教皇選挙のレビュー・感想・評価
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「万人に向けた言葉は無く、味方に向けた言葉ばかり」
表題の言葉がとても心に刺さった。当たり前の事を思い出させてくれた。
言葉って何なんだろうと考えさせられる映画。多様性やジェンダーレスは大切なことだと思う。しかし同じ言葉でも人によってその認識は様々。しかも最近は言葉と中身が釣り合わない物ばかりが目に付く。その不信感と圧の強さに対する反発が今噴き出ているんだろうなと思う。
しかし本当に難しいのは、そこに真面目に向き合う人程ほど、ラストの主人公のように矛盾にぶち当たるというところ。きっとこんな言葉に踊らされていなければ、後ろめたい思いをせずにでいられたことだろうにと思う。きっと目新しい言葉に踊らされる前に、ありきたりな言葉をもう一度思い出す事が大切なのではないか。
(寄生獣という漫画の最後でミギーが「私は地球に優しいという言葉が嫌いだ」と言っていたのを思い出した)
…
目新しいものは無い。だが、舞台設定や話の進め方がとても上手い。私も主人公同様に2つの価値観の板挟みにされた。
…
特に好意的に感じたのは、何ものにも善悪のレッテルを貼らないところ。聖職者だって所詮人であり、変わることができるという当たり前の事を前提にしているところ。
映画の醍醐味
起承転結の起承は平凡だが、転結はシビれる。
何から何までムダがない。
映画の醍醐味は、こういう面白さである。
理想を説いても理想を生きている人間なんていない。
そんな何気ない、意味深なセリフがいくつもあり光る。
都合よいクリスチャンを今まで何十人も見てきたので、
ほらヤッパリと僕には苦笑しかない。
自分の事は棚に上げて理想を上から説くことを、
そんなに欲することなのだろうか。
人が闘う対象は己か他人か。
そんなこと分かっているクリスチャンに今まで会ったことがないから、
その切り口もユニークだった。
(すみません、僕はクリスチャンとかキリスト教を軽蔑している。キリスト教の幼稚園に通い日曜学校も行ったけど。)
昔だったらこういう映画がアカデミー作品賞だったが、
現アメリカ大統領を考えると
(あの人はジェンダー問題に残酷だから)
「教皇選挙」や『エミリア・ペレス』よりスケベ大好き他はピーマンどんぶり勘定の『アノーラ』を選出しないと
おヘソ曲げて映画税とか取りそうだしなぁ。
とても良くできた茶番劇
音響や映像はとても良く作り込まれていて、構図や展開も見事。
脚本も視聴者の意識誘導が巧みで、終盤にかけて作者の掌で踊らされているような感覚になった。
とはいえ、内容は簡潔に言えばバチカンの内部闘争に終止し、カトリックないし宗教に対する強烈な皮肉を除いては、メッセージやテーマ性にかける。
一風変わった舞台で大量の金と技術をを動員して作ったサスペンス映画というあたりが妥当な評価ではないか。
選ぶ者、選ばれる者―『教皇選挙』に見る信仰と葛藤
あらゆる宗教儀礼には、「死と再生」の物語が繰り返されます。
映画は、カトリック教会において新たなローマ教皇を選出する厳かな儀式「コンクラーベ」を描いた作品です。バチカン市国の元首であり、信仰の象徴でもあるローマ教皇の座をめぐるこの選挙は、単なる宗教的な行事ではなく、さまざまな思惑が交錯する緊張感あふれるプロセス。伝統と革新、信念と策略、人々の心が複雑に絡み合う様子は、まさにミステリーの醍醐味といえるでしょう。
本作の美術や衣装はとても精緻で、システィーナ礼拝堂をはじめとするバチカンの荘厳な空気を見事に映し出しています。厳かな空間のなかで繰り広げられる駆け引きは、まるで一枚の絵画を眺めているかのような美しさ。その世界観に引き込まれ、思わず息をのんでしまうほどです。
