教皇選挙のレビュー・感想・評価
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明快なエンタメ作品です!
まさに、これこそが「映画!」とガッツポーズしたくなる大傑作でした。原作を基に特異な世界を分かりやすく観客に伝える物語の展開力、赤が強調された枢機卿の装束や礼拝堂内外の色彩美、ローレンス役のレイフ・ファインズの苦悩を表現する演技力等々何もかも全て一級品です!何でこの作品がアカデミーは脚色賞だけに終わり、作品賞とか監督賞とか主演男優賞を獲れないでしょ(無冠に終わった「名もなき者」も同じだが)、。カトリック協会の総本山の内幕だから?衝撃のラストが受け入れられないから?どう考えても「アノーラ」より数段上でしょ、。
この映画が今、日本でかなりヒット(平日でも映画館はかなり混んでいる)し評価も上々なのは、実は「明快なエンターテイメント作品」だからなのだと思います。ローマ教皇の話など普通、宗教チックで説教くさい映画を想像するが、この映画は出来るだけ小難しい話は抑えポイントとなる所でわかりやすい珠玉の言葉が入る(選挙が始まる前のローレンスの挨拶、テロ後紛糾する議論の最後にベニテスが戦争と心のあり方を話すシーン)。物語は選挙を正しく収めようと奔走するローレンスの視点のワンテーマで進む。又同じ服装の同じおじいちゃんばかりが出てくるが、投票結果の度に得票を得た枢機卿の顔と名前を読み上げたりするので誰が誰で何をした人かすぐ理解でき映画に集中することができる。とっても上手な映画表現だと感服いたします。
いい映画観れたので今日はとっても良い日でした〜
ほどよい緊張感が続く
「万人に向けた言葉は無く、味方に向けた言葉ばかり」
表題の言葉がとても心に刺さった。当たり前の事を思い出させてくれた。
言葉って何なんだろうと考えさせられる映画。多様性やジェンダーレスは大切なことだと思う。しかし同じ言葉でも人によってその認識は様々。しかも最近は言葉と中身が釣り合わない物ばかりが目に付く。その不信感と圧の強さに対する反発が今噴き出ているんだろうなと思う。
しかし本当に難しいのは、そこに真面目に向き合う人程ほど、ラストの主人公のように矛盾にぶち当たるというところ。きっとこんな言葉に踊らされていなければ、後ろめたい思いをせずにでいられたことだろうにと思う。きっと目新しい言葉に踊らされる前に、ありきたりな言葉をもう一度思い出す事が大切なのではないか。
(寄生獣という漫画の最後でミギーが「私は地球に優しいという言葉が嫌いだ」と言っていたのを思い出した)
…
目新しいものは無い。だが、舞台設定や話の進め方がとても上手い。私も主人公同様に2つの価値観の板挟みにされた。
…
特に好意的に感じたのは、何ものにも善悪のレッテルを貼らないところ。聖職者だって所詮人であり、変わることができるという当たり前の事を前提にしているところ。
映画の醍醐味
起承転結の起承は平凡だが、転結はシビれる。
何から何までムダがない。
映画の醍醐味は、こういう面白さである。
理想を説いても理想を生きている人間なんていない。
そんな何気ない、意味深なセリフがいくつもあり光る。
都合よいクリスチャンを今まで何十人も見てきたので、
ほらヤッパリと僕には苦笑しかない。
自分の事は棚に上げて理想を上から説くことを、
そんなに欲することなのだろうか。
人が闘う対象は己か他人か。
そんなこと分かっているクリスチャンに今まで会ったことがないから、
その切り口もユニークだった。
(すみません、僕はクリスチャンとかキリスト教を軽蔑している。キリスト教の幼稚園に通い日曜学校も行ったけど。)
昔だったらこういう映画がアカデミー作品賞だったが、
現アメリカ大統領を考えると
(あの人はジェンダー問題に残酷だから)
「教皇選挙」や『エミリア・ペレス』よりスケベ大好き他はピーマンどんぶり勘定の『アノーラ』を選出しないと
おヘソ曲げて映画税とか取りそうだしなぁ。
とても良くできた茶番劇
音響や映像はとても良く作り込まれていて、構図や展開も見事。
脚本も視聴者の意識誘導が巧みで、終盤にかけて作者の掌で踊らされているような感覚になった。
とはいえ、内容は簡潔に言えばバチカンの内部闘争に終止し、カトリックないし宗教に対する強烈な皮肉を除いては、メッセージやテーマ性にかける。
一風変わった舞台で大量の金と技術をを動員して作ったサスペンス映画というあたりが妥当な評価ではないか。
重いルックだけど…
風呂には入らないのだろうか?
