劇場公開日 2025年3月20日

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教皇選挙のレビュー・感想・評価

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4.0確信は罪

2025年3月6日
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それは進化を止め、退化させる。祈っても祈っても祈りは届かない、教会(組織)の腐敗。そんな絶対的男性社会の中で、(未だに!!)何者でもない女性という存在。従来の体制や社会通念にも、疑念に目を向けて改革することの大切さ。でなければ、神が創り給うた人間が人間である意味がない。自分の内側に目を向けて、絶えずこれでいいのか?現実に敗れて妥協していないか?と自問しながら、よりよい自分になるために歩みを止めず進むべきだ。

この思惑や陰謀渦巻く知略戦が展開される密室劇(※厳密には違う)ミステリーで、主人公ローレンスは悩み葛藤する。同じ展開が繰り返されては(一人目の罪が決して許せない!!)、疲れた顔のレイフ・ファインズが、益々疲れて果てていくコントみたい…という冗談はさておき、子供の頃に観たラングドン教授シリーズ『天使と悪魔』で存在を知って、興味をそそられたコンクラーベというニッチな題材を描きながら、現代社会・世界を映し出すような力作になっていて、見応え十分だった。
女性、多様性。今年は『ノー・アザー・ランド』に『ブルータリスト』の人種間や終わることのない宗教対立・戦争、『エミリア・ペレス』の性転換、そしてアカデミー賞を圧勝した『ANORA』のセックスワーカーという女性性と、今の社会を映し出すテーマや要素を含んだ作品が並んだラインナップだったと思う。そのいずれも米大統領選挙を待たずに製作され、本国や映画賞では公開された作品ばかりだろうが、トランプ大統領誕生によって、予見していたかのように一種の必然性をもってこの暗い時代と共鳴するようだ。

「私は教皇を選出する」― 監督エドワード・ベルガー ✕ 脚本ピーター・ストローハン ✕ 原作ロバート・ハリス = 恐ろしいほど手際よく、どこか緊張の糸が張り詰めるように美しい撮影によるバチボコにキマった画と編集、素晴らしい音楽によって語られる本作は、今の時代に間違いなく必要だ!! キャストもスタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー、そしてイザベラ・ロッセリーニと錚々たる重鎮が顔を揃えて、スリリングな共演・演技対決を披露してくれる。

勝手に関連作品『2人のローマ教皇』『ダウト』

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とぽとぽ

4.5脚本が良くできてて面白かったです。まるでサスペンスを見ているようでした。

2025年3月2日
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いやあ、脚本が良くできてて面白かったです。まるでサスペンスを見ているようでした。
カトリックの総本山ローマ教皇が亡くなる。次の教皇を選ぶ為世界中から100人の候補者がやってくる。選挙を取り仕切るのは自分は教皇には向かないと自認する枢機卿。有力なのは4人の候補。そして亡くなった教皇が指名したメキシコの候補者。彼は自らの危険も顧みず紛争地帯で布教を続けた人物だ。果たして皆が納得出来て過半数の指示を得る教皇は誰なのか?

やがて4人其々に問題があることが枢機卿により次々と暴かれていく。 まるでショーン・コネリーの『薔薇の名前』を彷彿とさせるような珠玉のサスペンスでドキドキはらはら目が離せない。凄く面白かったです。

枢機卿を演じたレイフ・ファインズがこれまた凄く良かったです。教皇を決めなければならないという重責に悩む男を上手く演じていました。流石の演技で主演男優賞ノミネートも納得です。ラストの枢機卿の言葉に唸りました。考えさせられます。本当に良くできた脚本。面白かったです。

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snowwhite

4.5人間ドラマとして見応えあった、ローレンスの悩む顔がたまらん

2025年2月23日
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鑑賞方法:その他

無信心者な私、組織には怪しさを覚えるがどんな宗教でもマジメに信仰している人は尊敬する。そんな組織と信仰(信念)のせめぎ合いを垣間見ることが出来た。キリスト教、とても一口で言い表せない世界なのだろう、その最高峰の教皇をめぐる思惑を少し引いた視点での描写に惹かれた。リスペクトベースの作品と思うのでラストは新鮮だったがいま風かな、あれ以上ドロドロにすると普通の政争や権力争いになってしまうギリギリのところなのかも。

