「意外と奥行きのある人物描写でした」アプレンティス ドナルド・トランプの創り方 さとうきびさんの映画レビュー(感想・評価)
意外と奥行きのある人物描写でした
不動産業を営む父の会社で働く、何者でもなかったドナルド青年がドナルド・トランプとなるまでの十数年を描いた映画です。
本作で面白いなと思ったのが、野心的ではあるけれど所謂普通の青年であったドナルドが怪物的な性格を表していく迄を一直線で描いていないところです。
成功が人を慢心させるのは想像通りですが、望みのものを手に入れる度に傲慢になるモンスターの影に若き日の初々しさをを垣間見せるような感情の揺らぎが何度も指し挟まれることにより、ドナルド・トランプという人物に深い奥行きを与えています。
決して俺様だけな人物ではない、弱さもあり、葛藤を抱えた人間であると。
ドナルド・トランプを称賛しているのか、ディスっているのか、著名な人物を通して人間の複雑さを描こうとしているのか。
観る人により様々な受け取り方があると感じさせる作品でした。
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