教皇選挙のレビュー・感想・評価
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坊主巡り
この映画が制作されていた時には想定だにしていなかったはずだが、先月のフランシスコ教皇の死によってにわかにコンテンポラリーな話題となった本作。いわんや原作は2016年に書かれているので、当時は教皇が積極的に世界各国を歴訪していた最中だった。
実際の教皇選挙がこの映画で描かれたような権謀術数渦巻くものなのかは定かでないが、重厚な語り口と出演者たちの入魂の演技によって、見ごたえのある作品となった。
レイフ・ファインズも還暦を過ぎたが、相変わらずいい役者だと感心する。「シンドラーのリスト」で善人を演じた人は今やすっかりアクション俳優のイメージになったが、片や悪人役だったファインズは芸歴を積み重ねて名優の名にふさわしい存在となった。数々の出演作を見てきて、(シアターライヴで見た「人と超人」も渋かったが)何と言っても「レッド・ドラゴン」のダラハイド役が強烈な印象を残す。
「薔薇の名前」と違って、殺人などの血なまぐさい事件は特に起こらないが、投票の経過そのものが十分スリリングだ。ロマン・ポランスキーの映画の脚本や原作にもクレジットされているロバート・ハリスは基本的にミステリー寄りの人らしく、本作でもいくつかのツイストを効かせているが、finishing strokeはもっとインパクトが欲しかったところ。
煙突から出る黒い煙と白い煙。白い煙を見せなかったのはなぜ?当たり前のように黒澤明の「天国と地獄」の赤い煙も思い出した。
開けてビックリ教皇候補不祥事ビックリ箱
天井の穴から風がそよぐ
眠てえ作品でした
宗教に興味がなくても、ミステリー映画として楽しめる
フランシス教皇の死去に伴うコンクラーベが迫っていることも影響しているのか口コミか、田舎のシネコンでも上映が始まったので観てきました。連休中ということもあるでしょうが、お客さんもまあまあ多かったですね。
100人以上の年寄りの男性が集まって(女性は蚊帳の外!)、密室で3分の2以上の得票者が集まるまで日を改めて選挙を続けるという、画面から加齢臭が漂ってきそうな感じなのですが、票を集める駆け引きや陰謀がうごめき、宗教に興味がなくてもミステリー作品として楽しめます。
前評判が非常によいので、期待しすぎる悪い癖が出たので、思ったほどではなかったので、採点は厳しめです。
レイフ・ファインズも歳を取ったなぁと思ってみていましたが、今調べたら62歳だったので、老けメイクだったのかな…
眠みに負けました
ああ…なるほどそうきたか!
最後にどんでん返しがあるとの情報を持っての鑑賞。
おお!そうきましたか。
今の時代らしいね。
皇帝選挙は、ホント権力欲のためのいろいろ、ドロドロ
だけど、そこは想定の範囲。
途中、ちょっと眠気も💦
だけど賞を取るに相応しい作品ですね。
まさにタイムリー
2025年5月7日からコンクラーベが始まるらしいことで、そんなタイミングで鑑賞できてよかったです。
正直知らないことばかりで、他の方が言う、次々に色んな事が起る極上のミステリーって感じはしませんでした。作品の素晴らしさは理解できるものの、私自身の無知さからか何が起こっても「そういうものなんだ、、」と受け入れてしまい、あまりミステリーを見ているようには感じませんでした。
オチもカトリック教界隈ではとんでもない事なのかもしれませんが、「なるほど、そうなのか、、」と思って見てしまいました。よかっただけに、演出もそういうことならもう少し上手い見せ方もあったんじゃ?と思ってしまいました。
しかし、バチカンの歴史に裏打ちされた厳かな雰囲気や、衣装、なによりレイフ・ファインズの演技は素晴らしくオスカーでもよかったと思いました。(シャラメもよかったですけど。)
ラストが素晴らしい!
