教皇選挙のレビュー・感想・評価
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まさに根比べ
奇しくもフランシスコ教皇が亡くなられたニュースの翌日に観ることに…
冒頭、あぁこの儀式もきっと昨日実際に行われたんだろうなと思うと、急に現実味を帯びてくる。
やはり日本人はコンクラーベと聞くと「根比べ」を連想してしまうと思うけど、まさに根比べなシステム。
Conclaveと1語だけど、スペイン語のconはwith、claveは鍵とかの意味があるはずだから、鍵のかかった部屋でやるって意味なのかと。
思えばコンクラーベを初めて知ったのは、トム・ハンクスのダヴィンチコードシリーズ。
今回の教皇選挙では、いつとわかる手がかりはなかったけど、教皇もスマホとかタブレットとか電子タバコを使ってるから、現代の話なのでしょう。
伝統を守るって、大変だよね。
昔は部屋に鍵をかけるだけで外部と遮断できたけど、今は電話線を抜いておくだけではダメだもんね。
キリスト教と教会については昨今いろんな事実が明るみになってるけど、それでも最も信者の多い宗教であることに変わりはないわけで。
映画として面白いかと言えば、重厚な雰囲気が「映画見たなー」という満足感を与えてくれる。
あの傘のシーン、よかったな。
画面に映ってるのは100人くらいだろうけど、歴史物の騎馬の大軍とか、湾を埋めつくす艦隊並みの迫力があった。
でもアカデミー賞で獲ったのは脚色賞なのね。
ちなみに、車で移動してたけど、バチカン市国内の移動だろうから歩きでも車でも10分前後の距離。
システィーナ礼拝堂とかサン・ピエトロ寺院がもっとわかりやすく映ってほしかったな。
そして出てくる方々は、似たような老眼鏡をかけたおじいさんが同じ装束で、コソコソ喋るので、顔を覚えるのが苦手な人はちょっと混乱するかも。
まぁ、重要人物は区別しやすかったけど。
ラスト10分、えぇぇ!!という結末
疑念の音
不気味な音響
ホラー映画なのかなと思ってしまうほど
これは疑念の音なのかと思いました
信仰するが故にラストは皮肉なようで
進化する時が来たと希望にも取れる
至極真っ当で。
ぐうの音もでないというか。
戦争を目の当たりにしてきた彼の説教は
若くても重みもあり年長者まで納得させる
器と聡明さ、あの濁りのない瞳
本来のあり方を説く構図までもが美しく
選挙は、この集団、教会に希望の持てる人選結果
映画こその奥行きも感じられる作品
おもしろかったなー。とても。
鑑賞動機:評判9割、95%おじさん/おじいさんの絵面1割
コンクラーベで根比べ(お約束)。えっ、これからリアルでコンクラーベをやるってことなのね。
何となく難しく地味で重い映画のイメージを持っていたのだけど、そんなことはなかった。もちろんシリアスなお話ではあるのだけれど、下世話な話も交えて次々と起こる候補者のトラブルを解明していく、上質なミステリになっている。どんどん変わっていく状況と、投票結果に一喜一憂していたら…。ファインズの額のシワがどんどん深くなっていくのに、もう釘付け。
でもこれで、新たな扉が開いたが、あとはいつ…か。
保守派もリベラル派の間の存在
観賞後の感じたことは「今の時代に求められる教皇像を見せてもらった」であろうか。
本作は中盤にかけて有力候補者のスキャンダルの痕跡を選挙を取り仕切る枢機卿が事実関係を調べて当人に選挙戦から降りることを説得していくことで話が進んでいく。このままだと消極的選択で教皇が決まるのかなと思った矢先にテロが発生して司教が詰めている建物が破損するという事件が起きクライマックスに突入する。
皆が集まるなかでゴリゴリの保守派の候補者がいう。「これはリベラルが進めてきた取り組みの結果だ。我々は戦わなければならない」
近年、ヨーロッパで勢い付いている思想だ。これに対して別の候補者がいう。「戦うべきなのは内なる憎しみではないのか」
とてもいい。どんな仕打ちを受けても相手を愛する心こそキリスト教の大事にするもののはずだ。正直、これでリベラル派に決まりかなと思う瞬間だった。だが、本作はこれで話が終わらない。当選後に保守派やリベラル派に属さない存在であることが語られる。伏線は選挙中に行われた枢機卿の説教にあった。「これからは確信に疑いを持つ必要がある」
自身の信念に囚われてしまうと別の確信を持つ人を敵と見なして争いがなくならないということだ。新教皇はこの時の言葉を引いて「確信の間を知る存在として私は最適ではないか」と衝撃的な告白に続けて語られる。
そうか、保守とかリベラルといったラベルを貼って議論を分かりやすくしてはいけないのだ。あらゆる物事はグラデーションで出てていて、その時の状況に応じて悩み苦しみながら決めていかなければならないのだ。まさに今の時代に求められる教皇像を見たような気がした。
ラストシーンもなかなか印象深い。中庭にいる亀を池に戻すシーンで終る。その場では何を意味しているか分からなかったので後で調べたところ「忍耐」というキーワードを見つけることができた。この複雑な現代において教会も保守とリベラルという分かりやすい対立軸に染まりそうであったが、新教皇の誕生により忍耐強く最適解を模索する精神を取り戻したことが表現されていたように感じた。
宗教の時代の終焉?を感じる作品かもしれません?