もっと伺いしれない最深部への踏み込みや巨大組織の持つ権力と影響力、猊下たちの暮らしも見てみたかった、TVドラマなら少なくても前後編出来たのになぁと残念。

機内鑑賞ですが1.5回見ました😅各枢機卿は年齢からしても名優なのかな、ローレンスは惹きつけられたが、前半から光る脇(教皇の死を発見した人とか)もたくさんいて久々にドラマで見入りました。また映画館で見たい。

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JAG

2.5カトリックを知らないのかな?

2025年1月4日
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鑑賞方法:映画館

カトリックを知らない監督が作った映画だと思います。

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lailai

5.0煙に巻く神の儀式

2024年12月7日
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鑑賞方法:その他

日本未公開。
カナダ在住の「ゆ〜きちさん」のレビューで本作の存在を知りました。
未鑑賞ですが、前売り券を買っておきたいくらい興味津々です。

宗教の神聖性を守るためには
コーディネーターが要るのです。
ちゃんと“マニュアル”があるのです。

「外界とは遮断して、部外者には秘匿すべし」。これですね。
世界中どこの宗教も一緒ですね。
隠せば隠すほどに おごそかで、ありがたみが増えるのですから。

深夜に執り行われるあの大嘗祭とか、同様ですし。
「絶対に見てはいけない」神の儀式の常道。

でもその中を覗いてみたくなるのが人情というもので、
野次馬たちの好奇心を掻き立てるから、こんな地味な映画でありながら欧米では爆発的ヒットなんだとか。

「煙の色のおはなし」は黒澤明の「天国と地獄」のあの煙を思い出します。
煙=温暖化や有害物質ダイオキシンの大気圏内放出だって?
大丈夫。バチカンは孤高です。
国連にもCOP25のパリ協定にも加盟していません。

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きりん

2.52時間の根比〜べ。暗くて静かで、眠気に注意⚠️!

2024年10月30日
iPhoneアプリから投稿

昔、西の方向が吉方位という占いを信じてイタリア旅行をしたことがありましたw

すごく楽しくて、ブランド物も安く感じたスーパー強強の円で買い物しまくり、ご飯も美味しくて、美術館や教会も美しくて、イタリアに住むにはどうしたらいいか、ずっと考えたくらい好きになりました。

日本領事館で働いていたイタリア人に相談したら「ヒヨコの性別を分ける仕事は日本人しかできないんでしょ?」と冗談でいなされましたが、帰国した後とりあえずイタリア語の勉強を始めました(ちなみに、5年くらい勉強しましたが、日本ではイタリア語学習教材が限られており、なかなか応用編まですすみませんでした😭…)。そんな、イタリア語学習時代を思い出させて、胸熱ではありました。

投票シーンはイタリア語でしたが、基本全編英語。今だに英語が不自由な私としては、外国人ってなんでバイリンガルが普通なんだろと、ずっと羨ましく思ったくらいで、作品としてはかなり退屈な会話劇…😩。ただ、海外のレビューは絶賛寄りなんですよね。

日本では確か来年1月くらいに公開になりそうで、おそらくアカデミー賞候補に何かしらなり、その頃にはかなり話題になっている作品と思われます。字幕でご覧になる方々なら、もう少し深く理解できるとは思いますが、バッグの中から眠気覚まし用のガムを漁る音すら館内に響き渡るような静寂さは、集中力のない私には耐えられませんでしたwww

…というか、ミッション系の大学でキリスト教概論が必修科目だった私にはローマ教皇の世界がどうにも理解しがたく、神の使いどころか、人間のクズみたいな存在もいたんじゃんと、半分ガッカリしながら観てました。😩

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ゆーきち