教皇選挙のレビュー・感想・評価
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場外にすっ飛ばされた気分
ダンブラウンの天使と悪魔を読んでコンクラーベの事は知識があったので、まぁあんな感じかと、あまり観る気がしていなかったけど、ネット界隈でざわついているようなので…
突然の教皇の死去、選挙に渦巻く野心、策謀、イスラムの脅威
ローマ教皇になるべくは誰なのか?誰がなりたいのか?
あの出来事から一気に風向きが変わるのも違和感、
まだ何かあるのだろうと思ったらまさかの、
多様性の巴投を突然くらった、、
一本? いやいや、場外にすっ飛ばされた気分
アカデミー脚色賞👏👏👏
こういう題材を取り上げればアカデミー賞に引っかかるのだろう
まさにコンクラーベ同様の裏側を見たようで、もう笑ってしまったよw
現代に語りかけている作品
ドキッ!男だらけの根比べ大会
おじさん達がむさ苦しい閉鎖空間で根比べをする場所といえばサウナかシスティーナ礼拝堂と相場が決まっている。
本作では後者のほうが描かれた。
様々な思惑が飛び交い権謀術数が駆け巡る密室劇。
物語はおじさん同士の会話だけで9割がた進んでいくが、演出がとてもキレているので全く退屈しない。
ほどほどに謎解き的要素もあるのがアクセントになっている。
罪を悔いる者、罪を重ねる者、罪とは何かを問う者…権力を渇望する者、権力に失望した者…
おじさん達の群像劇として見てもとても楽しかった。
さて、物語の終盤、ある出来事によって、閉鎖されて空気が澱んでいたシスティーナ礼拝堂に外の空気が入ってくる。
そしてそこから物語は衝撃のラストへと猛烈に突き進んでいく。
おじさん達が辿り着いた答えはなんだったのか?ぜひその目で確かめてほしい。
聖職者とて抗えぬ"人"としての性
最後の最後に知る真実にビックリ仰天
老眼と鼻息
ローマ教皇が逝去、後継を巡り教皇選挙が開催、候補者達の駆け引き・陰謀・スキャンダルうごめく選挙の舞台裏と内幕を描いたミステリー。
物語は密室劇に近い。サスペンス風の権力争いと一人の首席枢機卿の思惑を中心に描かれる。まずは知られざるカトリック教会の内幕に注目した切り口に感心。登場人物やシーンも限定的だ。堅苦しい映画かと思ったが、思いのほかエンタメ性が高く、鑑賞後は、日本だと三谷幸喜のドラマの題材だな、と感じた。
勝手解釈は、眼鏡と息遣い。教皇候補者がそれなり高位高齢の為、老眼は違和感無いが、主人公ローレンスは真実を知ろうとどこからか眼鏡を取り出しエビデンスをチェックする。物語のポイントには真実を見る眼鏡が活躍するのだ。
あと、気になる息遣い。法則性を気にしていたが、結局分からなかった。ただ、普段静寂感のある教会内もこの時ばかりは騒がしい。そんな中、この呼吸音演出は観客がローレンスに没入するのに役立っていると感じた。少なくとも彼の鼻息が聞こえると自然と彼に集中していた。
ややもすれば、面白く無くなる題材だが、事件や論理はシンプル、感情や感覚はナイーブにした脚色は見事、大衆性の高い映画として成立している。
喰わず嫌いにならずに気軽に観られる作品だと思います。絵画のような荘厳な教会施設を観るのも、息遣いを聞き取るのも、劇場向けかなと思います。是非、映画館でお楽しください!
巧みな脚本に唸る
コンクラーベという特別な状況下で繰り広げられる心理戦。閉ざされた環境で繰り広げられる枢機卿達の会話に終始するも、緊張感が物凄い。自分もその場にいるような感覚で、固唾を飲んで選挙の行き先を見つめていました。
聖職者だって普通の人間、生きていれば間違いも犯すし欲もある。粗探しすれば埃は出てくる。
主人公のローレンスが、序盤は恐らく本心から教皇の立場を望んでおらず、粗探しして対立派閥の候補者を陥れても…みたいなスタンスでいますが、どんどん状況は変化していきます。
本作は基本的にローレンスの視点から描かれていますが、どんどん彼に同情してしまう…ずっと苦悩していて、この数日間のストレスで寿命が縮みそう。笑 苦悩は最後の最後まで続き、驚きの結末に。まさか序盤の説教がここで効いてくるとは…!