「ダ・ヴィンチ・コード」とかこのジャンルは非キリスト教文化圏の私には基本的な部分で理解が及ばず楽しめないことが多いので迷ったけれど今年のアカデミー賞の中でやはりこれは外すことができなかった。結果的に宗教は形ばかりの政治的闘争劇で宗派関係なく楽しめるミステリーエンタテインメントに徹していてすごく面白かった。明らかにコンクラーベを茶化しており、積もった吸殻なめのシスティーナ礼拝堂内や水面下での陰謀、衝撃的な結末を敬虔なカトリック信者たちはどう感じるのか?かなり気になったが主役ローレンス枢機卿を演じたレイフ・ファインズもカトリックの家庭で育ち役作りのために実際の聖職者に会って話を聞いたというのだから神の心は途方もなく広くてすべてを許したもうのだろう。ほぼ全編礼拝堂内の密室劇なのだが音楽・衣装・美術がしっかりしており役者もそろって飽きさせることが無くクライマックスで封鎖された空間に外光が差し込むシーンはどの宗教画より美しく崇高に見えた。一時のアジテーション巧者が支配者となる怖さを思うとやはり多数決でいいんじゃないの?アーメン。
我々は、理想そのものではない
確信が欲しくて、右往左往の私です。だって確固たる確信があれば、もう迷わない。惑わされない。ヒトの話も聞かない。不寛容で、対立する世界にも、戦争していける。
そんな私になれたなら、この映画を観ることも、なかったでしょうね。
…天子とは、無条件に民を慈しみ、無条件で民に愛されるもの。私は、国家を睥睨する臣下の主席となろう。「蒼天航路」に登場する曹操の言葉です。魏の武王まで登り詰めても、帝位に就かなかったのは、どんなに民を愛しても、民に畏れられる存在だった自分を自覚していたからだとか。
そう、この映画のローレンスのように。
不正を糺す、間違いを修正する。組織の管理者として卓抜した才能は、ヒトを畏れさせてしまいます。管理する者がいなければ、組織は崩れます。しかし、組織に、夢と未来を託せなければ、組織は存在理由を失います。本当の戦争を知る者が望む世界、知りたいと思いませんか?。(現教皇、フランチェスコの世界を知りたい方は「ローマ法王になる日まで」をどうぞ。)
でもさ、自分だけは、特別。実は私には、私だけの天からの賜り物が用意されている人生だと、思いたくなりません?。だとしたら…。
誰よりも頑張った結果、何か与えられるとしたら…。
ここまで頑張った自分に、教皇としての名が冠せられるとしたら…。
コンクラーベと云う、根比べの先に、皆様は、何を求めますか?。
以上、確信と嫌疑の狭間から、呟いてみました。
「チェーザレ」
マキアヴェリが、君主論を執筆するきっかけになったと云われる、チェーザレ・ボルジアの青年期を描いた傑作マンガ。彼の父親が、コンクラーベに出馬する終盤戦が、けっこうスリリングです。因みに、チェーザレが、その後どうなったのか知りたい方は、まんがで読破「君主論」をお勧めします。面白いですよ。
なるほど、脚色賞受賞頷けます🙂
物語序盤は、緊張感ありつつも淡々と進み、疲れていたせいかやや睡魔が…😅
但、中盤からスピードアップし、終盤は一気に急展開❣️う〜む正に脚本(本作はベースがあるので脚色)の勝利ですね😆
ても、ここ数年のアカデミー賞受賞作品はLGBTし過ぎ🤔
一級のエンターテイメント
選挙権と被選挙権両方を持つ人間が一ヶ所に集められ「3分の2以上の票を得た人物が選出されるまで何回でも選挙はやり直しまーす。その間、お前らはこの場所から出られませーん。外部との連絡も一切禁止でーす」
デスゲーム系の作品にも応用出来そうなこのルール。こんなの参加する人間各々の思惑や策謀術数入り乱れて否応なくドラマが生まれるに決まってる。
これが世界最大規模の宗教のトップを決める方法と知って、正直「バチカンって、こんな面白そうなイベントを何百年も続けてたのか!」というのが第一印象でした。
