教皇選挙のレビュー・感想・評価
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コンクラーベ
久々に見応えのある洋画だった。
学生時代に聞いたことがあったコンクラーベと言う言葉。
そうかローマ教皇を決める選挙だったなと思い出した。
ついでに意味を調べてみたらラテン語で “cum clavi”(鍵がかかった)の意だそうだ。
まさに密室で行われる選挙なんだと納得した。
選挙の様子については口外が禁止されてるそうなので想像で書かれたミステリーではあるががおそらくこういうことが行われてるんだろなということは納得できる。
選挙の票集めの裏工作などまるでどこぞの国の政治と変わらないことを聖職者がせっせとやってるのは失望するが。
ローレンス枢機卿役のレイフ・ファインズが好演。
彼の小さな息遣いだけで彼の苦悩が伝わってくる。これはおそらく製作側が意図的に音を拾ってるんだと思うが。
とにかく先が読めないので最後まで息を呑んで集中して観れた。
世界が変わる、教会も変わる‼️
時代の歩み
映画を見終え、圧倒される、という経験は映画好きの方なら少なからずあることだと思う。
その物語に、描写に、音楽に、ラストに…
そのような作品には、そうそうお目にかかれるものでもないが。
今作は私にとってはそのような物語だった。
キリスト教カトリック総本山はバチカン市国。日本からは遥か彼方。キリスト教からも近い国とはいえない。
カトリック教会最高指導者ローマ教皇が急逝。首席枢機卿ローレンスは後継教皇を決定する選挙、コンクラーベを執り行わねばならなくなる。
世界各地から高位聖職者たちが集まってくる。
どの世界にもあるリベラル対保守の争い、スキャンダル、陰謀、出身地のこだわり、派閥争い、秘められた謎…宗教人といえど人間。彼らの生々しい姿が描かれる。
「宗教権力者を決定する選挙」という閉じられた世界のストーリーという骨格を持ちながら、今作の精神性は閉じていない。
現代社会に生きる私たちに対する鋭い問いかけ、普遍性を持つ。
ややもすると、閉鎖された空間劇は単調に陥りがちだ。しかしP・ストローハンのシナリオ、エドワード・ベルガーの濃密な演出はその陥穽に落ちない。
映画映像的興奮に包まれる120分。コンクラーベをダイナミックかつドラマティックに描き、片時も目を離させない。
重厚なキャスト陣には名優揃い。首席枢機卿ローレンスにレイフ・ファインズ、静かにしかし熱のこもった演技で物語を導く。スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー。物語の鍵を握るシスター役には、いまや生けるレジェンド俳優といっても過言ではないイザベラ・ロッセリーニ。故デビッド・リンチ作ブルーベルベットでのインパクト大の演技。今作での存在感ある貫禄の演技には脱帽。
コンクラーベは戦争だ、と息巻く聖職者たちに静かに
アフガンカブール教区のベニテス枢機卿がはなつ言葉。
「あなた方は、本当の戦争を知らない」と…
そうなのだ。自分も知らない。映画、TV画面越しの映像でしか知らないのだ…脳裏に焼きつくセリフの数々…
また、カトリックでは女性が司祭になることは認められておらず、世界最古の家父長制とも言われている。
ラスト近く、広場を亀がゆっくりと歩むのをローレンスが見つめ、池に優しく放す。印象深いシーンだ。
時代の歩みは行きつ戻りつ。どちらへ向かうのかもわからない。私たちは理想の世界に生きているわけでもない。
悲劇はあちらこちらで今も起き続けている。
だが、希望も理想も手放してしまってはいけないのではないか、と静謐にしっかりと訴えかけてくる作品である。
確信と疑念
期待を超えて面白い
教皇選挙はまさに戦争
ローマ教皇選挙を題材にして選挙の内幕に迫ったミステリー。新教皇選挙は、まさに戦争のような駆け引きが続き、世界中から100人を超える候補者が集まりることに驚きました。そして、知られざる秘密が明かされた時は唖然としました。
2025-62
人類5000年の普遍性・・・
知識を必要とされるが、そこを乗り越えれば名作
よく作られた美術と映像、緻密に練られたストーリーが素晴らしい。
特にストーリーはラスト30分で状況が二転三転して意外な結末に終わる。この結末にはここ4,5年で見た映画の中で一番驚かされてたかもしれない。
また各登場人物の設定も面白く、自由主義派、リベラル派といったものは普遍的ストーリーでは善玉の要素を持つ登場人物の多くが罪を抱えている。
それに対し、旧守派、伝統主義者、排他思想の有力者はその主義故に宗教者としては何の落
ち度もない。また枢機卿ですらラテン語で話さないことを嘆いてる様子は、まるで同じ言語で固まるの分断じゃないのか問いかけるようでした。
言ってることは結構無茶苦茶でが一本筋通ってるので、この映画で一番好きなキャラです。
女子高生かよ
映画を見る日の朝、ちょうど卒業アルバムを読んでいたせいか、閉ざされたバチカンの静謐な環境でグループを作ってヒソヒソぐだぐだと話をする枢機卿たちが女子高生に見えてしまった(笑)。厳格なカトリックの最高峰、神秘的なバチカン、崇高な使命を背負った宗教者たち、といったイメージと対照的な下世話な物語がスクリーンに展開する。そんな枢機卿たちを一方的に突き放して見下せるほど自分は偉くないというか、同じ卑しさを共有してるのだと思うとみんなかわいく見える(笑)。コピー機も使えないのに陰謀を企てて、しらばっくれようとするローレンスの可笑しいこと!昼ドラ並みの人間らしさを美しいバチカンと印象的な構図で見せてくれる楽しい娯楽作だと思う。大満足。
割とエンタメ
これぞアートでありエンタメ
堅苦しいイメージなのに中身は超エンタメ🎯💯🥇
オッサンたちが閉鎖された場所で選挙をする!