アカデミー賞脚色賞大納得の素晴らしい作品でした。
選挙強行
ローマ法王描く映画別に特別好きな訳ではないのですが、結構見ている
現教皇様が一時容態が悪かったので現実とシンクロするかとひやひやしました(現在は容態安定)
次の教皇選挙なのにまるでポリティカル、スパイミステリーのようでした そしてとても大変な手続きなのですね、きっと大昔から変わって無いのでしょう
レイフ・ファインズの苦悶の表情と音楽が更にスリラー風味助長
黒人やらアフガニスタンやらえらく最近のポリコレ満載だなと思っていたらやっぱり...とはいえ多様性が一番そぐわなそうな所で意外な結末中々面白かったです まさかの亡くなった教皇の思惑通りだったのかな?
現実はベリーニ 結果はどうあれ予見となった
保守vs多様性
こんなことを書くと「またかよ」と叱られそうなのだが、2024年に公開された○○賞狙いの映画の多くが、いかにトランプvsハリスのアメリカ大統領選挙に注目していたかがよくわかる。くしくも現在病状悪化で危篤状態が続いている、バリバリのグローバリスト=フランシスコ現ローマ教皇をモデルにしているようにも思えるが、本作は間違いなく“コンクラーベ”の姿を借りた、(マスゴミがなぜか極右と形容する)保守とグローバリズム(多様性)こそ正義と“確信”しているリベラルの争いを描いている1本だ。
聞けばこのフランシスコ教皇、DSべったりのグローバリストであり、2020年のアメリカ大統領選挙でもめた際も文句タラタラのトランプに対し、コロナ禍を理由に早急に(バイデン勝利の)結果を受け入れるべきとのコメントを残しており、どちら側なのかは火を見るより明らかだ。本作においてそんなリベラル派代表の枢機卿を演じているのがフランス人枢機卿ベリーニ(スタンリー・トゥッチ)であり、そのベリーニおしの主人公ローレンス主席枢機卿(レイフ・ファインズ)なのだ。
序盤はアフリカ系の枢機卿がトップ得票率を稼いでいたが、性犯罪スキャンダルが発覚してリタイヤ。それを画策したことがバレた野心家のトランブレ枢機卿(ジョン・リスゴー)も教皇レースから脱落する。ベリーニはどうも政治家から買収されたようで教皇になる気などまったくなく、コンクラーベをしきっているローレンス主席枢機卿とイタリア人保守派枢機卿テデスコの一騎打ちになりそうな展開へ。そこに現れた意外な人物....
派手なアクションもないけれど、120分飽きずにみせるドイツ人監督エドワード・ベルガーの実力は本物だろう。私は前々作の『ぼくらの家路』を拝見しているのだが、ワン・シチュエーションながら濃密に見せる技術に長けた監督さんのような気がする。本作のすべてのショットが、バチカンのシスティーナ礼拝堂(多分セット)とそれに隣接した宿泊施設のみで撮られており、無駄な製作費をかけていないDOGEも納得の緊縮予算作品なのである。
バチカンの近くで起きたテロ事件を引き合いに出して、「お前ら(リベラル)があんな奴ら(移民)を国内に大勢いれたりするからこうなるんだ!」と吠えるテデスコはまるでトランプやヴァンスを見ているかのようで、そのテデスコに「恥を知れ!」と逆ギレするベリーニなのだがどうも迫力に欠けている。現実世界の選挙が保守優勢に傾いていることを既に知っている我々が観ると、ベリーニやローレンス、そしてダークホース○○○○の演説はやはり綺麗事を並べ立てているようにしか見えないからである。
保守もリベラルもお互いやり過ぎるとウクライナやガザのような戦争になるわけで、ほどよいバランスを保っているのがおそらく“平和”という、人間が最も心地よいと思う状況なのだろう。しかし、インフレやデフレの際の金利や国債発行の適正値同様、どこが“ほどよいバランス”なのか正確なところは誰にもわからない。マスゴミが自陣に有利な統計値を捏造しても何のおとがめもない現代社会において、我々はただ“神の見えざる手”にすがるしかないのだろう。
※ラストシーンの意味がよくわからなかったのですが、監督インタビューによるとどうもこういうことらしいのです。
①移民の起こしたテロによって、女性を排除した家父長制的コンクラーベ会場の“ガラスの天井”に亀裂が入る。
②その亀裂を、イザベラ・ロッセリーニ扮する女性給仕長がさらに大きく広げる。
③多様性の象徴ともいえる新教皇の誕生で、亀裂から光がさしこむ。
④その光に導かれるように、半開きの扉から肌の色の異なる女性修道女たちが解放される。
なるほど、男ばかりのフェミニズム映画だったんですね。
今回は邦題の方が良かった。
亀
アカデミー作品賞を逃した理由
【アカデミー賞作品賞を逃し、脚色賞受賞の理由】
端的に言うと、
出世争いと聖なる世界、
両立していたら歴史的名作になっていた。
理解はできる、聖職者も人間、
それが狙い。
でも、もったいない。
以下蛇足。
宗教的テーマを扱いながらも、
そのアプローチが非常にユニークであり、
これまでにない視点で聖職者たちの物語を描いている。
この映画で思い出されるのは、『薔薇の名前』だ。
あちらもまた宗教的な背景を持ち、
聖職者がスクリーンいっぱいに埋め尽くされ、
