教皇選挙のレビュー・感想・評価
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ミステリーサスペンスの新たな傑作の誕生
とんでもなく面白い。
今年ベストを更新するほどに圧巻のストーリー。
映像美、音楽、演技、脚本はどれも一級品で非の打ち所がない。特に脚本の完成度は完璧で、どのような体制にも当てはまることができる汎用性を備えた上で、ミステリーサスペンスとしてすごく楽しめる内容だった。各登場人物がどのような考え方を持っていて、どんなバックボーンを持っているかなどが非常にわかりやすく描かれているため観客に優しい作りになっているのも好印象。登場人物の名前を覚えるのが苦手な自分にとってもすごく観やすかった。
ミステリーを楽しむのが醍醐味のため事前情報はできるだけ入れずに鑑賞するのをオススメしたい。
信仰を理解してなくても大丈夫でした
ジジィどもの見分けがつきません
ジジィ好き、苦労性の中間管理職好きにはたまらない映画だと思います。
しかし、ジジィどもの区別がつきません。
あと主役の名前が最後の最後までわかりませんでした。
たぶん、ローレンスって名前が出てきたのって冒頭だけですよね。
選挙のたびにローレンスって誰だよって思っていました。
庵野監督っぽいテデスコ氏はわかりました。ベリーニとローレンスの区別は最後の最後まではっきりとはつきませんでした。
=
さて、映画の内容です。
ジジィとジジィがただただ悩んでいるだけです。
口やかましく怒鳴り散らすシーンはほとんどありません。思い通りにならなくて癇癪を起こすシーンもあんまりありません。
ただただ、どのジジィも自分なりに悩んでいて自分なりに苦しんでいます。
さすが聖職者というところでしょうか。
しかし、それだけなのに画面に目がすいこまれていく。
ただの選挙戦ではなく、裏でめんどくさい話がごちゃごちゃと折りかさなっている。
そこにいるジジィども全員がそのレベルの原黒さでもいいのに、映画の尺に収まる範囲での陰謀の量に収まったのはそこにいるのが全員枢機卿に選ばれるだけの聖人たちだからです。素晴らしい。
派手なシーンは一回だけ。
あとは対話と悩みと選挙です。
ものすごく狭い舞台で、ものすごく限られた事象に焦点をあて、映画という尺で完全にやりきった。
おそらく若者の絶賛を浴びることはなく、映画ファンではない人は金曜ロードショーに来ても見る事もない、それでも映画館で集中して見た人には「あの映画はいい映画だった」と思い返せる、非常に優れた作品だったと思います。
私、それほど気が長くないので金曜ロードショーやアマプラでこれを見ていたら最初の20分でやめている自信があります。映画館でしっかり集中して見られてよかった。
でもジジィの個性は出してください。庵野監督みたいなジジィ以外、白人やせ型しょぼくれジジィたちの見分けがつきません。
神の領域に触れる過程だが、そこには強烈な人間臭さを感じる。このコントラストにやられた。
知的好奇心を揺さぶる壮大なエンターテインメント
完全密室での教皇選挙だけを描く人間ドラマ。現代ローマの中心部にありながら、まるで中世の隔離世界であるかのようなバチカン内部、その様式美を見事な構図と色彩コントロールで描き、圧巻の重厚感と映画的興奮を湛える第一級の作品。加えて、サスペンスの熟成が素晴らしく、それを増幅させる弦の響きと効果音が素晴らしい効果を上げ、なにより品格に満ちている。名作「西部戦線異状なし」2022年で名を上げたエドワード・ベルガー監督の腕の確かさを証明したような作品でもある。
アンソニー・ホプキンスとジョナサン・プライス主演の「2人のローマ教皇」2019年ですでにコンクラーベの様相は描かれておりましたね。しかし本作は本当にバチカン内部と宿舎の往復による完全室内だけで描く、息苦しい程の閉塞感にも関わらず、スピーディな展開と的確な編集により、ハラハラドキドキ状態が続くのが凄いわけで、アカデミー賞ノミネートも至極当然の上出来作品。
ちょいと前までは法王だったけれど近頃は教皇に統一とか。その教皇が逝去し早々に新教皇を決めるために、世界中から枢機卿が招集され、バチカンに缶詰となり一切の外部との情報を遮断された閉鎖空間で選挙が執り行われる。それ自体を遂行する責任者でありかつ枢機卿の一人でもあるのが本作の主役であり、レイフ・ファインズが演ずる。降ってわいた重責役に苦しみながらも真っ当な選挙であるべく奮闘する姿を描く。
にも関わらず、次々と予想を覆す事態が勃発するから映画になったわけです。そもそも枢機卿の中で誰が立候補したとか、その方針とか、投票を導く手立ては一切なく、ただ漫然と「誰がいいとおもいます?」程度に投票を行ってゆく。これがルールなんですから受け入れるしかない、決選投票なんて考え方もない。その都度投票結果が読み上げられ、この結果を受けて次の投票に挑む。結果的に数日間を要し次第に対象者が絞られてゆく。よって有名な煙の色で未決定と決定を発表するわけですが、その燃料が投票用紙だったとは驚きであり、プロセスを一切消し去る術にも驚きます。
