劇場公開日 2024年9月27日

「傲慢ではなく、善良でもなく」傲慢と善良 Eijiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0傲慢ではなく、善良でもなく

2024年10月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

たくさん読まれた作品が原作ということでチョイス。眼を見張るようなストーリー展開はありませんでしたが、あるいはそのせいか、登場人物たちのセリフには色々と考えさせられました。

対する相手の本当のところなんて分からないし、さらに自分の今の感情すらみえないこともあります。それをサポートしてくれるのは、やっぱり周りの誰かなんですよね。
ときに邪魔する声もありましたが、小野寺さんやよしのさんといった年長者の言葉が二人に、そして私にも気付きを与えていました。特によしのさんの「カッコ悪く見えたってことは…」なんてズルい一言でしたよね。

良く思われたいと思う相手であればあるほど、男はどうしたってカッコつけてしまいます(女性も同じなんでしょうか)、それが相手が望む望まないにかかわらず。その点は大多数のペアで同じはずなのにたどる道はそれぞれ。それを左右するものを「妥協」なんて言葉を聞くこともありますが、それを「ビジョン」と表現されたところも目が覚める思いでした。
人との出会いに恵まれた二人が、それをもとにビジョンを身につけていく、そんな二人の成長を見るストーリーにも思えました。終盤に彼が元カノに対して発した言葉も、そんな変化を象徴していたようでした。

彼に対しては私も「嘘ついてまで一緒にいたいと思ってもらえてたんじゃない」って声かけてあげたかったなー。

Eiji