「信仰と野心の狭間で―『教皇選挙』が示す希望」教皇選挙 ホラー好き2さんの映画レビュー(感想・評価)
信仰と野心の狭間で―『教皇選挙』が示す希望
素晴らしい作品だった。
教皇選挙で野心を燃やす枢機卿たちの権力争いを描いたサスペンスかと思いきや、それ以上の深みがあった。
急逝した教皇が密かに進めていた調査を知ったローレンスは、その遺志を継ぐため、規則を破ってでも突き進む。
疑惑と信仰の狭間で揺れる心、そして気づかぬうちに自分の中で芽生えていた野心——その複雑さを、名優レイフ・ファインズが圧巻の演技で体現している。
物語は、異教徒との対立、国家間の駆け引き、性の多様性といった現代的課題に踏み込み、「キリスト教はこの世界でどうあるべきか」という問いに一つの答えを提示する。
願わくば、実在する教皇たちもこうあってほしい——そう思わせる力を持つ映画だった。
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