地の時代から風の時代へ、もしくは、うお座の時代からみずがめ座の時代へと変化していると囁かれている昨今、まさにモノから心の時代に明確に進行しているようです。それは古い形式の政治・宗教的権力(組織的に構成された権力)への執着を捨て去り、個人の幸福を獲得する時代になったと言えるかもしれません。ストーリーは、キリスト教カトリック総本山のバチカン市国で、その最高指導者ローマ教皇の死去に伴い、首席であったローレンスが中心となって選挙を行い、新しい教皇を選出するというものです(コンクラーベという名称ですが、日本語的には根比べで妙にイメージが合っています笑)。この選挙が世界から集まった108人の候補を対象にシャッターの下ろされた密室の中で行われるわけですが、それだけでも謎めいていてサスペンス的です。案の定、選挙は何度も行われ(1日に一回)、最後には圧倒的な数で平和主義者である者が選ばれるのですが、そこまでいく間の悲喜交々の勢力争いはまさに社会の縮図のようです。聖職者と思えないみっともない話が続出しますが、その生々しさが人間の生き様のリアリティを産んでいるので、まさに見応え抜群でした。そして最終決戦で「戦争は心の中でのみ行うべきものだ」と名演説をした者が見事に新教皇に選出されました。ただその新教皇には重大な秘密が隠されていたのです(驚!)。そのネタバラシはしません。むしろそのネタは、組織的宗教の終焉を意味していると私は感じました。また、信仰とは組織ではなく、一人一宇宙、つまり個人の中で完結する時代が来たと言えるかもしれません。すでに私たちは、生きているだけで仏であり神であり愛であり光であるからなのかもしれません?
コンクラーベ
久々に見応えのある洋画だった。
学生時代に聞いたことがあったコンクラーベと言う言葉。
そうかローマ教皇を決める選挙だったなと思い出した。
ついでに意味を調べてみたらラテン語で “cum clavi”(鍵がかかった)の意だそうだ。
まさに密室で行われる選挙なんだと納得した。
選挙の様子については口外が禁止されてるそうなので想像で書かれたミステリーではあるががおそらくこういうことが行われてるんだろなということは納得できる。
選挙の票集めの裏工作などまるでどこぞの国の政治と変わらないことを聖職者がせっせとやってるのは失望するが。
ローレンス枢機卿役のレイフ・ファインズが好演。
彼の小さな息遣いだけで彼の苦悩が伝わってくる。これはおそらく製作側が意図的に音を拾ってるんだと思うが。
とにかく先が読めないので最後まで息を呑んで集中して観れた。
世界が変わる、教会も変わる‼️
時代の歩み
映画を見終え、圧倒される、という経験は映画好きの方なら少なからずあることだと思う。
その物語に、描写に、音楽に、ラストに…
そのような作品には、そうそうお目にかかれるものでもないが。
今作は私にとってはそのような物語だった。
キリスト教カトリック総本山はバチカン市国。日本からは遥か彼方。キリスト教からも近い国とはいえない。
カトリック教会最高指導者ローマ教皇が急逝。首席枢機卿ローレンスは後継教皇を決定する選挙、コンクラーベを執り行わねばならなくなる。
世界各地から高位聖職者たちが集まってくる。
どの世界にもあるリベラル対保守の争い、スキャンダル、陰謀、出身地のこだわり、派閥争い、秘められた謎…宗教人といえど人間。彼らの生々しい姿が描かれる。
「宗教権力者を決定する選挙」という閉じられた世界のストーリーという骨格を持ちながら、今作の精神性は閉じていない。
現代社会に生きる私たちに対する鋭い問いかけ、普遍性を持つ。
