動物界のレビュー・感想・評価
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父親の子離れ映画でもある。
感想がまとまって無いので簡単に〜〜
フランス映画で本作のようにVFXや特殊メークを多用した映画は
あんまりに日本に入って来ていないので興味深く観ました。
タイトルの通り、奇病と言うメタファーに
難民問題や親子の子離れ問題などが見え隠れする
なかなか豊かな映画だと思いました。
特殊メイクが 凄かった(☆o☆)
家族愛や親子愛を描いた優しさに包まれたフランス映画。 本年度ベスト!!
予告編でパニック系の映画を想像するも、全く違う素敵な作品だった!
近未来のお話。
人間が動物化するパンデミックが発症する設定。
動物になってしまったラナの妻。
フランソワか動物になり息子のエミールと妻を探す感じのストーリー。
本作は人種差別を動物に例えた感じの作品って印象。
ラナと息子のエミールが妻を探している中、エミールの体にある変化が少しずつ現れるも、エミールの彼女の優しさが印象に残る。
エミールと鳥となった男性の関係も良かった。
鳥の男が少しずつ鳥となり言葉を失って行くシーンが悲しい。
エミールを救う鳥の男に泣ける。
夜なのに空を飛べるのか?
気になるところ(笑)
ラストにラナがエミールを救う悲しい選択は正解なのか分からない。
悲しい別れに泣けた。
何の動物に変化するのか分からないので、もし感染したら当たりの動物かハズレの動物なのか?
かなり気になると思いました( ´∀`)
共生・共存
人間がさまざまな動物に変異する奇病が発生している近未来SF。
変異した人間(新生物)は隔離され施設に入れられ、
逃げ出した新生物は迫害され、しまいには殺されたりする。
未知の病気にかかると、このように対応する現代人間への警告なのかなとも思う。
この作品では新生物がいる世界としてSFストーリーとしているが、
本質的なことは、人間同士でも共生・共存が困難な昨今、
新生物を人間の敵としたときに、人は結束する。そこにそうではない人がいるのが救い。
ゆえに、人間同士なんだったら、政治思想や宗教が違えども共生・共存できるはずでしょ?
との問いにも思えた。
本作で最も心揺さぶられたのは、車の中のフランソワとエミール親子の会話シーン。
前半は新生物となった母との想い出の曲を大音量で鳴らし、窓を開けて大声で母親の名前を呼ぶ。
後半は親子でスキーへ行った際の想い出話をし、フランソワがエミールを逃すシーン。
ここは胸熱だった。
人間が動物に変異する、新生物に注目しがちではあるが、
観てみると本質は上述のようなことにあったと思う。
実に鑑賞後感が良い作品だった。
父の家族への愛が良かったです!泣きました。
いやあ、凄く良かった。父親の家族への愛に泣きました!
人間が動物に変わってしまう謎の感染症が流行するパニックホラーかと思って観に行ったけど全然違いました。
謎の感染症がどんどん拡がり人々を恐怖に陥れる。人々は恐怖のあまり
感染者を殺してしまえと口々に叫ぶ。
そんな中、父・母・息子の3人家族にも感染者が。母が感染しどんどん外見が動物に変わりやがて理性までも失っていく…。
父が凄くいいんだなあ。どんなことが起ころうと冷静でそして母を愛している。
やがて息子も感染。息子を演じたポール・キルシュ君良かったですー。私の一推しです。演技が上手い、美しい顔、脚本に対する理解力、度胸等どれを取っても一級品です。正に逸材。きっとフランス映画界を背負って立つ大俳優になると思います。
家族愛の物語に泣けます。どんな困難があろうと冷静でぶれないお父さん素晴らしすぎました。
外見で差別する人々への警鐘も感じ色々考えさせられる映画でもありました。
異形の世界で、愛を貫けるか。
「この世界で、人間は動物になる」というキャッチコピーと、異形でありながらどこか美しさを感じるクリーチャーデザイン。その手の物が大好物の私が鑑賞しない訳もなく劇場へ。
人間が次第に知性を失い、動物の姿へと変異してしまう奇病が発生した世界。「新生物」と呼ばれるその病人たちは隔離され、人々はその異形と凶暴性に恐れを抱いていた。