荘厳な美術と厳粛な雰囲気を活かしてエンターテインメント性を保っていた。
14世紀の宗教的世界観ベースのキリスト教世界と、
21世紀の科学的世界観ベース(現実はテロやメディア、SNS対応)のキリスト教世界の矛盾を作品全体で背負えるのか。
しかし本作はその逆を行っている。
宗教的象徴や儀式を意図的に排除し、
聖職者たちを身近で人間味溢れる存在として描いている。
それが本作の狙いの一つであり、
聖職者という人物たちが聖なる存在である前に一人の人間であることを強調している点が、物語に新たな奥行きを与えている。
物語の舞台がコンクラベ(教皇選挙)の閉ざされた空間であるため、
伝統的な聖なる壮大な建物や荘厳な儀式が描かれることはなく、
代わりに日常的なシーンが強調される。
例えば、
スマホを操作する枢機卿、
没収されるiPad、
さらにはエスプレッソマシンの音までもが重要な要素として強調される。
これらの世俗的な要素が映画にリアルさを与え、
聖職者たちがどれだけ世俗的であるか、
またその生活の中でどれほどの人間的矛盾を抱えているかを浮き彫りにしている。
このように世俗性が強調されることで、
主人公であるレイフ・ファインズ演じる枢機卿の〈祈り〉に対する不信感が一層深まる。
その内面的な葛藤は、彼の精神的迷いをより強く感じさせる。
というような、
この映画が伝えたかったメッセージは理解できるものの、
物語の全体像、
特に「宗教」というテーマをより深く掘り下げるためには、
もう少しロングショットや象徴的な引きの絵が必要だったのではないかとも思える。
聖職者たちの権力闘争や内面の矛盾を描くために、
もっとシンボリックな場面があれば、物語の深みが増し、
視覚的なインパクト、
セカイ系的な示唆も強化されたであろう。
システィーナ礼拝堂に全てを押し込んでいる功罪でもある。
ラストの展開が予測可能であるという点も否めない。
しかし、その予測可能性にも関わらず、
物語の本質はラストの展開だけではなく、
登場人物たちが繰り広げる細かいセリフの積み重ねにある。
この小さなセリフの積み重ねが、
物語の中にある微妙な人間関係や内面的な葛藤を浮き彫りにし、
視覚的な演出よりも、むしろ心に深く残る。
登場人物のセリフが何気ない瞬間に意外な意味を持ち、
観客に感情的なインパクトを与える。
そして、最終的にあの枢機卿が教皇に選ばれる展開には、
物語としてのカタルシスが感じられる。
枢機卿が教皇にふさわしい人物であることを納得させるに足る、
内面の描写もなされており、
ただの消去法的な選択ではなく、
名実ともに教皇にふさわしい人物、
教皇の在り方への問題提起であることが示される。
その過程こそが、この物語の核心であり、
聖職者としての人間らしさを強調することで、
テーマの深さがより際立っている・・・
であれば、という所だ。
本作の狙いとして、
聖職者の人間性を描くことは理解できる。
しかし、その中で教皇選挙という大きなテーマをより象徴的に描く方法、
あるいは映画全体のトーンをもっと引き締めるための視覚的な手法があれば、
物語の深みがさらに増したことは間違いない。
もちろんそれは検討したうえで選択しなかったのだろう、
その辺りが作品賞を逃した理由なのかもしれない、
あるいは、
撮影はしたが編集で落としたのかもしれない、
全方位的に忖度をするとやむを得ない判断かもしれない、
その辺りが作品賞を逃した理由なのかもしれない。
それでも、
小さなセリフの積み重ねやキャラクターの微細な描写が、
最終的にこの映画の力強さを生み出しているのは、
脚色賞受賞の理由のひとつだろう。
イザベラ・ロッセリーニをキャスティングするという事は、
グッジョブをさせるという事・・・は納得。
赤と白、の中は黒
今年度のアカデミー賞関連では一番注目していた作品。
あらすじもだけどポスターなどのビジュアルが、ただならぬ事が起きそうなくらいに赤くて圧倒的に好き。
エドワード・ベルガー監督の過去作『ぼくらの家路』も、なんだかやんごとなき映画だった。
作中でも、枢機卿たちの衣装をはじめタブレットの縁だったり、壁の腰見切り(初めて知った名称)だったり、細かいところにまで赤が使われている。
爆発後の額の傷にまで血の赤を差し色にするとは気が利いてる。
目を引く色使いや緊迫感のあるアングルがちょっとデパルマっぽいかなと感じた。
聖職者とはいえ人間だし、以前には児童性虐待のニュースもあったから特段に驚くこともなく、むしろ教皇になるための蹴落とし合いがなかなか底意地が悪くて、もっとやり合えと楽しめたし、不穏な空気を煽るような弦楽器の音楽も良かった。
仕切り役に徹していたローレンスが、一瞬だけ野心を見せたところもなかなか良いアクセントになってる。
クリスチャンではないから、結果が教皇庁的にOKなのか分からないし、しれっとポリコレねじ込んだような素性にモヤっとしてしまったのが少し残念で−0.5。
イザベラ・ロッセリーニは年取っても綺麗だし、ジョン・リスゴーは年取っても顔面の圧がすごい。
結末に驚きを隠せない
manage. 割と冒頭でローレンス枢機卿が呟く言葉 妙に印象に残...
