「静謐で極上なエンターテイメント」教皇選挙 ケンチさんの映画レビュー(感想・評価)
静謐で極上なエンターテイメント
ネタバレしないように書きますが、宗教をモチーフにした映画らしく、静謐な空気感の中で、主役のフローレンス枢機卿のため息にも似た呼吸音が響きつつ物語は進行します。
法皇になりたい枢機卿たちのドロドロした争いもありながら、ストーリーはそれに汚されることなく力強く進みます。
ローレンスの、迷いを帯びた表情と、法皇への野望が漏れ、でも結局最後の結末へと繋がる流れ。権力を志向して友人へ疑念を抱きながらも最後には聖職者らしい反省を見せるベリーニと、教会の清らかさが保たれるのも見どころです。
いろんなシーンで、コンクラーベにおける奇跡が現れたような出来事が象徴的に描かれます。
映像、音楽、そして俳優の演技、さらには脚本と、極めて高いレベルの芸術性が表現された良作です。
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