これだけなのに超メチャクチャ面白いってのが凄い🔥
というか本当のコンクラーベと被るとか作品の公開タイミングが凄いです👍
教皇選挙ってタイトルだけど原題のコンクラーベをメインにしてサブタイトルで教皇選挙ってしたほうが良かったのでは(堅苦しい内容で小難しい作品だと思われて劇場に足を運ぶハードルが上がりがち⤴️🙅♂️だと思うんです)
まずオープニングで教皇が亡くなった場面からのスタートでいよいよこれから各国の枢機卿が来て選挙🗳️が始まるって部分のスゲエ事が始まる感を上手に演出してる映像と音楽には🎵オラワクワクすっぞ🤩ってなりましたよ💯
顔と名前が一致しずらそうとか思ってたけど案外大丈夫でしたね👌
教皇になろうとしてる有力候補者のヤツらが次々とスキャンダルや悪事や人格の問題で脱落していくのが面白いのとミステリー要素が面白くて謎の出現と解明🫡新たな謎ってやつが出てくるバランスが良いから間延びになる場面が一切無くてあの音楽のせいでより緊張感を作り出すのに成功しているんですねえ🔥
外で自爆テロが起こっていて招待されてない枢機卿が紛争地域から来てるってのがポイントですね💣💥(ミスリードが上手いのよ😱)
あと後半からはあいつが教皇になるしかねえよなって流れからの最後にまさかの人物が教皇になって終了かと思ってからの(実は話したい事がありまして・・・)からの病院に行った理由は🏥❓からのあの事実には大どんでん返しでは無いけど エッ! マジかよ!ってなりました!(つうかまさかそうなるとは思って無くて笑ってしまいましたよ🤣最後に多様性って・・・😱👨🏻👩🦰😱)それと確信が1番危険⚠️て深いですね!
あとシスターがいい味出していたし オッサンが話するだけで面白いって中々凄い事だと思いますね(密室でオッサン達が会話するだけって面白いってクリムゾンタイドを思い出したし最近なら対峙も密室で四人が話するだけなのに死ぬほど面白い会話劇の傑作ですね)
あとこういうちゃんとした演出で作られた作品を観て思うのが日本の監督で(名前は内緒です)これを制作していたら 声を張り上げて意義ありーみたいに叫んだり
大声で叫ぶシーンだらけでドン引きだったんだろうなあとか考えてしまい静かに会話するだけでも面白い作品は作れるって証明してますよね🤓
あとテデスコ枢機卿がジャンレノと庵野監督のハイブリッドみたいな顔でいい感じでしたね😂🤣
アカデミー賞の脚本賞受賞作品は📕🏆去年の落下の解剖学にも言えるんだけど🤩よくもまあこんな内容と会話を考えもんだよね⤴️流石脚本賞獲得しただけの事はあると思います🫶🏻(脚本取るような作品て自分は結構肌に合う率が高い傾向あります😘)
今年観た作品の中では敵が首位を独占だったんですが教皇選挙がそれを上回りウルトラスーパービックマキシムグレードストロング一番面白かったです🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆💯
最後にテデスコスコスコスコスコスコスコ🐢💨
確信は寛容の敵
サラリーマンの株主総会前の社内政治に似たような交渉劇。
実際のコングラーヴェがどんなのか知る由もない所を見事映画にしました。
レイフ・ファインズは正直好きではないのですが、俺はもぅいいやと言いつつちゃっかりやさんな所が俗っぽくて似合ってました。
なんだかんだ彼の行動で他の候補者がどんどん脱落してて、もしや?と思わせておいてあのラスト。してやられたね。
タバコをばかすか吸ってたりスマホいじってたり現代を生きる聖職者という職業。
当たり前だけど彼らも現実に生きてる人なんだなぁと思いました。
面白かった。
所々、名言があって考えさせられました。
【追記】
レビューを書いた2日後にフランシスコ法王が召されました。
少し真面目な話をすると、私は以前に猊下を描いた作品『ローマ法王になる日まで』を観てからアルゼンチンの歴史について興味を持ちました。
まだ理解が及ばないので引き続き学習を進めたいと思います。
価値観
静かに進む教皇選挙の裏で野心だったり秘密が次々に明らかになる問題作。
終始漂う陰鬱な雰囲気と見え隠れするジェンダーの考え方が印象的でした。
実現したらもう一歩、世界が進むと思います。