物語のなかで描かれるテーマは、宗教に限らず、私たちが生きる社会にも通じるものばかり:
・どんな組織にもある「リベラルと保守」「伝統と革新」の対立
・指導者を選ぶ過程で浮かび上がる権力闘争と駆け引き
・「選ぶ者」と「選ばれる者」の間で揺れ動く人間の心理
・「女性には任せられない」という制度に疑問
・誠実な人ほど、実はトップに立ちたがらないという現実
・権力を持つ人でさえ、時に規律を破らざるを得ない状況
・誰も疑問を抱かなければ、時代遅れの慣習は続いていく
・異端視される人こそ、確信をもって新たな道を切り開く存在
・組織に属さない視点だからこそ、見えてくる新しい可能性
なかでも印象的だったのが、首席枢機卿ローレンスのスピーチ。「もし確信だけで疑念を抱かなければ、不可解なことは消え、『信仰』は必要なくなる」この言葉は、まるで信仰の本質そのものに切り込むような鋭さを持っています。決して冷たいわけではなく、人々の心にそっと問いを投げかけるような説得力がありました。
ラストシーンでは、音を消した演出によって、観る者の想像力に委ねられています。この余白の美しさこそ、近年の映画の魅力のひとつ。観る人それぞれの解釈が生まれ、作品の余韻がより深く心に残ります。ローレンスがシスティーナ礼拝堂で迷子になっていた亀を、広場の池に戻すシーン。その仕草には、彼の優しさや、抱えてきた重荷から解放されるような安堵感が感じられました。
そして、新たな視点を持つベニテス枢機卿が新教皇となることで、これまで閉ざされていた修道女たちと教会の未来に光が差し込むそんな希望の兆しが読み取れます。
『教皇選挙』は、宗教の枠を超え、権力のあり方や人々の信念の揺らぎを繊細に描いた作品。観る者の心を深く揺さぶる、奥行きのある傑作でした。
重いルックだけど…
閉鎖空間の会話劇が面白い!
教皇選挙は根比べ
と、オヤジギャグが言いたくなるぐらい、教皇選挙は面倒臭いことは知っていましたが、その内側は、まさに “cum clavi(鍵がかかった)”で、覗き見ることが出来ない世界。
きっと、昔から陰謀渦巻く選挙やったんやろな〜と、勝手に想像していましたが、今作はほんまある意味想像通り。
大体、決選投票とかしないで、永遠に規定の票を得るまで投票し続けるって、策謀しろと言ってるようなもんですよね。
その、鍵がかかった内側を、ほぼ、おじいさん同士の会話劇と音楽だけで、エンターテイメント作に仕立て上げた凄い映画でした。
最後、どんでん返しの上にさらに、返したどんでんを屋台崩しにしてしまうぐらいの展開には、びっくりしました。
首席枢機卿のローレンス枢機卿も、選挙を仕切りつつ、ベリーニ枢機卿を教皇にすべく動くのですが、なかなか上手く行かず、えっ?誰になるんやろ?と、新教皇になる人物を予想しながら観れたのも面白かったし、うわー…こいつが新教皇になんのはアカンやろ…と、思いながら観るのも面白かったです。
今までベリーニ枢機卿一択だった、ローレンス枢機卿が、自分の名前を書いて、投票しようとした瞬間、テロリストの爆破で礼拝堂の密閉してた窓が吹き飛ぶ場面、その後一気に、まったく有力候補でなかった人物が新教皇に選出され、そして…という、最後の怒涛の展開が、めちゃくちゃ面白かったです。
テロはあかんけど、爆破で吹き飛んだ窓は、カトリックの時代に合わないタブーやドロドロとした陰謀めいたところに風穴を開けるとともに、様々な宗教、人種、バックボーンとも向き合っていかなければならない…というか、向き合い共存すべきという、強いメッセージを感じました。
最後に選ばれた新教皇には、かなりびっくりしましたが、私もこんな教皇なら色々良い方向に変わって行くんやろな〜、と思いました。
風呂には入らないのだろうか?
