教皇選挙のレビュー・感想・評価
全501件中、201~220件目を表示
知識欲・倫理観をくすぐる作品
先日、予告がぶっ飛んでいた本作を観てきました。(まさか本当にぶっ飛んでいたとは…w)
終始、静かに物語は進行しますが、互いに駆け引きをする枢機卿のキャラも面白く、大変良く出来ています。(個人的に宮内省も近しい事があるんじゃないかなと邪推)
信仰とは何ぞや?と考えさせられます。私自身、仏教ベース神道推しの典型的な日本人ですが、カトリックとなると一筋縄では行かんよな(人種・国籍・ライトレフト思想)と考えさせられました。
上質で静かな駆け引きが好きな方は観て頂きたいです。
是非、映画館でご観賞くださいませ!!!
ありのままとはこういうことか。
次のローマ教皇を決めるにあたって、もめまくるお話。そりゃ派閥もあるし、足の引っ張り合いもある。神に仕える身であっても、やはり人間なので色々と悩ましい問題が勃発します。誰がふさわしいのかを、をできるだけ良識的に知ろうとするのですが、人はそれぞれの「正義」を持っていますから一筋縄ではいかない💦
作中では、「常に妄信的に確信して行動するのではなく、常に本当にこれで良いのか?と疑問を持ちながら行動していくことで、神の教えを理解することが出来る」というようなことを問われています。
重みある内容でした。ありのままって本当にこういう事だし、何の問題もない。今までの歴史がくつがえることもない。思想は自由で神の示すままに、ですよ。よくこんな映画が公開されたなぁという感心が一番大きいです。
選挙の行方は
Sister
今の政情を煮詰めたような話
良いところ
ただただ会話シーンで緊張感張り詰めたシリアスな作品
宗教家の上位も人間くさい
?なところ
名前の響きと人物がつながらんせいで、理解が追いつかん
教皇の逝去から始まってただひたすらに会話と謀略で話がすすむ。盛り上がりが少ないが、ずっと緊張感のある話で二時間ずっとこんな調子、結構体力がいる。
世界中から枢機卿が集まってきて、出てる人全員が高位の聖職者なのにタバコは吸うし、タブレット使うしで敢えて人間臭いところを強調してから、欲望丸出しの教皇選挙へ。だからこそごく少数派の良識派が際立つ。
ラストは今の世界を象徴するかのようにありとあらゆる思想が詰め込まれて混沌としてるif展開ですが、実際に起こったら一体どうなるのやら。
ローマ行きたい!
重厚な赤印象的
新たな教皇を決める選挙のため、各地から集まった枢機卿たち。彼らがまとう法衣の深みのある赤い色がなんとも印象的な映画だった。実際にはもう少しオレンジがかった色らしいが、それを映画用に赤に変更したことで、画面から来る印象が重厚になったような気がする。赤い法衣の聖職者たちが、白い傘をさして歩く姿を上から撮影した場面や、密室の投票会場での爆破事件など、絵画のように美しいシーンが多かった。
この映画を見た人は、フィクションだけれど、限りなくノンフィクションに近いのだろうと、誰もが思ったに違いない。
レイフ・ファインズの終始抑えた演技もとても素晴らしく、特に後半コンクラーベの流れが変わるあたりからは迫力も増してさすがだと思った。
一番驚いたのは80歳近いジョン・リスゴーがまだまだ若いこと。30年以上前に「ガープの世界」で初めて見た時からほぼ印象が変わらない。すごい!
赤と黒、そして白のエクスタシー
コンクラーベは根競べ(恥ずっ)
第97回アカデミー賞脚色賞受賞作品で評価も高いので遅くなりましたが見てきました。
個人的に宗教に疎くあまり関心もない人間なのですが、これって平均的な日本人だと勝手に思っていて、だからこそこういう作品に日本人は興味があるのかも知れないと思う位、平日にも関わらず観客が多かったです。逆にこの作品ってキリスト教信者の人はどのように見たのでしょうかね?それにもちょっと興味があります。
宗教にあまり興味のない私からすれば「宗教でも選挙(多数決)なのかよ!!」って、まず最初にそもそも論の疑問から入ってしまうので、凄く重々しい本作を裏側からついつい見てしまい、選挙って政治的工作がつきものなので本作の内容を見ていると(各)国家の大統領選挙などと比べると遥かに可愛いもので、これをミステリー仕立てにしても表面上はいくら厳かであっても実質コメディーの様に見えてしまいました。
やっている事は学校の生徒会選挙と大して変わらないし、世界中から来る候補者たちも煙草はポイ捨てだわ横柄だわ修道女はメイド扱いだわといった演出はまるで高校生並みであり、完全に宗教に対する皮肉であるのに対し、映像的には荘厳で格式と権威に満ち満ちた超重厚な演出であり、そのギャップが面白いと言えば面白かったです。その辺りが本作の一般評が高い要因なのかも知れませんね。
個人的には、選挙の取りまとめ役のローレンス枢機卿が選挙開始の冒頭の演説の中で放った“多様性”という言葉が本作のメインテーマになっていた様に感じて、たまたまですが前日に書いた私の日記もその“多様性”の話をしたばかりだったので、その偶然性に驚いてしまいました。
しかし一神教の宗教と多様性って、ある意味相反する言葉なのに、今の時代の宗教ではそんなこと言ってられないという時代になってしまっているという事なのでしょうかね。
元々多神教の日本人にとっては、その辺りは至極当然に納得できるのですが…
私の日記では、人間に“多様性”を認め制御できるほどの能力が無いのが分かったので、もっと基本的な良心や倫理観に根差した教育をした方が良いと思っていると書いたのですが、今のキリスト教(カトリック教徒)ではやっと「“多様性”を認めろ」という段階なのだという事がなんとなく理解出来ました。
ということで、映画内ではラスト近くのベニテス枢機卿のトランプレ枢機卿に対する反論がクライマックスであり、それはシビれる演説で私も(娯楽映画の醍醐味として)シビれましたよ。
ただ、冷静に考えると「宗教組織ってまだその段階なのかよ」という気はしましたし、ラストもあくまでもそうなればそうなるという大団円であって、この作品の裏側には「世界は宗教の存在意義をそろそろ考え直す時期に来ている」という(隠れ)メッーセージを感じてしまいました。
追記.