そしてある日、移送中の事故によって新生物たちが野に放たれてしまう。主人公フランソワは息子のエミールと共に、事故で行方知れずとなった新生物の妻・ラナの捜索を始めるのだが…。
この映画のウリは何と言っても、異形化した「新生物」たちである。完全に獣化する前の段階の左右非対称なそのデザインはまさに「奇病」と呼ぶに相応しいもの。しかし、異形の中にどこか美しさを感じる。流石は美の国フランスといったところか。そして言わずもがな彼らは人間、差別・隔離される苦しみ、悲しみ、恐怖を当然抱いている。役者の熱演もあり、その感情がひしひしと伝わってくるようだった。
様々な意味で「新たな世界」に足を踏み入れて行くエミールと、必死に妻を探し続けるフランソワ。そして増加していく新生物絡みの事件と、次第に高まっていく新生物排除の機運……。
差別される異形たち、という設定がありながら、メインとなるのは徹底してフランソワとエミールの親子、そしてその親子愛だ。ジャパニメーション等であれば「共存出来るのか」等を主軸に置きそうなものだが、非常にミクロな部分をメインに据えた事で取っ散らかる事なく纏まっている。
新生物やそれらへの差別が何のメタファーなのかは意見の割れる所であろうが、様々な解釈が出来るはずだ。私はやはり記憶に新しいCOVID-19が頭に過った。
音楽の使い方も印象的で素晴らしかった。BGMを使うシーンを極限まで絞る事で、メロディーが記憶に焼き付く。映画音楽でありながら、どこか民族的な響きのある良い劇伴だ。
差別され排斥されても、愛を貫くこと、「生きる」ことの素晴らしさをこの映画は教えてくれる。世界に差別がある限り、このメッセージ性は普遍的な物だろう。
寓話と教訓
大きな盛り上がりはないけど
設定がとても面白い。
新生物に変化してしまう理由や
なぜその動物になるのかも
判明していない世界観なので
たこ?!とか
それは昆虫なのでは?と言った
「動物」に転換してしまうのは
それこそ世界観が狂うのでは?と
思ってみたりしたけれど
それでも美しい森と
息子エミールに惹き込まれます。
妻を失い(新生物に転換した)
残された息子までも失いかけた時
父親が取った決断に
それまで分かり合えなかった父子が
深く繋がれた。
「狼は時速40~50kmで走ることが出来る」
人間が動物に変異する
変わらない人々は、大きく膨らんでゆく彼等を殺戮しようとする
変異した妻を探し求める夫の情愛も凄いが、息子も動物へ変わり始める
息子が素敵な青年だけに憐れにも感じるが、彼と共に鳥人間の羽ばたきに感動する
父は息子を森に放つ
何処までも走って行け!
多面的な問い
人間の肉体が様々な獣や鳥・タコなどに変貌してしまう奇病が広がり始めた世界を描く物語です。このお話の舞台となるフランスでは、発病の兆候が見られると特殊な収容施設に強制的に入れられてしまいます。一方で、社会では発病者への偏見・侮蔑・排除が進みます。それ故、発病した本人や家族はそれを必死に隠そうとするのでした。こうした事態はコロナ禍での騒動のコピーに見えます。様々な思惑が錯綜し、先行きが全く見通せなかったあの時に本作の想を練ったのではないでしょうか。
しかし、本作は単なるパンデミック物語ではありません。既に獣に変貌して森に逃げた母を持ち自身も感染した少年と父の親子物語でもあるのです。思春期の少年として父への反発を感じながらも父からの助けも求め、父も何とか息子に手を差し伸べようとします。でも、何が「助け」なのかが分からないのです。
そして、もう一つ。本作は「人間の定義」をも問うていると思います。完全にタコになってしまって言葉も喋れず意思の疎通も出来なくなった存在は最早「人間」ではないのでしょうか。いや、まだ人間だろうと思いますが、本当に「人」として相対する事ができるでしょうか。もし、人間でないとするならば、その境界線はどこに引けばいいのでしょう。とんでもない例かも知れませんが、問うているものは意外と深いのでした。
鑑賞動機:あらすじ10割
特殊な設定で一点突破してくるタイプと思いきや、じっくり感情や関係性を描く。それだけに逆に特殊効果などの見かけが邪魔に見える。まあ普通にやったら、ありがちな話にしかならないかもしれないので、これで正解だったのかもしれないけど。
ストーリーが面白い!
