劇場公開日 2025年1月17日

「トランプについてというより、ロイ・コーンについての映画」アプレンティス ドナルド・トランプの創り方 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5トランプについてというより、ロイ・コーンについての映画

2025年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

トランプが大統領に返り咲いたことで、俄然注目を浴びている本作だが、これはトランプについての映画というより、ロイ・コーンについての映画と思った方がいい。ちなみにタイトルの「アプレンティス」は、英語で「見習い」みたいな意味で、この映画の中のトランプがまさにコーンの見習い的ポジションの人物として描かれる。後年、トランプを有名にした同名のリアリティショーの話ではない。
トランプが駆け出しのころに、彼をビジネスの成功に導くメンターのような役割を果たしたロイ・コーンの教えが今日のトランプの行動原理となっていると本作は解釈している。これは劇映画なので、作り手の解釈によって提示されている物語なので、これを見てトランプの全てをわかった気になるのは危険だが、コーンの教えが彼の行動に影響を与えたのは確か。マイノリティとして成りあがるための戦略が、ある種の帝王学となり、それがトランプへと受け継がれてゆくという筋書きは興味深くはある。

杉本穂高