最近の新作を見ているとカメラ性能の高さ故なのか、自然光だけの撮影が増えている様なシーンが多くて、実際に室内で夜のシーンや夜明けのシーンなど正直言ってリアルではあるが見難いって感じる事が非常に多くなり、これって歳(目の衰え)のせいだけではない様な気がするのですが…、こういう映画の場合テレビモニタで見る方が鮮明なので見易いのですよね。
未知の世界が見られる極上サスペンス
日本ではあまり馴染みがないコンクラーベが題材、役者は地味、それに宗教絡みのテーマと、優れた映画だとしても最近の日本では、こういう映画はヒットしないんだよな〜と思っていたら、連日映画館のチケットが完売するほどの大ヒット。
もちろん上映館数はそんなに多くはないけど、興行ベストテンにも食い込んできた。
これには驚いた。
都心の映画館では良い席が取れないので、郊外のシネコンで観たが、一番大きなスクリーンで上映され、夜の回でもそこそこの入り。嬉しい驚きです。
教皇の死をきっかけに、新たな教皇を決めるためのコンクラーベに枢機卿が集まるのだが、これが予備知識無しでも楽しめるほど分かりやすく展開する。
ベテラン役者たちの演技力と脚本の力が見事に融合している。演出も的確。
どんどんストーリーに飲み込まれ、映画の世界に引き込まれて行く、まさに映画を観る楽しさが味わえる一本である。
密室会議、実は現代社会の写し鏡か。
リーダーを選ぶ権利
秀逸な脚本
人間の本質が見える
どんな人間にも欲はあるものだ。但し何処までそれを表に出さずに容量良く事をこなすか、というだけの話で。
主役のローレンスは何事においても卒がない。堅実な男だ。どんな仕事も彼なら上手くこなせる様に感じられる安心感を覚える。
中盤の展開には実にドキドキハラハラした。このテーマでここまで面白く魅せるのか、という感嘆。建造物や衣装の細やかな美しさ、BGMの良さにも事欠かない。
しかしながら、ローレンス…悲しい哉。最後に垣間見えた彼のほんのささやかな浅はかさが、花の散り際の様に虚しかった。お前は中盤誰に助けられたか忘れたんか。
ただ!彼のことは決して嫌いではない。彼の心持ちに共感を覚えた人は多い筈だ。決して無理をしてキャパシティ以上の本物になろうとしなくても良い。人が持ち得る本質は人によって違うし、光とそよ風が差し込む程度に窓を開けて目の前の景色をいまひとたび見つめ直して生きていくことは、明日を生きる上でとても大切な事なのだから。
イザベラ・ロッセリーニのシスター・アグネスが一番良かった!
高校の世界史で出てきた「コンクラーヴェ」にまつわる物語。
ラテン語、英語、イタリア語、スペイン語が出てくるが、ラテン語は典礼に関わる部分のみ(特に、投票の時)、あとは、投票に参加している枢機卿たちのそれぞれのお国の言葉が中心。複雑な人称や、時制や場合で変わる動詞の活用を持ち、論理や感情の整理に優れているフランス語やドイツ語は出てこない。製作者が公開国を考えたのか、主要な枢機卿の多くは英語を話す。それにしても、皆さん、ラテン語を含み、多数言語に通じているということだろうけれど。
英語は、何といっても実利的な言語だから、カトリックの教義や歴史よりは、選挙の背景になるような思惑や企み、ミステリーが話の中心になる。あとは、イタリアとスペインがカトリックの主要国であるので、彼らの感情がストレートに出てくるイタリア語とスペイン語が目立つ。
とは言え、ストーリーや俳優たちが優れていれば、それで良いのだが。
私の心に届いたのは、イザベラ・ロッセリーニの扮するシスター・アグネスのみ。「自分達は、invisibleな(目に見えない)存在」という台詞が一番良かった。それでいて、彼女の行動が、選挙の行方に、一番インパクトがあった。
思うに、彼女たちシスターの発言を認めることこそが、プロテスタントの出現、カトリック対抗改革に引き続く、真のカトリック改革に結びつくのではなかろうか。おそらく、それは、経典から遥かに隔たることから、もはやカトリックとは呼べなくなるだろうけれど。その日がいつか来るのではないかと思われた。
すごく引き込まれる映画!!
全501件中、201~220件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。