「ダ・ヴィンチ・コード」とかこのジャンルは非キリスト教文化圏の私には基本的な部分で理解が及ばず楽しめないことが多いので迷ったけれど今年のアカデミー賞の中でやはりこれは外すことができなかった。結果的に宗教は形ばかりの政治的闘争劇で宗派関係なく楽しめるミステリーエンタテインメントに徹していてすごく面白かった。明らかにコンクラーベを茶化しており、積もった吸殻なめのシスティーナ礼拝堂内や水面下での陰謀、衝撃的な結末を敬虔なカトリック信者たちはどう感じるのか?かなり気になったが主役ローレンス枢機卿を演じたレイフ・ファインズもカトリックの家庭で育ち役作りのために実際の聖職者に会って話を聞いたというのだから神の心は途方もなく広くてすべてを許したもうのだろう。ほぼ全編礼拝堂内の密室劇なのだが音楽・衣装・美術がしっかりしており役者もそろって飽きさせることが無くクライマックスで封鎖された空間に外光が差し込むシーンはどの宗教画より美しく崇高に見えた。一時のアジテーション巧者が支配者となる怖さを思うとやはり多数決でいいんじゃないの?アーメン。
我々は、理想そのものではない
確信が欲しくて、右往左往の私です。だって確固たる確信があれば、もう迷わない。惑わされない。ヒトの話も聞かない。不寛容で、対立する世界にも、戦争していける。
そんな私になれたなら、この映画を観ることも、なかったでしょうね。
…天子とは、無条件に民を慈しみ、無条件で民に愛されるもの。私は、国家を睥睨する臣下の主席となろう。「蒼天航路」に登場する曹操の言葉です。魏の武王まで登り詰めても、帝位に就かなかったのは、どんなに民を愛しても、民に畏れられる存在だった自分を自覚していたからだとか。
そう、この映画のローレンスのように。
不正を糺す、間違いを修正する。組織の管理者として卓抜した才能は、ヒトを畏れさせてしまいます。管理する者がいなければ、組織は崩れます。しかし、組織に、夢と未来を託せなければ、組織は存在理由を失います。本当の戦争を知る者が望む世界、知りたいと思いませんか?。(現教皇、フランチェスコの世界を知りたい方は「ローマ法王になる日まで」をどうぞ。)
でもさ、自分だけは、特別。実は私には、私だけの天からの賜り物が用意されている人生だと、思いたくなりません?。だとしたら…。
誰よりも頑張った結果、何か与えられるとしたら…。
ここまで頑張った自分に、教皇としての名が冠せられるとしたら…。
コンクラーベと云う、根比べの先に、皆様は、何を求めますか?。
以上、確信と嫌疑の狭間から、呟いてみました。
「チェーザレ」
マキアヴェリが、君主論を執筆するきっかけになったと云われる、チェーザレ・ボルジアの青年期を描いた傑作マンガ。彼の父親が、コンクラーベに出馬する終盤戦が、けっこうスリリングです。因みに、チェーザレが、その後どうなったのか知りたい方は、まんがで読破「君主論」をお勧めします。面白いですよ。
驚くべき展開
最初はおじさんの選挙の話なんて興味ない…
と思っていたけど、えっ、ミステリーなの?と知って俄然観たくなって劇場へ。
オッペンハイマーの時も同じようなことを考えたけど、ひたすらおじさんたちが投票を繰り返してるだけの会話劇なのに何この面白さ!上質のエンターテイメントすぎる!
これは早くも今年のマイベストでは?!とかなり興奮して帰ってきた。
以下ネタバレ含む。
映像も音響もこの世界に没入するための手段として最高でした。枢機卿たちの衣装の赤が最初から最後まで印象的。音楽はストーリー展開をリードしてくれるしかなり観る人にとっては親切な作りでは?
おじさんばかりで女性の存在感薄すぎ…まあでもローマ教会の話だからそこは仕方ないよね、と思っていたら、まさかそれが伏線とは!!