老いらくの息遣いが最後までこだまする。
ネタバレされずに観れて幸いだった。素晴らしい作品。
ずっと観たかった本作、公開劇場拡大につき近くの映画館で上映してくれることになり、その初日に鑑賞。
言葉の一語一句聞き逃したくはなかったんだけど、いかせん自分の記憶能力で書き起こすことはかないませんが、素晴らしい作品でした。台詞を書いてしまうとネタバレになってしまうので、そこは割愛します。私はカトリック系の高校に3年間通っていたので、シスターたちにはより思い入れがあります。また最初の食堂でのシーンで彼が現れたときとその彼による食事の祈りの言葉にこそ今回の教皇選挙が象徴されているようで印象に残りました。
確信と疑念、信用と虚偽。枢機卿という立場でさえ人の業というのか、私利私欲で動いてしまう。冒頭から最後まで終始息づかいを感じるのは、どんな崇高な役職だとしても一人の人間なんだという証に見えました。まさに心理戦の醍醐味。ネタバレされずに観れたのが幸いしました。
事前知識なしで評判だけで観に行ったので、登場人物の名前と顔を一致するのに少し時間がかかりましたが、選挙のたびに名前が連呼されるため覚えることができました。なんといってもストーリーが良い、これぞ私が観たかった映画です。観に行けて良かった。吹き替え版もぜひ製作上映してほしいです。
聖職者達は意外にも世俗的だが崇高な映画
本年度ベスト級、重厚な人間ドラマ
遠い地バチカン、世界最古のカトリック教会ローマ教皇を決めるコンクラーベは私にとっては一種のファンタジー。無宗教の日本人だからこそ極上のエンタメとして最高に楽しめました。
薄っすらとしか知らないキリスト教、前情報もあらすじを齧るだけで充分。誰が主演?から鑑賞時始まったのに最後には今作の虜となった。
レイフ・ファインズ演じるローレンス枢機卿の周りには半世紀以上生きた老齢ばかり。選挙という名のパワーゲームではあるものの彼は選挙の進行役であり選挙の参加者でもある。そして次々に彼の胃を痛める事件や新事実が発覚し…。
登場人物の個性も役割も魅力的でした。国、人種、性別など関係なく訴えてくるものがある。
クライマックスは2度あった、どちらも号泣し脚本の巧みさに拍手喝采。レイフの息遣いを拾う音響の拘り。バチカン総本山でのロケーションは素晴らしく画角に収まらない芸術も美しかった。
感想は山程あるが興味のある方は是非足を運んで先読みの出来ないサスペンスと言う名のヒューマンドラマに酔いしれてほしい。
ファンタジー
改革派と保守派の正当な後継者2人を推すという葛藤が見たかった。が、スキャンダラスにする事でフィクションとしての面白さは出ているので、面白くは見た。
コンクラーベの進め方そのものは、バチカン内の方々の過去の日記や日報などを元にしてるので、かなり忠実だという事で、やはり、軸がしっかりしているものは安心して見れました。
ま、肉付けの部分としては、最後に明かされる事柄やその展開の仕方にしても、ファンタジーのよう。後出しジャンケンだし、観客を騙し討ちしてる。
ただ、それらを信仰する下々の者にとっては、決まったことが重要で、性別によって神のみ技が疑われたり、信仰が揺らぐことがないと、表現したかった。ともとれる。
前フランシスコ教皇が改革ということに、本当に寛容でありたかったことの表れのような気もした。
この作品の肝心なことは、感謝と謙虚と顧みる心であり、常に自分と闘い、自身の確信など吹けば飛ぶようなもので、自分に疑問を投げかけることの重要性を説きたかったのかもしれないと思った。
食堂でのシスターの姿が一番カッコいい。
HPに徹底解説ありますw
衣装やセットは豪華で見応えはあるけど…物語はよくある政治モノって感じでした。
近所の映画館ほぼ満席でした…が、何故こんなに人気作なのか分からない。海外の映画賞受賞作=良い作品って盲目的になってない?
キリスト教に馴染みのないと役職名とかイマイチ分からず物語進んでしまうので(自分がそうでした)、公式HPのキーワード徹底解説を読んでからの鑑賞をオススメします。
恥ずかしながら枢機卿すら読めなかった……。
I don't want your vote!
美しくて静謐でドロドロしてて
フランシスコ教皇が亡くなったタイムリーさで満席の中での視聴。
見た直後に思ったのはセリフや言葉の一つひとつが伏線になっていて最終一気の回収の素晴らしさ。
そして衣装や十字架などの小物の造形、システィーナ礼拝堂のミケランジェロの最後の審判見えるものが荘厳で美しい。
信仰という理想の追求をする集団でありながら揃わぬベクトルとそこで生まれる対立的な軋轢、差別的感情などなどを思うと信仰に疑問を思うというのも頷ける。
それと、もっと尺を伸ばしてもいいから登場する枢機卿の人となりをもっと紹介されていたらさらに感情移入できていたと思う。
もっと人物相関みたいなのがあってもよかったかなと。
枢機卿の数の108は煩悩の数だけにこれも伏線だったのかしら
主よ。。。
ファイアーブランドを観た同じ日比谷シャンテでした。
個人的な話ですが、若い頃にミサ曲ばかり歌う合唱団員でした。クラシック好きで軽い気持ちで参加したのですが、団員たちの信仰心について行けないものを感じて辞めてしまいました。
だからミサ曲歌詞にあるラテン語は聞き取れてちょっと嬉しかったけど。
ファイアーブランドはカトリックとプロテスタントの物語でした。宗教の宗派を語ればきりがないけれど、乱暴にまとめると、宗教はそれが生まれた環境と切り離せないし、広まる過程で変節するからこそ、時が経つにつれて解釈の違いで揉めるわけです。
昭和と令和でもう違う、不適切にも程があると言ってしまう私達です。2000年以上前を起源とし、2000年以上続いてきた集団が「どうあるべきか」というのが、本作「教皇選挙」の主題です。
今までのやり方は、今の時代適切か、否か。
亡くなりたての法皇は改革派だった。
次に選ばれるべき新法皇は、同性婚のような多様性を認める人か、排除する人か。
この映画が示したひとつの答を、実際のカトリック教徒の多くはたぶん受け入れないと思う。私がキリスト教から距離を置くようになったのはそういうところかもしれない。
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