ローマカトリックはどこへ向かうのか
いやー、面白かった。決戦投票がないシステムは心理戦を生み、予期せぬ結果に転ぶこともある。
リベラル路線を継続するのか、保守回帰するのか、ローマ教皇には任期が存在しないから、選出されてしまうと当面の方向性が決まってしまう。
表向きは、神学論争を行いながら、裏側では、多数派工作・買収・謀略と大組織にある権力闘争が繰り広げられる。しかも、外部から遮断されるという密室スリラーも加わって、聖職者達の人間模様をずっと観察できる。
レイフ・ファレンズが演じるのは、ローレンス枢機卿。コンクラーベの仕切り役でもあるが、教皇の選出される候補者でもある。
ローレンスが見せる表情は、本音とも見えるし、相手を惑わす作られた表情とも見える。ローマカトリックの行末を案じる人間であることは間違いないと思うが、僥倖が巡ってきても変わらずに入れるのか。
若干、作為的な結末ではありますが、人間ドラマを十分に楽しめる作品でございます。
原作と比べて
ロバート・ハリスによるConclaveを読んだ結果、映画は、
主人公の名前・出身地とベニテスの出身地を除けば、かなり原作に忠実だと分かった。
(原作では、主人公はイタリア人、ベニテスはフィリピン人。役者にあわせて設定を変更したと思われるーーストーリーに影響はない)
もちろん、時間短縮のため削ってるところはある。
でも、本筋にほとんど影響なく、台詞もほぼそのまんま。
削られてる主な点は、
過去、5回目の投票までには決まっていたけど、今回は無理――結局8回かかった――
というのが、映画では、強調されてなかった、ってか、何回目だっけ、5回目か6回目で決まってた気がする。
あと、
マスコミが注目してるとか、
広場に25万人集まってるとか
という情報も、映画にはなかったよね、たぶん。
逆に、
原作に亀は出てこない。
それから重要なフリとして、原作では前半で、
教皇として決断すべき「女性の問題」が出てくる。
中でも物議を醸す大問題は、
男女平等とか堕胎とかいう話よりむしろ、
「女性が聖職につく(つまり司祭になる)」ということ。
カトリックでは禁忌。
で、これがラストにつながってくる。
この辺、映画では分かりにくい気がする。
あと、
最後に、両性具有あるいはインターセックスが判明したとき、
「匿名だったから、このことを知るのは3人だけ」
という台詞が原作にはあって、
ああそれなら、映画のローレンス(原作のロメリ)が納得するか、
といったんは思ったけど、
その情報源の人物もまた知ってるんじゃないか?
だったらいつかはバレるんじゃないか?
とも思い、
でもまあ、それでもいいやと、腹をくくったのかな。
* * *
ちなみに映画にだけ登場する亀は、
卵でいるあいだは性別がないらしい。
雌になるか雄になるかは、
温度やらなんやら、いろんな要素で後から決まるらしい。
亀が暗示しているのは、
そういうことだと思われるのであります。
いずれにせよ、結論は、
面白かった♪
ネタバレを知ってました
残念だったのは初めは観るつもりがなく、ネタバレでストーリーを読んでしまったので、最後のドンデン返しを知ってしまって観てしまった事。
登場人物の名前の描写があまり無かったので、誰が誰か判らないのが難点。
個人的にはこっちの方が「アノーラ」のドタバタ劇で自分の主張を続ける話よりアカデミー作品賞は良いと思う。
昨年、色々あってキリスト教を棄教した身なので、キリスト教を信じている人は優しくするのはキリスト教のコミュニティか勧誘しようとする人達だけなのは解っていたので、教皇は神に仕える人で神ではないので、こんな政治的な駆け引きをする俗物というのは解る。
「アノーラ」が自己で幸せを掴むと言うより幸せは結婚相手の財力というより、一番保守的とされるカトリックを現在の価値観でLGBTに風穴を開けた本作の方が、より現在社会の多様性に合っていると思う。
だから現在、権力があるカトリックに配慮して作品賞は与えなかったのかもしれない。
全736件中、241~260件目を表示
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