「自分の評価額」傲慢と善良 ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)
自分の評価額
「ピンとくるは、相手の鏡で見る自分の評価額」
この劇中の言葉がいやけにこびりつく。
我々の時代は、男30、女25という世間が決めた結婚適齢期があった。この時期に差し掛かると、ただ勢いだけで、わりと先々を考えないで、自分も周囲も結婚していった。当時は見合い結婚が完全に衰退し、恋愛結婚があたりまえ。それも後先考えない勢いが大切。勢いがないと婚期を逸した時代。
それからすると、マッチングアプリって何だろう。お互いに評価額があって、なるべく100点に近づける。完璧なタイプ探しのシステム。マッチングアプリの婚活が、「傲慢」で、親が決めたお見合いのルールが「善良」という考え方もクエスチョン。
でも、アナログで感情的な私には、新鮮で斬新に聞こえる。
「かっこわるくなっちゃうのは、それだけ好きってことでしょ」
主人公の女性のボランティア先の中年女性が言った言葉が、心に刺さる。
そう、お互い好きになることはシステマチックにはいかない。
それこそ、評価額の目減りに耐え、減点から加点へ頭を切り替えることが先決。
「鈍感で世間知らずなところが、架くんの優しさなんだよね」
主人公の女性の言葉が、幸せへの近道であることは間違いない。
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