新鮮で鮮烈
フランス語で字幕というのは物心ついてから一回もない。恐らく初めての体験だ。
いきなり、ドキュメントのように近未来が始まる。
ついていけない人も多いのではないか。まぁ、そんな人ははなから見ないとは思うが。
でも、違和感あるよね。
慣れるまで少し時間がかかった。
父親役と子役と母親役、三人のドキュメンタリーだ。
父親の愛はぶれない。
例え、母親や子が動物に変わろうとも。
なんという深い愛情だろう。
子と鳥になった人との交流も見ていて清々しかった。
タイトルが動物界なのだから、人間と動物が共存することになるのであろう。
終わり方はこれしかないような気がした。
果たして動物たちは生き延びられただろうか。
前途多難な子供に幸せあれ。
ホラーとは呼べないホラー
一つ間違うと”ゲテモノ”になりそうなテーマと内容だが、むしろ、質の高い近未来ものの映画になっているのではないか。近未来物の佳作というところでは、内容は全く異なるが、ソイレントグリーンを思い出してしまった。それは兎も角、二時間以上のやや長めの映画を、グロテスクな内容と表現にもかかわらず、なぜに飽きさせず見られたのか。一つは、人が動物(映画では、”新生物”と呼ばれているが)になる病気のメカニズムの説明は一切なく、それが、ややもするとこの手の映画が、信じがたい事象を観客に信じこませ様とするあまりに、こじつけの理屈で”臭いもの”になるところを、逆に回避していること。一つは、新生物を、単純に人間の敵と位置付けず、さりとて、同情すべき弱者とも、ヒーローとも描かず、運命として受け入れる存在として描くことで、Real感を出していること、そのほかの要素もあるが、決定的なのは、主演の二人(ロマン・デュラスとポール・キレシュ)の演じる親子が、まさしく名演であること。
説明には、ホラー映画とあるが、決して、ホラーではない。SFもしくはヒューマン映画と呼んで差し支えあるまい。
パパのママを愛する姿勢にキュン
父親の決断に涙
シビル・ウォー、ジョーカー~としんどい良作が続き、「動物界」こちらもずっしりくる良作(バイオホラーではない)。
動物に変異する奇病が流行るが、その時人は…、というもので、隔離や偏見、それによる分断を描く。
だんだん獣に変化する息子を持つ、父親フランソワの決断は涙なしには見ることはできない。
「生きろ」という台詞はもののけ姫以降、邦画では使い捨てのように唱えられてきて半ば陳腐になった感があるのですが、今回は久々に琴線に触れました。
それまで、フランソワが執拗に妻を捜していたのは生存確認でもあるけれど、いわば自分が寂しいからでもあるんですよね。家族が変化して、自分の元にいるよりありのままの姿で生きいてもらうことが、家族にとって幸せなんだとようやく決断する。
たとえその先に、野生において厳しい適者生存のサバイバル生活が待っていようと、自分で選択することの自由を考えると、無理矢理姿をねじ曲げられ、囲われて生活するよりいいわけです。
しかしフランソワが今後、身をもがれるような孤独に耐えることを考えると、やはり同情してしまうわけです。鑑賞後に自分だったら、どうするだろうか?と自問自答させられます。
それにしても人間はなぜ、つかずはなれず共存する、という手段をとれないのだろうか?理解できない存在を憎む必要はない、はず。
平たくいえば愛の物語なのですが、添加物の危険性や改造された森林の脆弱さなど、フランソワの台詞をかいつまんでいくと、愛のレイヤーの下に、人間への天罰という黙示録のようなレイヤーが隠されていると受け取れなくもない。
立ちこめる黒雲や大雨などはメタファーなのかも。
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