ややもすると、閉鎖された空間劇は単調に陥りがちだ。しかしP・ストローハンのシナリオ、エドワード・ベルガーの濃密な演出はその陥穽に落ちない。
映画映像的興奮に包まれる120分。コンクラーベをダイナミックかつドラマティックに描き、片時も目を離させない。
重厚なキャスト陣には名優揃い。首席枢機卿ローレンスにレイフ・ファインズ、静かにしかし熱のこもった演技で物語を導く。スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー。物語の鍵を握るシスター役には、いまや生けるレジェンド俳優といっても過言ではないイザベラ・ロッセリーニ。故デビッド・リンチ作ブルーベルベットでのインパクト大の演技。今作での存在感ある貫禄の演技には脱帽。
コンクラーベは戦争だ、と息巻く聖職者たちに静かに
アフガンカブール教区のベニテス枢機卿がはなつ言葉。
「あなた方は、本当の戦争を知らない」と…
そうなのだ。自分も知らない。映画、TV画面越しの映像でしか知らないのだ…脳裏に焼きつくセリフの数々…
また、カトリックでは女性が司祭になることは認められておらず、世界最古の家父長制とも言われている。
ラスト近く、広場を亀がゆっくりと歩むのをローレンスが見つめ、池に優しく放す。印象深いシーンだ。
時代の歩みは行きつ戻りつ。どちらへ向かうのかもわからない。私たちは理想の世界に生きているわけでもない。
悲劇はあちらこちらで今も起き続けている。
だが、希望も理想も手放してしまってはいけないのではないか、と静謐にしっかりと訴えかけてくる作品である。
確信と疑念
期待を超えて面白い
教皇選挙はまさに戦争
ローマ教皇選挙を題材にして選挙の内幕に迫ったミステリー。新教皇選挙は、まさに戦争のような駆け引きが続き、世界中から100人を超える候補者が集まりることに驚きました。そして、知られざる秘密が明かされた時は唖然としました。
2025-62
人類5000年の普遍性・・・
知識を必要とされるが、そこを乗り越えれば名作
よく作られた美術と映像、緻密に練られたストーリーが素晴らしい。
特にストーリーはラスト30分で状況が二転三転して意外な結末に終わる。この結末にはここ4,5年で見た映画の中で一番驚かされてたかもしれない。
また各登場人物の設定も面白く、自由主義派、リベラル派といったものは普遍的ストーリーでは善玉の要素を持つ登場人物の多くが罪を抱えている。
それに対し、旧守派、伝統主義者、排他思想の有力者はその主義故に宗教者としては何の落
ち度もない。また枢機卿ですらラテン語で話さないことを嘆いてる様子は、まるで同じ言語で固まるの分断じゃないのか問いかけるようでした。
言ってることは結構無茶苦茶でが一本筋通ってるので、この映画で一番好きなキャラです。
女子高生かよ
映画を見る日の朝、ちょうど卒業アルバムを読んでいたせいか、閉ざされたバチカンの静謐な環境でグループを作ってヒソヒソぐだぐだと話をする枢機卿たちが女子高生に見えてしまった(笑)。厳格なカトリックの最高峰、神秘的なバチカン、崇高な使命を背負った宗教者たち、といったイメージと対照的な下世話な物語がスクリーンに展開する。そんな枢機卿たちを一方的に突き放して見下せるほど自分は偉くないというか、同じ卑しさを共有してるのだと思うとみんなかわいく見える(笑)。コピー機も使えないのに陰謀を企てて、しらばっくれようとするローレンスの可笑しいこと!昼ドラ並みの人間らしさを美しいバチカンと印象的な構図で見せてくれる楽しい娯楽作だと思う。大満足。
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