文字通り教会に「風穴を開ける」シーンはかなり衝撃だったけど、それ以上の衝撃がラストに残っているとは想像しなかった… 私が鈍いだけかもしれないけど、まさかこんな展開になるとは思いもせず。現代社会への強烈な皮肉が続いた後に作り手が見せてくれたinnocenceと希望…いつのまにか涙が流れてました。
ネタバレ踏まずに観られたことに感謝。
亀とローレンス
新教皇は108の枢機卿から2/3以上の票を得た
人物が選ばれる。
新教皇が決まった時は白い煙。
決まらなかったら黒い煙。
閉ざされた礼拝堂の天窓から差し込まれた
光と煙は前教皇からの願いの訪れだろうか。
閉鎖体制からの脱却。戻るべき場所に帰る。
ローレンス主席枢機卿、その為に君を残したのだと。
新しい光を差し込みたかったのかもしれない。
金、地位、権力、欲望が水面下で蠢くので。
ローレンス主席枢機卿は取り仕切るのが大変
で胃が痛そう。善き友は亀だが、自分自身と重ねて
た感じもした。何があっても逃げられなくて元に戻る。
彼がヴォルデモートだったとは知らず。
イザベラ・ロッセリーニが
『女性は目に見えない存在』と言い放つが
世界に目を向け凝らす存在。
彼女が映るだけで緊張感が増す。
テデスコ枢機卿は庵野秀明監督に似てたなぁ。
ベニデス枢機卿は本並健治さん似。
我々は理想を目指す者であり、理想そのものではない。
完璧な人間は存在しないが『神は全てお見通し』
の見せ方が上手い。
『自分自身の常識を疑って迷う。そして決して確信をせずに、確信を追い求める』のセリフは印象的。
亀とローレンスだね。
脚本も秀悦。
芸術と娯楽性、サスペンスが楽しめる映画でした。
なるほど、脚色賞受賞頷けます🙂
物語序盤は、緊張感ありつつも淡々と進み、疲れていたせいかやや睡魔が…😅
但、中盤からスピードアップし、終盤は一気に急展開❣️う〜む正に脚本(本作はベースがあるので脚色)の勝利ですね😆
ても、ここ数年のアカデミー賞受賞作品はLGBTし過ぎ🤔
一級のエンターテイメント
選挙権と被選挙権両方を持つ人間が一ヶ所に集められ「3分の2以上の票を得た人物が選出されるまで何回でも選挙はやり直しまーす。その間、お前らはこの場所から出られませーん。外部との連絡も一切禁止でーす」
デスゲーム系の作品にも応用出来そうなこのルール。こんなの参加する人間各々の思惑や策謀術数入り乱れて否応なくドラマが生まれるに決まってる。
これが世界最大規模の宗教のトップを決める方法と知って、正直「バチカンって、こんな面白そうなイベントを何百年も続けてたのか!」というのが第一印象でした。
(wikiで調べたところ、最初期の教皇選挙は枢機卿たちを宮殿に閉じ込め、鍵を閉めて、外部との関係をいっさい絶たせ、食料もパンと水だけを供給し、武装した人たちで城を囲ませ、他の食事を運び込ませなかったそうです)
ここにカトリック教会が今までに児童への性的虐待とそれを隠蔽していた背景。改革派と保守派の派閥争い。枢機卿同士でも起こる人種差別や女性軽視の問題等が加われば話のネタには困らないですし、不謹慎な言い方をすればエンタメの題材として一級品なんでしょうね教皇選挙って。
事実、娯楽作品としてちゃんと面白かったです。
ただ「あー、面白かったー」だけで消費する作品ではなく(もちろん、そんな映画も大事だし大好きなんですが)、観賞後に1つか2つ持ち帰れる物がありました。
『確信は罪』という説教と「常に疑念を持ち続けなければならない」という演説の下り。あれは自身の信条や昨今の世の状況にも当てはめて行こうと考えて映画館をあとにしましたよ。
あと、教皇選挙の開始直前につるんで煙草を吸ってる枢機卿達がまるで、トイレに隠れて煙草を吸う中坊みたいで微笑ましくも情けなく「偉い坊さんってだけで尊敬しちゃ駄目だな」と確信しました。(←おい、それも駄目だろ)
神にも他人も自分にも嘘をつかない清さ
1. 観て損しない快作
ネタバレなしの雑感です。ミステリという日本版wikiの分類は正しくない。ミステリなら推理の材料提示があまりに不十分。因みに、英語版wikiは"Political thriller"と称している。ただ終盤に強力なオチが待ってるので、期待して欲しい。
⛪️
2. 中盤までは根比べ
