スリープのレビュー・感想・評価
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イ・ソンギュン喪失の痛みはいまだに癒えない
韓国の俳優イ・ソンギュンが、昨年12月に急逝した衝撃による痛みはいまだに癒えません。韓国はもちろんのこと、世界の映画界にとっても貴重な才能ある俳優の喪失は大きな痛手となりました。
本作は、ホン・サンス監督「教授とわたし、そして映画」(2010)でも共演しているソンギュンとチョン・ユミの主演で、睡眠時間に得体の知れない恐怖に脅かされる夫婦を描いたコンフュージョン・スリラーです。
長編デビューしたユ・ジェソン監督の脚本と演出、ソンギュンとユミのケミストリーが、スリラーとコメディの境界線で絶妙にバランスをとっており、ユニークな恐ろしさが迫ってきます。ソンギュンは優しい夫の豹変を演じ分け、その深い演技力を改めて証明。年齢と作品を重ねるごとに魅力が増し、まさにこれから世界での活躍が期待されていたイ・ソンギュンという俳優をその目に焼きつけてください。
おかしいのは夫か妻か
夫が夢遊病になって病院で見てもらうが一向によくならず、原因は霊的なものなのか?…という映画。
ホラーかと思ったけど、それほど怖くなく、ふんわりエクソシストな韓国スリラー。
終盤まで夢遊病の原因を断言しないので、妻と夫のどちらの言い分が正しいのかわからないのが面白い。ただ、原因が説得力に欠けるよう感じていろいろ物足りない感じ。
設定、原因がしっかり物語に作用していればよくなったと思う。
ドキドキしたし、結末も良かった
俳優の夫ヒョンスと妊婦の妻スジン夫婦はもうすぐ生まれてくる我が子の事を考え、幸せな結婚生活を送っていた。ある夜、スジンの隣で眠っていたヒョンスが突然起き上がり、誰か入ってきた、と言って、それからすぐ寝た。翌朝、下の階の住人から、騒音が1週間続いていると苦情を言われた。しかし、ヒョンスもスジンも身に覚えがない。その夜からヒョンスは寝てる間に頬を掻きむしり血を流して酷い顔になり配役を降板させられたり、生肉や生魚をそのまま食べたり、窓から飛び降りようとしたりと、異常行動をするようになった。夫婦は睡眠クリニックを受診してみるが効果無く、スジンの母は巫女を呼んできて除霊してもらい・・・ヒョンスの奇行は治るのか、という話。
エイリアン ロムルスの後に本作を鑑賞したから、妊婦の周りで異常な行動をする人が居たら、生まれてくる子が変な事になってるんじゃないかと、ドキドキした。
飼ってた愛犬は冷蔵庫の冷凍室に入れられて殺された、という事だよね?
夫の異常行動の原因が、ちゃんとわかる結末は良かった。
妻スジン役のチョン・ユミは素敵だったし、夫ヒョンス役のイ・ソンギュンも良かったのに、昨年末自死をされたようで、もう彼をスクリーンで観れない。ご冥福をお祈りします。
ハマタはどうだい?
