スリープのレビュー・感想・評価
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イ・ソンギュン喪失の痛みはいまだに癒えない
韓国の俳優イ・ソンギュンが、昨年12月に急逝した衝撃による痛みはいまだに癒えません。韓国はもちろんのこと、世界の映画界にとっても貴重な才能ある俳優の喪失は大きな痛手となりました。
本作は、ホン・サンス監督「教授とわたし、そして映画」(2010)でも共演しているソンギュンとチョン・ユミの主演で、睡眠時間に得体の知れない恐怖に脅かされる夫婦を描いたコンフュージョン・スリラーです。
長編デビューしたユ・ジェソン監督の脚本と演出、ソンギュンとユミのケミストリーが、スリラーとコメディの境界線で絶妙にバランスをとっており、ユニークな恐ろしさが迫ってきます。ソンギュンは優しい夫の豹変を演じ分け、その深い演技力を改めて証明。年齢と作品を重ねるごとに魅力が増し、まさにこれから世界での活躍が期待されていたイ・ソンギュンという俳優をその目に焼きつけてください。
恐怖映画の革命!!!
物語というものはなるべく早い段階で今後の進む方向性を開示して、追体験する側の期待、希望、予測をどこまで凌駕して裏切れるかで、その作品の完成度が評価されると言うのがドラマツルギーの定石である。がしかしこの作品は、何種類のも対立軸を交互に行き来させることで、反発するN 極とS極を螺旋上に配置しその斥力の回転だけで物語を進めると言う極めて高度な構成となっている。俳優と一般人、上階と下階、医学と超常現象、主観と客観、事実と妄想、身内と他人、医者と巫女・・・いずれも二つの相対立する力を推進力に物語が進むが、その二つの反発する力を鎮める唯一の力が共に引き合う夫婦愛。このエレメントから物語を考察すると見るものらは終始反発する二極を相互に行き来させられて、最後の最後まで恐怖というコンセプトに内在するサスペンスとホラーという要素の狭間で、どちらに転んでも恐怖に変わりないと言う「恐怖」の概念の本質を弄り倒す、一歩間違えば緊張のあまりギャグにもなりかねないギリギリの緊張感で終始観客を引きずり回す。これがたまらない新しい感覚で快感なのだ。サスペンスとして見てみる事が可能であり、ホラーとして見てみる事も可能なこの作品、終始最後の最後まで超常的なものが現れる事なく進むだけに、両方の可能性の恐怖に引きずられその緊張感、見えぬものを最後の最後まで見せない演出によって一歩間違えばギャグやコメディにまで持って行けそうなポテンシャルを内包しつつ、一旦の幕切れとなるが、それが真のハッピーエンドなのか実はその後に最悪な続きが展開するのか、そこですらどっちにでも解釈が分かれてしまうと言う複雑さ。デ・パーマは🎦キャリーでこの緊張感のママ一旦は物語を終わらせながらその緊張感に耐えられずエンドロール・アフターでもうひとサービスを展開し称賛を浴びたが、この監督それすら封印したために、子の複雑さに付いて来れなった観客からは思わぬ低評価を喰らう事になってはいるものの、この作品そこを封印した初めての斬新映画と言えよう。メチャクチャ次回作が待ち遠しい。
おかしいのは夫か妻か
ドキドキしたし、結末も良かった
俳優の夫ヒョンスと妊婦の妻スジン夫婦はもうすぐ生まれてくる我が子の事を考え、幸せな結婚生活を送っていた。ある夜、スジンの隣で眠っていたヒョンスが突然起き上がり、誰か入ってきた、と言って、それからすぐ寝た。翌朝、下の階の住人から、騒音が1週間続いていると苦情を言われた。しかし、ヒョンスもスジンも身に覚えがない。その夜からヒョンスは寝てる間に頬を掻きむしり血を流して酷い顔になり配役を降板させられたり、生肉や生魚をそのまま食べたり、窓から飛び降りようとしたりと、異常行動をするようになった。夫婦は睡眠クリニックを受診してみるが効果無く、スジンの母は巫女を呼んできて除霊してもらい・・・ヒョンスの奇行は治るのか、という話。
エイリアン ロムルスの後に本作を鑑賞したから、妊婦の周りで異常な行動をする人が居たら、生まれてくる子が変な事になってるんじゃないかと、ドキドキした。
飼ってた愛犬は冷蔵庫の冷凍室に入れられて殺された、という事だよね?
夫の異常行動の原因が、ちゃんとわかる結末は良かった。
妻スジン役のチョン・ユミは素敵だったし、夫ヒョンス役のイ・ソンギュンも良かったのに、昨年末自死をされたようで、もう彼をスクリーンで観れない。ご冥福をお祈りします。
ハマタはどうだい?
