彼らが連れ込んだ恋人たちだ。最初は誰と同居しているのか、誰と血縁があるのかもわからなかった。
中盤になってベイリーが刺青だらけの男バグを「お父さん」と呼び、そのお父さんが「俺は爺さんになってしまうのか」と驚いているので、見ているこっちがびっくりした。
男はベイリーの実父であり、その父が14歳の時につくった息子(ベイリーの兄)が、また14歳で恋人を妊娠させたのだった。
ベイリーは実父バグのほかに、長屋風の貧困者向け住宅に住む母、幼い妹や弟たちがいる。こちらはみんな黒人の外見で、母が連れ込んだDV彼氏に虐待されている。ベイリーは暴力を撮影して警察に訴えると言いSNSにも投稿するが、いっこうに解決する様子はない。
いったん追い出したDV彼氏も扉を叩いて怒鳴り込んでくる。住居がボロボロなので鍵をかけても意味がなく、侵入を許してしまうのだ。住宅の貧困とはこういうことかと思い知らされた。
何の希望もない物語だが、バグが再婚する結婚式が唐突なクライマックスとなる。なんだかんだでバグはベイリーや兄、結婚相手の連れ子たちにとって「父」であろうとする。そういう包容力だけは人一倍、持ち合わせているのだ。
家族が増えることは無条件で祝福すべき出来事なのだと、楽天的なバグの存在が全身で訴えている。
物語の中で初潮を迎えたベイリーは、この未熟な父や若者たちと一緒に大人になろうとしている。そうすることを受け入れているようだった。
正直なところ物語に入り込むのに時間がかかり、自分のコンディションも悪く前半はウトウト。バグが歌うblurの「ザ・ユニヴァーサル」ではっと目を覚ました。UKロックは、このコミュニティにとって状況を一発逆転させる意味を担っているようだ。
もうひとり、物語の鍵となるバードなのだが、結局は物理的暴力に頼って問題を解決しているようで納得はできなかった。描かれている問題の中で、DVと虐待だけは(解決しないにせよ)それなりの向き合い方をして欲しいところだった。
また細かいところだけれど、犬の描写。結局生き返らせるなら死の意味が軽くなるし、生き返ることが虐待の解決にもなっていないと思うのだ。
【”心配はない、大丈夫だよ。”とバードは私に言った。”今作は荒れた生活の中で暮らす少女が不思議な男と出会い、人生が明るくなる様をブリティッシュロックの名曲を背景に描いたヒューマンファンタジーである。】
■12歳の少女ベイリーは、全身刺青の父バグ(バリー・コーガン:久しぶりである。)と二人暮らしだったが、或る日父は見知らぬ女を連れて来て、土曜日に結婚すると言い放ち、困惑する彼女にドレスを着て式に出席しろ、と言う。
ベイリーはバグと別れた母の元に行くと、そこにはDV男がおり、彼女の3人の妹たちは怯えたように暮らしている。
兄は恋人に子供が出来た事を喜ぶが、相手の両親からは相手にされない。
そんな時、ベイリーは”両親を探している”というスカートの様な衣装を着たバード(フランツ・ロゴフスキ)と出会い、彼の両親を一緒に探すのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・不思議な物語である。バリー・コーガン演じるバグは、全身に刺青を入れて薬物の入った体液を出すという蛙を取って来て、結婚式の費用を捻出しようとする破天荒な男だが、悪い奴ではないようである。友達も多い。だが、年頃のベイリーはちょっとウザがっている。
・ベイリーの母と同居する男が、トンデモナイDV男で、幼い妹にティーを入れろだの、家族の愛犬を蹴り殺したりし、母は亡いている。
・そこに現れたバードという不思議な男を演じるフランツ・ロゴフスキが、抜群の存在感である。いつも笑顔で、ベイリーたちの家の向かいのマンションの屋上で、鳥の様な格好で暮らしている。
若きニコラスケイジが、戦争で心を病んだ男を演じた名作「バーディ」を思い出すが、バードは誰に対しても優しく笑顔で接するのである。
■フランツ・ロゴフスキを初めて劇場で観た作品は「希望の灯り」である。決して美男子ではないが、身体に纏う孤独感を漂わせた少し切ない雰囲気が好きである。
そして、バリー・コーガン。不穏な男を演じさせたらこの人という俳優である。この人も美男子ではないが、代わる俳優が思いつかない程、独自の顔を持っており、今作では珍しく子を乱暴だが想う、善性在る男を演じているのである。
・ベイリーの兄が恋人に手紙を届けるために、ベイリーに手紙を託すシーン。相手の両親から冷たく扉を閉められるが、何処からか現れた烏がその手紙を兄の恋人に渡すのである。
・バードの両親の家を、ベイリーとバードが探すシーン。二人はバードの父を見つけるが、父はバードが母のお腹にいる時に別れており、生まれた男の子は死んだと聞いている、と話すのである。バードはその話を聞き、再びマンションの屋上で、鳥の様な格好で佇むのである。
・更にベイリーが、DV男に焦燥感を抱き、幼い姉妹たちを単身救うために母の家に出向くシーン。バードは、ベイリーに襲い掛かる男に窓ガラスをぶち破り、鳥の形になって男を捕らえ何処かに飛び立つのである。
そして、ベイリーは最初は反発した父から渡されたドレスを着て、髪も綺麗に整えて、父の結婚式に何処かスッキリした顔で出るのである。
彼女が、大人に一歩近づいた姿でもあるのであろう。
<今作は、荒れた生活の中で暮らす少女が不思議な男と出会い、人生が明るくなる様をブリティッシュロックの名曲を背景に描いたヒューマンファンタジーなのである。>
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