ホラーともサスペンスともつかない内容。私はストーリーよりも逆にあの目。あの充血した目がアップになると怖くてゾクゾクしました。ま、冗談はさて置き、目の演技と言うか作り込みが良かったです。あと低予算ホラーは雑な作品が多く興醒めしやすいですが、この作品は丁寧ですね。下の階の住人が意外と良い働きしてましたし、韓国映画のクオリティーを垣間見る思いがしました。人が時間をかけて出した結論は、簡単には覆らない。何故なら時間をかけて考えた(と思っている)から。自分なら匙を投げ出しそうなのに、旦那さん偉いな。割とヒンヤリ出来るので、夏に観るのに丁度良い映画と思います。
ホラーだが上質のエンタメ
マンガの編集者である友人が、早い段階でどんな話なのかを提示することは大事だと言っていたことがある。たしかにどんな話なのかわからないままだと戸惑うことがある。でも本作はどんな話なのか曖昧にしたまま話が進んでいく。
夢遊病、睡眠障害、心霊現象。夫がとる謎の行動の原因は何?というのがメインテーマ。でも、クライマックスまで真相は明らかにしない。ホラーのようでいてサスペンス。心理的に追いつめられていく2人の姿がとても怖い。でもなぜか少し笑えてしまう。
真相はある意味とても気持ち悪いもの(で多少強引)ではあったが、ここにたどり着くまでのプロセスをきっちりエンタメとして見せる手腕がなかなかすごい。ジャンルなんて関係ない。どんな話なのかわからないままでも十分見ごたえのある物語になるってことだ。ホラーは好きではないが、とても面白かった。
そして俳優陣のことも触れないといけない。イ・ソンギュンの演技が見られるのは貴重。亡くなってしまったことが本当に悔やまれる。でも本作はやはりチョン・ユミに尽きる。穏やかなとき、激高しているとき、すねているとき、目が血走った表情、女性の芯の強さを見事に演じていた。「魅力的だからさ」のセリフに激しく共感してしまった(あんな執念を抱くことはできないけど)。
パワーポイント(ʘᗩʘ’)
まさかの除霊プレゼン(笑)
一応、
夢遊病ルート・除霊ルートでも整合性は取れるように作られている。
夫が俳優をやっているってのも脚本の妙。
「真実はどっちだ⁉」と観る側に委ねるやり方も上手い。
犬さんだけ災難だった。
見せない巧さ。見えない怖さ。
怖いの苦手ですが主演の2人が好きな俳優さんなので。
始まりから怖い怖い。電気点けてほしい。
家族の中にひとり病人が出ると幸せが壊れていくさまがリアルで胸が苦しい。
霊媒師の巫女の女性がいかにもという顔をしていたし、何よりキーとなる老人が出てこないところが巧い。
チョン・ユミは最初あれ?違う人かなと思ってたらだんだんと壊れていくにつれていつものチョン・ユミの顔になってきた。可愛らしい顔をしているからかえってこういう役が似合うというか怖い。
イ・ソンギュンさんは良い声をしているなぁ。彼の声のナレーションのドキュメンタリーなんかあったらよかったろうに。もう彼の作品が見れないと思うと実に残念です。
役者って設定だから…
結局ラストは謎のまま…だけどレム睡眠と霊騒ぎが重なりすぎて面白い。事実はわからないけどエミリーローズみたいに思い込みが霊憑依にさせるのかホントにそんなことがあるのか。ダンナと嫁さんの立場がだんだん変わっていくのも目が話せない。結構面白かったなー。
ホラーとサスペンスの狭間というのがユニーク
これはホラーなのか、サスペンスなのか。その間を行ったり来たりするのが、ユニークだ。
睡眠中の夫の奇行から始まる部分は、ほとんどホラー。医師により睡眠障害と診断されるが、妻の母親が連れてきた祈祷師は悪霊のせいだと言う。祈祷師を信じた妻の様子がおかしくなり、果たして治さねばならないのは夫の方か、妻なのか。次々新たな面が展開し、興味を惹き付けていく面白さ。
最後の、夫から妻への言葉で一見ハッピーエンドなのだが、夫の職業が俳優であるという伏線を考えると、嘘を演じていたのではないかという可能性も残すところが、なかなか。
いつも2人で
イ・ソンギュン×チョン・ユミの「スリープ」。これ「落下の解剖学」にも通じる愛する人のことを私たちは本当に知っているのかという不穏な感覚を描いた映画ですね。もうひとつの要素がカルトの人たちが自分の都合の良い情報だけを持ち出して自説を語ってくる時の恐怖感。構成もよく秀逸なホラーです。
何がしたかった?下階の亡くなったお爺さん
配偶者(男性)が死者に憑かれて、除霊をする家族達の話 憑いた霊はタダ抱きたかっただけ?それとも雑音(犬🐩や赤ちゃんの鳴き声等)の無い空間に憧れ👀〰️💕ていただけ… 死後の世界はサイレントではないの?生きている肉親を拉致監禁及びバイオレンスすることで…等々疑問が沢山??ジャンルとしては、ホラー❔全てが中途半端な感じでした
そこで終わったら分かんないだろ!
