「長所をもっと見つけたかった」アプレンティス ドナルド・トランプの創り方 movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
長所をもっと見つけたかった
国を超え電波を通しても、トランプが嫌われやすい印象を与える人物像なことは感じ取れるが、作内でも存分に周囲の人物がトランプに感じるであろう不快感を味わえる。
不動産の家に産まれ裕福だが家賃滞納のような底辺生活層も目にして育った生い立ちが、クイーンズ出身から42丁目を制し5番街の人間かのように人生をのし上がるまでには、ロイコーンというトランプ父が抱えていた訴訟を引き受けてくれた敏腕弁護士がいた。
ロイコーンとその側近フレディが実はゲイでお互いにエイズにかかったと示唆されるが、肺炎だと話していたうちから、隔離しようとするトランプの性格はいささか礼節に欠くし、散々泣きついてのし上がるまで世話になったロイコーンに真鍮にジルコニアの安物カフスをトランプロゴ入りで渡せてしまう神経は理解し難い。
だが、製作者がトランプに中身の薄い紛い者という印象を持っているか、観る者にそう思わせたいのかなとも思った、
真偽のほどはわからないが、徐々に聞かん気傲慢になっていく作中のトランプは妙な薬のせいだと良いのだが、残念ながら違うだろう。
アメリカの国益を貪り食うジャップと作中で言われてしまった日本人感覚としては、トランプがアメリカの国益のために奮闘しているのはよくわかる。
でも、関税を叩きつけてきたトランプは私の中ではマリオパーティーのクッパそのものである。
妻に豊胸させた上プラスチックと罵ったり、
センスの悪い天然巨乳と不倫したり、
本当は育ちの良さを学んで育っていないのに、
本物への憧れが一際あるように思えた。
父の暴言から自信を持てず病んでいく兄への対応、
いつも要望を叶え忠告してくれたロイコーンへの態度、
トロフィーワイフではなく意思を持った綺麗な妻や子供をぞんざいに扱う点。
一流に相応しいとは思えなかったが、
自己資金で当選できる議員は日本では皆無に等しいので、野心ゆえのすごい部分は沢山あるのだろう。
青年期の素直に話す部分はまだ残っているのだろうか?