(wikiで調べたところ、最初期の教皇選挙は枢機卿たちを宮殿に閉じ込め、鍵を閉めて、外部との関係をいっさい絶たせ、食料もパンと水だけを供給し、武装した人たちで城を囲ませ、他の食事を運び込ませなかったそうです)
ここにカトリック教会が今までに児童への性的虐待とそれを隠蔽していた背景。改革派と保守派の派閥争い。枢機卿同士でも起こる人種差別や女性軽視の問題等が加われば話のネタには困らないですし、不謹慎な言い方をすればエンタメの題材として一級品なんでしょうね教皇選挙って。
事実、娯楽作品としてちゃんと面白かったです。
ただ「あー、面白かったー」だけで消費する作品ではなく(もちろん、そんな映画も大事だし大好きなんですが)、観賞後に1つか2つ持ち帰れる物がありました。
『確信は罪』という説教と「常に疑念を持ち続けなければならない」という演説の下り。あれは自身の信条や昨今の世の状況にも当てはめて行こうと考えて映画館をあとにしましたよ。
あと、教皇選挙の開始直前につるんで煙草を吸ってる枢機卿達がまるで、トイレに隠れて煙草を吸う中坊みたいで微笑ましくも情けなく「偉い坊さんってだけで尊敬しちゃ駄目だな」と確信しました。(←おい、それも駄目だろ)
神にも他人も自分にも嘘をつかない清さ
1. 観て損しない快作
ネタバレなしの雑感です。ミステリという日本版wikiの分類は正しくない。ミステリなら推理の材料提示があまりに不十分。因みに、英語版wikiは"Political thriller"と称している。ただ終盤に強力なオチが待ってるので、期待して欲しい。
⛪️
2. 中盤までは根比べ
正直、序盤は然程面白くない。アカデミー賞候補者が揃う布陣だが、似た格好のオッサンどうしの会議は地味だし、役名と顔が一致し辛く会話も追い難い。中盤は戒律破りや買収で騒がしくなるが、人事絡みのドラマでは"あるある"で、目新しくはない。しかし終盤、(伏線はあるが)予想外の「事件」でムードが一変し、どの勝馬に乗るかではなく、どんな人材に期待すべきか明確になる。
💒
3. 思慮深いラスト (ネタちょいバレ)
本作の解釈で間違ってはいけないのは、選ばれた新教皇が本当に適任だったかまでは描いていない事。教皇としての能力は、実際の活動を見なければ評価できない。ただ、彼を選んだ過程は正しい。彼が公表してない事実を皆に告げたら結果は変わったろう。でもそれは本当に必要な情報? 寧ろ本質を歪める雑情報ではないか。彼は神にも、前教皇にも、自分にも嘘をつかなかった。聞かれたら、投票者の前で告白した筈。その清々しさが、自分の胸には突き刺さった。
大人の映画の醍醐味が詰まった映画
カウンターパンチみたいな若い世代の映画ばかりが映画じゃないね、と思えるザ・映画、の醍醐味を堪能できる一本。
醍醐味って何なのかというと、たぶん脚本、撮影、芝居、音楽、そこにプロフェッショナルな仕事が見えたりするもので、この作品にはそれがたっぷりある。こういう映画が定番であって欲しい。
日本語タイトルそのままの教皇が死んで新しい教皇の選挙となるのだけど、もちろんそんな特殊設定知らん、のだけど、ななかなか知り得ないところの密室劇なので覗き見感覚が楽しい。
特にあの投票の仕方の作法、紙の投げ入れ、読み上げ、束ね、焼く、一連の伝統の作法。それが延々繰り返され、苦悶し、捩れ、どこに着地するのか〜そこか!というのが楽しい。
そうでなくとも教会の聖俗入り乱れたいろんな事件もニュースで見知っている側からすると、いろんなことを想像するが、そういったことが小出しに、想像以上なネタで出てくる。逆に聖俗の交わる場所だからこそのドラマが面白かった
コンクラーベ
コンクラーベ?根比べ?