正直、序盤は然程面白くない。アカデミー賞候補者が揃う布陣だが、似た格好のオッサンどうしの会議は地味だし、役名と顔が一致し辛く会話も追い難い。中盤は戒律破りや買収で騒がしくなるが、人事絡みのドラマでは"あるある"で、目新しくはない。しかし終盤、(伏線はあるが)予想外の「事件」でムードが一変し、どの勝馬に乗るかではなく、どんな人材に期待すべきか明確になる。
💒
3. 思慮深いラスト (ネタちょいバレ)
本作の解釈で間違ってはいけないのは、選ばれた新教皇が本当に適任だったかまでは描いていない事。教皇としての能力は、実際の活動を見なければ評価できない。ただ、彼を選んだ過程は正しい。彼が公表してない事実を皆に告げたら結果は変わったろう。でもそれは本当に必要な情報? 寧ろ本質を歪める雑情報ではないか。彼は神にも、前教皇にも、自分にも嘘をつかなかった。聞かれたら、投票者の前で告白した筈。その清々しさが、自分の胸には突き刺さった。
大人の映画の醍醐味が詰まった映画
カウンターパンチみたいな若い世代の映画ばかりが映画じゃないね、と思えるザ・映画、の醍醐味を堪能できる一本。
醍醐味って何なのかというと、たぶん脚本、撮影、芝居、音楽、そこにプロフェッショナルな仕事が見えたりするもので、この作品にはそれがたっぷりある。こういう映画が定番であって欲しい。
日本語タイトルそのままの教皇が死んで新しい教皇の選挙となるのだけど、もちろんそんな特殊設定知らん、のだけど、ななかなか知り得ないところの密室劇なので覗き見感覚が楽しい。
特にあの投票の仕方の作法、紙の投げ入れ、読み上げ、束ね、焼く、一連の伝統の作法。それが延々繰り返され、苦悶し、捩れ、どこに着地するのか〜そこか!というのが楽しい。
そうでなくとも教会の聖俗入り乱れたいろんな事件もニュースで見知っている側からすると、いろんなことを想像するが、そういったことが小出しに、想像以上なネタで出てくる。逆に聖俗の交わる場所だからこそのドラマが面白かった
主人公の名前が一番の皮肉。
主人公のトマスはキリストの復活を疑った事で有名な使徒と同じ名前。
その名前の通り周囲や前教皇を疑いながら行動して教皇候補の過ちや陰謀を暴き、一番疑いの目を向けなかった候補を新教皇になるけど、実は子宮の有る両性具有だったという結末が、なんとも皮肉が効いてる。
派手なシーンは無いし宗教色が全開だけど一味違う映画を見たい人にはお勧め。
映像の美しさと目が離せない展開で充実した仕事終わりの夜
カソリックでありながら、観光以外で教会に行ってないエセ信者でもある私は、どの様にコンクレイヴが行われているか全くを持って知らなかった。 次期Popeが決まるまでの何日間にもわたる選挙中のバチカンでの日々を描いた作品。最後までとても見応えがあった。
聖職者とはいえ人間には変わりない… 喫煙や地面に落ちたタバコの吸い殻、ケータイをいじる様子、出世欲などなどなどなど、人間の弱さについて考えさせられた。何十年も前に通っていた教会のベルギー人の神父様の言葉を思い出した。 私が教会常連のおばあさま方に裏で悪口を言われたりしていたので、神父様に、足繁く通う熱心な信者なのに何故嫌がらせをするんだろうかと問うた所、教会という場所は心の弱い人こそが集まる場所なんだよ、と。 話は映画から少し逸れたが、聖職者でも罪を犯すんだなと。人間だから。
映画に戻ると、赤と白の色がどの場面でも際立ち、古い建物のレンガというか、サンドストーンに映えていて、しばらく続きが放映されていないアメリカのテレビドラマ、”The handmaids tale”を彷彿させた。
ローレンスを始めとする俳優の演技もさることながら、シスターアグネスの存在感。さすがです。
あ、あと、ローレンスはPopeになりたいわけでもないが何人かに投票され、野心があるんだろ!と責められる場面… 野心がある人には無いって言った所で信じて貰えない… 人間くさい。どこにでもあるんだなと思った。
全738件中、481~500件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
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