「才気溢れる作品だが、違和感が拭えない」バード ここから羽ばたく ケージさんの映画レビュー(感想・評価)
才気溢れる作品だが、違和感が拭えない
才気は感じるがセンスを感じられない。
閉塞感、虚無感、苛立ちがヒシヒシと伝わってくる作品世界が少女ベイリーを通じてストレートに描かれていて、ズシッと引き込まれる。
ただ、ぶつ切り感が強く構成やバランスの悪さを感じ居心地、見心地が悪い。
象徴的に挿し込まれる鳥が飛ぶシーンなどは、あまりにも使い方に工夫が無く下手過ぎるし、やたらとカットバックでインサートされる過去シーンはただただ映画のリズムを悪くしているだけでセンスを感じない。
致命的に違和感を感じるのは、謎の男バードの扱い方だ。
タイトルバックだからといって、やたら強調する必要はないが、あまりに中途半端な描き方で、この殺伐とした世界の何かにも、思春期の少女が感じる何かにもなり得ていない。
ただのアクセントとして作品に放り込まれたキャラクターにしか思えないのが残念でしかない。
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