ホラーだが上質のエンタメ
マンガの編集者である友人が、早い段階でどんな話なのかを提示することは大事だと言っていたことがある。たしかにどんな話なのかわからないままだと戸惑うことがある。でも本作はどんな話なのか曖昧にしたまま話が進んでいく。
夢遊病、睡眠障害、心霊現象。夫がとる謎の行動の原因は何?というのがメインテーマ。でも、クライマックスまで真相は明らかにしない。ホラーのようでいてサスペンス。心理的に追いつめられていく2人の姿がとても怖い。でもなぜか少し笑えてしまう。
真相はある意味とても気持ち悪いもの(で多少強引)ではあったが、ここにたどり着くまでのプロセスをきっちりエンタメとして見せる手腕がなかなかすごい。ジャンルなんて関係ない。どんな話なのかわからないままでも十分見ごたえのある物語になるってことだ。ホラーは好きではないが、とても面白かった。
そして俳優陣のことも触れないといけない。イ・ソンギュンの演技が見られるのは貴重。亡くなってしまったことが本当に悔やまれる。でも本作はやはりチョン・ユミに尽きる。穏やかなとき、激高しているとき、すねているとき、目が血走った表情、女性の芯の強さを見事に演じていた。「魅力的だからさ」のセリフに激しく共感してしまった(あんな執念を抱くことはできないけど)。
パワーポイント(ʘᗩʘ’)
見せない巧さ。見えない怖さ。
役者って設定だから…
ホラーとサスペンスの狭間というのがユニーク
いつも2人で
何がしたかった?下階の亡くなったお爺さん
そこで終わったら分かんないだろ!
良品良作でした。
ビジネスパーソンで妊娠後期の妻と売れない俳優の夫の若い夫婦の物語。睡眠時遊行症に罹患してしまった夫の行動(色々やらかしますが何と言っても犬!)に対して、不安と恐怖を抱きながらも必死に看病する妻ですが。娘さんを出産した事や母親が連れてきた巫女等々の要因により、妻の恐怖は限界を超えて行きます。
サイコホラーなのか心霊ホラーなのか?本当に危険なのは夫なのか妻なのか?揺さぶられれ続けて楽しんでました。良い脚本だ!やっぱり韓国すげー。
ラストシーンの夫の一人芝居は売れない俳優っぷり全快の三文芝居(だから名演)で涙ぐましく素晴らしい、妻もそれに乗っかったのじゃ無いかな?と思ったり。まあ本当の憑依でも何の問題もありませんけど。
お互いを思いやる家族の物語でした、観て良かったです!
傷
睡眠障害ホラーというざっくばらんとした情報片手に下半期開幕の一本に今作を選択しました。
1章目は夢遊病に苦しむ夫に寄り添う妻の不穏な様子が描かれ、序盤こそ独り言だったり、歩き回ったりと些細なものですが、顔を掻きむしったり、寝ながら食材を食べたりとだんだんおかしくなっていき、挙句の果てには…。
映像にこそありませんでしたが、かなりショッキングな模様がありゾワっとしました。
2章目は妻も段々と不眠症や妄想が激しくなっていき、どちらもおかしくなっていくという形で進んでいき、この章は物音でビビらせるシーンが多くて少しグダッたかなと思いましたが、部屋を分けてでも拭えない恐怖の表現はとても良かったと思います。
3章目は妻の方が完璧におかしくなってしまい、お札を部屋に貼りまくるわ、パワポをプロジェクターに映してこれまでの経緯を説明するわで突然笑いどころが増えたんですが、他の人も巻き込んでしまえ精神で周りが見えなくなっている妻の様子はおどろおどろしかったです。
騒音夫婦と呼ばれていますが、3章目が顕著で、そらあんな大騒ぎしてたら下の階どころか、隣人からもクレーム言われるだろと疑問に思いましたが、結構そこは濁されていた気がしました。
取り憑かれていたのか、それとも演技だったのか、程よい余韻を残して終わっていって綺麗なホラーだったなと思いました。
イ・ソンギュンさんのご冥福をお祈りします。
鑑賞日 7/2
鑑賞時間 12:35〜14:15
座席 C-2
夢遊病の話かと思いきや…【90点】
両義的な良作
うん。面白かった。
印象としては「来る」に近かったが、より超常的な方でなく心理的な方に振ってる感じ。
3章仕立てなのも良いね。旦那がおかしくなる、嫁がおかしくなる、対決!って流れでさぁ真相は!?ってなる。だって、一連の発言に含まれてた孫の名前は語るけど、娘には「娘よ」みたいな言い方しかしない。怪しい…
そして結末がはっきりしないのも面白い。本当に憑いていたのか、演技でそう見せかけたのか、旦那が役者という設定がこんな風に効いてくるとは思わなかった。
主演お二人のたしかな芝居あってのことかと思う。なによりもただただ残念なのはイ・ソンギュンさんが既にいらっしゃらないということ。遺作なのかどうかは不明だけど、この良作で彼を偲びたいと思います…
ほぼSFX、特殊メイクなしでよくここまで。
イビキがトラウマになる作品。 本年度ベスト級。
壮絶な夫婦愛を描いた作品だった印象。
何がどうなってるのか解らなかったけど終盤、妻のスジンのプレゼン映像で全てが納得(笑)
夫婦間でプロジェクターを使ってプレゼンなんてするの?(笑)
一組の夫婦に起こる予想外な出来事を表現した感じのストーリー。
役者のヒョンスと出産を控えた妻のスジン。
ヒョンスが夜に奇妙な行動を取る展開。
夢遊病者って感じの恐ろしい行動が印象に残る。
そんなヒョンスが病院で診察を受け薬で治そうとするも改善されず。
夜中の奇妙な行動がかなり恐ろしい。
そんなヒョンスにスジンが優しく接するけど何だか怪しい(笑)
全く先が見えない展開。
本作は3章仕立てなんだけど1章の伏線が3章で回収される感じだった。
ミステリー作品と思いきやホラー要素が満載で観ていて結構恐ろしいシーンが満載されていた感じ。
観賞後、何も印象に残らない感じはしたけど観たことに後悔はありません( ´∀`)
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