枢機卿のメンバーにスタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴーとハリウッド名優ですが非常にクセのある配役がなされており、本作のエンターテインメント度が高いことを示している。さらに男性ばかりの組織に唯一物言う女性が登場するのがカギなんですね。この役を父親は映画名監督のロベルト・ロッセリーニ、母親はスウェーデン出身の大女優イングリッド・バーグマンであるお久しぶりのイザベラ・ロッセリーニが扮し、あっさりとアカデミー賞助演女優にノミネートされる迫力演技を披露する。
数日間に渡るってことは互いに会っての情報交換は可能であり、陰謀・デマ・嘘・思惑が巡るわけで、こんな面白いドラマ設定が出来るわけ。当然に改革派と保守派の対立に、世の流れである多様性、そしてLGBTQの問題に皆悩む構図が示される。こうしてラストに明らかにされる驚愕の結果への梅雨払い描写が、うまく張り巡らされているから本作は上出来の一級作品なんですね。
バチカンの外で沸き起こるテロの一端がシスティーナ礼拝堂を襲撃するシーンはまるで宗教絵画の様相で、神の怒りの具現化のようで本作最大の見せ場でもある。逆に言えばまさか本物の礼拝堂ではなく、壮大なセットだと判る。著名なチネチッタスタジオ内に建てられた精緻なセット、ミケランジェロの「最後の審判」もしっかり描かれている、凄いものですよ。映画ってこうゆうところにこそ金をかけるとグレードがアップするものなのです。
全般に暗く沈鬱な背景に、こそこそと人物が囁きあう。それでいてセリフにある通り「これは戦争だ」と。カソリックの総本山のトップがこうして選ばれるわけで、一種の人間喜劇なんですね。
何の予備知識なく見たけどサスペンスやん
知らない世界を覗き見できる
近所の映画館では上映各回ともほぼ満席でした。
予備知識はほぼなかったけれど、どんなものかと鑑賞。
コンクラーベという言葉すら知らなかった私ですが概ねおもしろかったです。
密室の中で行われる崇高な選挙をこっそり覗き見る感覚は、私のような野次馬根性強い人間には楽しいもの。
しかし世の中、やましいことがある人に限ってトップに立ちたがるね。
いや、トップに立ちたい野心の持ち主だからやましいことができていくのか。
泣き落としたりワイロを配ったり密談に余念がなかったり、トップってそんなになりたいものかと地味に生きる身としては理解が及ばないが、ふと何人かの政治家が思い浮かんだりして納得。
あと、大切な教皇選挙、身辺調査がけっこうザルで笑った。
ベニテスが選出されておめでとう!と拍手を受けたあとになってこっそりいや実は彼は・・・って、こんな大切なことをこのタイミングで言う!?
ベニテスが選ばれるなんて思いませんでした、こんなことなら今朝言えばよかった、って、おい!と、ひとりツッコミ。
ま、映画ですものね。ストーリー上の都合もありますよね。
セットや衣装なども荘厳でとても興味深かったです。
神の御心とか神からいただいたとかキリストはとか、そういったセリフとともに異次元の世界に誘ってくれます。
スキャンダルが浮上するたびに苦悩の色が濃くなるローレンスの演技もよかった。
ぜんぜん違うけど、問題だらけの大きな会議の運営を任された中間管理職のような。
(我ながらスケールの小さい例えですが)
ひとつ。
ド近眼でさらに老眼も入ってきた身には、全体的に画面が暗くて見づらかったです。
で、-☆1。
極上のサスペンス映画
ラストにあまり衝撃を受けなかった日本人の私
カタカナ表記ですとなんだか威厳に欠けますが、原題の「コンクラーベ」のほうが、すんなり頭に入るくらい私の中では一般化された、カトリックのローマ法皇を決める時の秘密選挙のお話です。
法皇決定における難航度合いを考慮し日本語で当てるなら真面目に「根比べ」で良いのじゃないかとかれこれ30年以上思い続けています(笑)。
映画の内容が実際の選挙と同一がどうかは、正直よくわかりませんが、聖人の集いにあるまじき俗物的な描写(笑)が多用され、まるで汚れた社会の縮図みたいな印象を強く受けました。
もっと複雑で聖書の基礎知識が必要な宗教サスペンス?を想定して身構えておりましたが、各々の登場人物の演じ分け性格付けが見事で、ストーリー展開は把握しやすかったと思います。
最後のオチはカトリックの常識からしたらかなりショッキングな内容かもしれないですが、日本人の私からしたらそうでもないのは何故なんだろう、とちょっと不思議な感覚を持ちました。
予想よりのエンタメ
内容が堅苦しいイメージかもしれませんが、実際にはかなりドラマチックな展開で衝撃的な結末でした!