manage.
割と冒頭でローレンス枢機卿が呟く言葉
妙に印象に残っていた
管理する、以外にもニュアンスはあるわけだけど、
後半に向かう中で、本当にmanage.だな、これは
と思わされる
あらゆる意味でのmanage.
宗教の世界とはいえ、やはり政治色は消せない
ましてや、教皇ともなれば
私利私欲などとは、離れた場所にいる存在、と思いたいところだが、私利私欲しかない、むしろ
そりゃ生きて社会に属する人間だから仕方ないわけだが
そんな私利私欲、様々な人々の思惑が渦巻く中、次期教皇を決めるコンクラーベが進行していく
シスターたちの立ち位置、見えない存在
だが、絶妙なタイミングで、神がお与えになった目と耳が発揮される
よく考えてみれば、これでもかという男社会
その中にいる彼女たち
そして、思いがけない、予想もしてないラストだった、私にとっては
え?そうなるんだ…
ええ??そのエピソードいる???
だけど、そのエピソード、いるんだな
こうして感想を書いてみれば、そう思える
ただ、コンクラーベの投票用紙を燃やす意味と、煙の意味を知らないと、少しばかり伝わらないかもしれない、と思うシーンもあった
そもそもがっていう─
想像の上を行く結末に驚く
自分的には物凄く面白かったのですが、原作があるのでしょうか?
何となくウンベルト・エーコの「薔薇の名前」を思い出しました。
カトリック教会に詳しくなくても全然楽しめる密室?ミステリーですが、ヴァチカンが現在抱えている問題や現教皇のリベラル改革の内容くらいは知っておくとより楽しめるのではないかと思いました。
当たり前ですが、リベラルと伝統の維持は相反するため、あまりに革新的であってもそのバランスを崩すことになり塩梅が非常に難しいのですが、あってはならない事の徹底排除、過去のあやまちの清算、多様性の受け入れ辺りは世界中に信者を抱え、世界に影響力を持つ大規模なカトリック教会であるがこその課題なのかなと思いました。
ただ本作ではリベラル派であっても受け入れるには相当の覚悟が必要と思われる結末であり、それを知った時の驚きはローレンスと同じくらい衝撃を受けw、つい声が出そうになってしまいました。
レイフ・ファインズ演じる主席枢機卿ローレンスは自身も候補の一人であるにもかかわらず管理人としてコンクレイヴ中は中立でいなければならず、一方で尊敬する前教皇のリベラル改革は引き継ぐべきと考える難しい役どころでしたが、意外や意外、妙なリアリティを感じる事ができ、役者の演技力と脚本の巧さが光りました。
あまり事前情報があると面白く無くなるので控えますが、観て損はない映画だと思いますのでおすすめです。
頭ぶん殴られたような衝撃的な結末。これだけはゼッタイネタバラししちゃ駄目。
念のため、書いておきますが、おそらく演出効果を狙ってわざとカットされているようだけど、コンクラーベの結果、教皇が決まると、システィーナ礼拝堂の煙突から白い煙が出ることになっている。だから最後のひとつ手前のシーンでローレンスが空を見上げるショットがあるけどあの時彼の目には白い煙が映っているはずです。
そう、新教皇は決まります。
作品としては、前教皇が亡くなったあとの教皇選挙で、候補者たちの権謀術数の限りが展開されるというか、選挙管理者であるローレンスの身辺確認との争いが描かれている感じ。でも候補者たちが皆、小物というか、あまり魅力的でないのですね。だから映画が進むにつれて、だったらあの人じゃないか、みたいな予測ができて、結果、そのwhoっていうとこは予想通りになるんだけど。
最後の最後に驚天動地の仕掛けが用意されてました。(伏線はある)
ともかく観て!ビックリはするけど後味もそんなに悪くないです。
教皇にふさわしいのは誰だ!?
全502件中、461~480件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。