「想像の上を行く結末に驚く」教皇選挙 カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
想像の上を行く結末に驚く
自分的には物凄く面白かったのですが、原作があるのでしょうか?
何となくウンベルト・エーコの「薔薇の名前」を思い出しました。
カトリック教会に詳しくなくても全然楽しめる密室?ミステリーですが、ヴァチカンが現在抱えている問題や現教皇のリベラル改革の内容くらいは知っておくとより楽しめるのではないかと思いました。
当たり前ですが、リベラルと伝統の維持は相反するため、あまりに革新的であってもそのバランスを崩すことになり塩梅が非常に難しいのですが、あってはならない事の徹底排除、過去のあやまちの清算、多様性の受け入れ辺りは世界中に信者を抱え、世界に影響力を持つ大規模なカトリック教会であるがこその課題なのかなと思いました。
ただ本作ではリベラル派であっても受け入れるには相当の覚悟が必要と思われる結末であり、それを知った時の驚きはローレンスと同じくらい衝撃を受けw、つい声が出そうになってしまいました。
レイフ・ファインズ演じる主席枢機卿ローレンスは自身も候補の一人であるにもかかわらず管理人としてコンクレイヴ中は中立でいなければならず、一方で尊敬する前教皇のリベラル改革は引き継ぐべきと考える難しい役どころでしたが、意外や意外、妙なリアリティを感じる事ができ、役者の演技力と脚本の巧さが光りました。
あまり事前情報があると面白く無くなるので控えますが、観て損はない映画だと思いますのでおすすめです。
コメントする