劇場公開日 2025年3月20日

「荘厳さに圧倒されました」教皇選挙 さとうきびさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5荘厳さに圧倒されました

2025年3月22日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

知的

コンクラーベ

なんだかユーモラスにも感じられる名前だけは知っていましたが、教皇の選任式、程度の知識しかありませんでした。
この映画では教皇の逝去から次の教皇が選任されるまでの過程がつぶさに描かれます。
異教徒の外国人である私にとっては映画でなければ見る事のできない世界に圧倒されました。

綺羅びやかな衣装、荘厳な建築物、伝統の重さを感じさせる儀式の流れ…
108人の枢機卿が一堂に集い、誰かが必要な得票数を得るまで繰り返し投票が行われます。

伝統か変化か。
信仰か野心か。

舞台は枢機卿たちの宿舎と投票会場であるシスティーナ礼拝堂のみ。
灰色の背景に緋色の法衣が鮮やかに映える映像美を背景に、厳かなはずの儀式の裏では人間の欲得が渦巻き、虚々実々の駆引きが繰り広げられます。
多様性、ジェンダーギャップなど昨今注目度が高まっているキーワードを巧みに盛込んでドラマティックでありながら淡々と進行するストーリーが、人間性をじっくりと描き出します。

この機会を逃しては見る事のできない世界。
是非ご覧になってください。

さとうきび