「キャスティングが好みで見たら・・・」バード ここから羽ばたく talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
キャスティングが好みで見たら・・・
楽しみ俳優の二人、バリー・コーガンとフランツ・ロゴフスキが映画の中で関わる箇所がゼロでびっくり!でもよかった!主役の女の子ベイリー役含めてキャスティングがとてもいい映画だった。そして映像が素晴らしい!スマホサイズ、手持ちカメラ、自然光。自分が全くもって疎い分野なので良さやかっこよさやオマージュが全然わからなかったのが音楽!本当に残念。でも想像を超えた映画だった!ここ最近、女性監督の映画が素晴らしい。いい映画だな、尖っているな、と思うと監督が女性であることに気がつく。
鳥が怖いので、BIRDというタイトルに怖じ気づいたが今更ヒッチコックではない!と信じて大丈夫だった。12才のベイリーは孤独といっていい。スマホが彼女にとって大事。自分を守るためでもあるけれど、鳥や虫やいろんな動物を動画で映す。場合によっては人間も映す。特に兄(まだ14才)のハンターとその友達が、DV父親から暴力を振るわれている子ども達のための自警団を結成してから、そういうハラスメント男の様子も映す。ベイリーは動画をインスタとかYouTubeにあげない。自分のベッドの壁に空飛ぶ鳥の映像を写して見てる。鳥を愛するベイリーは鳥に助けられ愛と優しさを知ることになる。
ベイリーの父親バグはバリー・コーガンが演じる。この人が父親役~!と思ったが、娘のベイリーを大事にするいいパパだ。全身タトゥー、14才で子どもが生まれ一度離婚して、これから二度目の結婚をする、30才になるかならないかだ。娘の方がよほど大人、いつまでたっても子どもでガキである父親なのだ。それをコーガンが演じることで、説得力が生まれ、キュートで、友達たくさんいて、仕事してなくて、いい奴だ。バリー・コーガン、上手いなあ。
主人公のベイリーが素晴らしい。目がどんどん変わっていく。大人になる、戸惑う、空を見上げる。監督はよくこんな女の子を見つけたものだ!アンドレア・アーノルド監督の映画に出会えて、間に合ってよかった!彼女の映画はショーン・ベイカー監督の映画と通じる。貧しい、見捨てられてる、でも幸せに生きる方法を知っている子ども達と若い人達の世界。
コメントありがとうございます。
演技派の二人が直接絡まなかったのは、ベイリーが媒体になっていたからかも知れませんね。ベイリーのおかげで、二人の心もそれぞれいい方向に変化したはず。なので敢えて絡ませなかったと。talismanさんの「新鮮」と仰る解釈になるほどと納得致しました。