「ヒットするのも頷ける」教皇選挙 naokiさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒットするのも頷ける
アンコール上映でなんとか観る事ができました。Amazonプライムでは無料配信が始まってますが、
やはり劇場で観るべき作品だという事で再上映を待ちました。しかし観る前に不安もありました。
まぁ密室劇で地味だし話持つかな・・・
そういう心配をよそに私にとって今年のベスト1と
言っていい出来でした。(ベスト2はサブスタンス・・・こちらは期待大で期待通りの出来でした)
始めは枢機卿がシスティーナ礼拝堂に集まり投票をするのですけど、なかなか決まらない。私はレイフ・ファインズ演ずるローレンスが教皇になるために密室工作をする話で最後の鍵を握るのがイザベラ・ロッセリーニ扮するシスター・アグネスだと思い込みましたが全然違いました。結局、教皇に選ばれたのは私も納得できる方でした。IOCも某与党の総裁選も、こういう方を選んで欲しいところです。
この映画は音楽が、ほぼ効果音に近い弦のピッチカートや打楽器が登場人物の心情を表しています。ナレーションやテロップもなし。
後半に近づく時、ある出来事を効果的に見せています。(←本当びっくりしました)
音響も凝っていてIMAXで観ているような錯覚に陥いりました。
あと構図で人物の心情を表しております。
結構ロング・ショットが多いので、
やはり映画館で観て正解でした。
ある枢機卿を捉えたカメラワークが
“はーい、あんた終わりだよ〜”とか
長い廊下を歩くローレンスが焦燥感を表しております。
F・ラング「暗黒街の弾痕」でのエディ(H・フォンダ)を収監している鉄格子の垂直に伸びる影が空虚感を表したように画面構成の工夫が感じられます。
ベルガー監督の前作「西部戦線異常なし」も気になるところです。