あまりにもコンクラーヴェについて知識がなかったので、会話の一つ一つ、何もかもが新鮮で、ずっと興味津々で観ていました。選挙の結果は早い段階で何となくそうなるだろうと予想していましたし、恐らくさらに裏があることも予想できましたが、それでも最後にはあまりにも衝撃的な事実で、思わず一瞬声が出ました。周りの人からも、映画館全体から驚きが伝わってきた。
実際のところはこんなに罪深い欲まみれの戦いだと思わない(むしろ思いたくない)ので、そういった部分には疑いを持ちながら観ていたが、一つの映画としては十分にエンターテイメント性があります。
ただ、もっと欲しかったのはカトリックにおける階級体系やその職務、またコンクラーヴェの全体的なプロセスの説明があれば助かると思う。
連続するどんでん返しに驚かされました
そう、きたか~
1 教皇選挙を巡る虚々実々の人間ドラマを描く。
2 教皇が死去し、所定の手続きに則り新教皇を選出する単純なプロットであるが、全世界にいる枢機卿が一堂に集まる直接選挙の為、簡単には決まらない。肌の色といった外見の違いや言語や出自の違い、そして考え方が保守的か民主的かといった内心の違いがある。さらに野心の有りや無しやもある。このため、各グループは神輿に担ぐ人間を立て、票集めを行い、対抗馬の足を引っ張ろうとする。数日間の選挙の結果は・・・。
3 本作は、全体的に重厚な作品となっている。しかしながら、重くはなっていない。投票結果により、票数が動き、投票の合間に人や情報が行き来し、話が二転三転する。スリリングな展開で眠気を誘われる暇もなく興味が最後まで引っぱられる。脚本と編集、演技のアンサンブルによるものである。
4 この映画を見て、女性は枢機卿など上級の役職には付けれないことを知った。かの世界はなんらかの理由で男女差別が残っている。一般社会とはことなる特異な世界である。そうした中、本作の選挙結果は、現代社会とのバランスを保つ形を取った。かの世界の権力者の怒りを買わないような賢明な着地であったと思う。そのうえで、新たな教皇はテロや戦乱が続く困難な時代にリーダーとなる覚悟を平易な言葉で語った。ここに製作者の矜持を見た。
5 選挙を取り仕切ったローレンスを演じたレイフ・ファインズは、厳格にして冷静な役どころを演じきった。途中の演説において、自分のこととして語った確信の罪のくだりは申し訳ないが理解できなかった。ラストの一仕事をやり終えた安堵の表情が印象に残った。
現実はこうであって欲しくはない世界
世界中が注目するコンクラーベ。この作品はフィクションだけど、現世で問題になっている話題が多数盛り込まれ、また聖職者にも関わらず、権力への欲望剥き出しの会話に、ゾッとしたりして、閉鎖されている世界を覗き見してる感じのドラマとしては面白い部分は多い。
ラストのショックはなかなかのものだったが、良し悪しは別として、エンタメ性はとても高かった。セットや絵画、衣装の美しさはさらに世界観を盛り上げている。
一流サスペンス
これは戦争だ!
なかなか馴染みのないコンクラーベの駆け引きが観れるだけでおもしろい。
もちろんバチカンのシスティーナ礼拝堂で撮れるわけないので、全部セットなのだが、それが素晴らしい。荘厳で歴史感もある。セットなのでカメラの撮り方もカッコイイカットばかり。
もちろん美術もバッチリで枢機卿たちが着る衣服の美麗さ。たくさんの枢機卿たちを上から撮るショットで傘の色が前半と後半でかわるのも絵的ちもおもしろいし、ちゃんと意味を持たせてる。
ストーリーも伏線を張り、所謂聖教者と言えども権力闘争に身をやつす姿は、俗世と変わらないし、そりゃ様々な問題を引き起こすのは無理ないな。そして「これは戦争だ!」まあカソリックの頂点に立てるのであれば必死になるのでしょう。そして今までカソリックが行ってきた矛盾を回収するラストはそれはわからん!という落とし所に唸りました。
宗教は争いタネになる。本作が相互理解の材料に少しでもなればな、と思います
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