ローマ教皇が急病で逝去した事による次期教皇選挙(コンクラーベ)を基にしたミステリー映画?
内容的には教皇になる資格がある百人を超える枢機卿から選挙によって一人を選出するのだが、聖職者にあるまじき?権力欲、名誉欲、支配欲、自分達の考えを広める為の派閥争いをミステリー仕立てで興味深く仕上げた映画。
一回の選挙では決まらず何度も選挙を行ううちに最初はそうでも無くてもどんどん欲望の沼にはまり込んで行き猜疑心に苛まれていく様や事前に教皇の死期を察して早くから陰謀を巡らせていたりする輩がいたりと見応えあり。
ローマ教皇を補佐する首席枢機卿のローレンスは教皇選挙を行うべく準備に勤しむが、前教皇が死の直前に枢機卿(枢機卿は教皇が指名する教皇の補佐役の司祭で世界各地で活躍)に任命された司祭が来たり、不穏な噂が流れたりと選挙前、選挙中と色々な事が起こる。数々の問題を抱えながら難問を解決しつつ選挙を公正に行う苦労の連続。本当は首席枢機卿を辞して他の事をやりたいと願っていたが、その公正さからか前教皇から却下されていた。また人徳からか自分にも票が入り頭を抱える。
果たして教皇選挙で誰が選ばれるのか?
初の黒人?保守派?革新派?穏健派?ローレンス?
本当の教皇選挙の裏側ってこんな感じなのだろうか?
権力欲に取りつかれてしまうオジさん達
ローマ教皇を選出する為にシスティーナ礼拝堂で行われるコンクラーヴェ。これを題材にした映画がこんなに面白いとは思ってませんでした。
ローマ教皇(法王)と言えば、何十年も前になりますが、聖ヨハネ・パウロⅡ世が外遊中に、群衆の中から一人の男性が駆け寄って法王の靴に口づけしたのがニュースになってました。それ位、世界中から注目される存在です。信者にとって教皇は神も同然ですが、アメリカでは聖職者の性犯罪が少なくなく、必ずしも聖人とはいかないようです。
本作はカトリックの頂点である教皇ですから、ローレンス主席枢機卿としては、最もふさわしい人物が選ばれて欲しい、しかし有力候補者に問題が次々と露見、少しでもましな人物は誰か、みたいな雲行きになっていくのが、政治家の選挙みたいで面白かったです。
映像は格調高く、枢機卿たちが通路や広場を歩くシーンは遠目で見ると荘厳で美しいのに、近寄ってみるとスマホや煙草の吸殻があって、極めて人間臭い様子です。
興味深かったのは、最初の投票で31人が自分に1票を入れた事です。でも、決めかねている31人というセリフがあったから、権力と重圧とを考えたら皆が教皇になりたいという訳でもないんですね。
投票を重ねる毎に情勢が変わり、焦る者、罵り合う者、根回しする者、それを冷ややかに見つめる(?)修道女たち。ローレンスの緊張が高まります。彼が、問題発覚した候補と1対1で「あなたは教皇にはなれない」と宣告した後も、当人は退場も辞退もしないのですが(そもそも立候補する仕組みでは無い)、次の投票では確実に票が激減していたのは、周りがそのことを察知するのか、どうなってるんだろうと思いました。
おまけ
枢機卿は、本当は「すうきけい」と読みます、と確か塩野七生さんの本で知りました。
でもどの番組でも「すうききょう」と言っているので、 それで統一しているのかもしれません。
(単に日本語の読みの問題ですし)だから私は「すうきけい」で変換しています、その方がちょっと楽なので。
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