2024年劇場鑑賞165本目。
自分睡眠障害でこの日検査入院して退院して観たので非常にタイムリーな作品。
夜中家の中探すのに全然電気つけないのはなんでなんでしょう。
最後どちらとも取れる感じで終わるのは作品の意図なんでしょうけど、どっちにしてもこの後が大変だと思うのでそこは描いて欲しかったです。
良品良作でした。
ビジネスパーソンで妊娠後期の妻と売れない俳優の夫の若い夫婦の物語。睡眠時遊行症に罹患してしまった夫の行動(色々やらかしますが何と言っても犬!)に対して、不安と恐怖を抱きながらも必死に看病する妻ですが。娘さんを出産した事や母親が連れてきた巫女等々の要因により、妻の恐怖は限界を超えて行きます。
サイコホラーなのか心霊ホラーなのか?本当に危険なのは夫なのか妻なのか?揺さぶられれ続けて楽しんでました。良い脚本だ!やっぱり韓国すげー。
ラストシーンの夫の一人芝居は売れない俳優っぷり全快の三文芝居(だから名演)で涙ぐましく素晴らしい、妻もそれに乗っかったのじゃ無いかな?と思ったり。まあ本当の憑依でも何の問題もありませんけど。
お互いを思いやる家族の物語でした、観て良かったです!
傷
睡眠障害ホラーというざっくばらんとした情報片手に下半期開幕の一本に今作を選択しました。
1章目は夢遊病に苦しむ夫に寄り添う妻の不穏な様子が描かれ、序盤こそ独り言だったり、歩き回ったりと些細なものですが、顔を掻きむしったり、寝ながら食材を食べたりとだんだんおかしくなっていき、挙句の果てには…。
映像にこそありませんでしたが、かなりショッキングな模様がありゾワっとしました。
2章目は妻も段々と不眠症や妄想が激しくなっていき、どちらもおかしくなっていくという形で進んでいき、この章は物音でビビらせるシーンが多くて少しグダッたかなと思いましたが、部屋を分けてでも拭えない恐怖の表現はとても良かったと思います。
3章目は妻の方が完璧におかしくなってしまい、お札を部屋に貼りまくるわ、パワポをプロジェクターに映してこれまでの経緯を説明するわで突然笑いどころが増えたんですが、他の人も巻き込んでしまえ精神で周りが見えなくなっている妻の様子はおどろおどろしかったです。
騒音夫婦と呼ばれていますが、3章目が顕著で、そらあんな大騒ぎしてたら下の階どころか、隣人からもクレーム言われるだろと疑問に思いましたが、結構そこは濁されていた気がしました。
取り憑かれていたのか、それとも演技だったのか、程よい余韻を残して終わっていって綺麗なホラーだったなと思いました。
イ・ソンギュンさんのご冥福をお祈りします。
鑑賞日 7/2
鑑賞時間 12:35〜14:15
座席 C-2
夢遊病の話かと思いきや…【90点】
まずイ・ソンギュンがやっぱり素敵だった。声も落ち着くし色んな声マネもやってくれておもしろかった。
夢遊病の話かな〜と思って観ているとしっかり韓国スリラー(もはやホラー寄り)になっていきとても楽しめた。チョン・ユミもイ・ソンギュンも演技が素晴らしい。
90分という短めの尺がまた観やすくて良い。うまくまとまっていたと思う。
Ps.イ・ソンギュンの遺作は韓国で夏に2作連続公開予定。そちらも早く日本公開されますように。。
両義的な良作
うん。面白かった。
印象としては「来る」に近かったが、より超常的な方でなく心理的な方に振ってる感じ。
3章仕立てなのも良いね。旦那がおかしくなる、嫁がおかしくなる、対決!って流れでさぁ真相は!?ってなる。だって、一連の発言に含まれてた孫の名前は語るけど、娘には「娘よ」みたいな言い方しかしない。怪しい…
そして結末がはっきりしないのも面白い。本当に憑いていたのか、演技でそう見せかけたのか、旦那が役者という設定がこんな風に効いてくるとは思わなかった。
主演お二人のたしかな芝居あってのことかと思う。なによりもただただ残念なのはイ・ソンギュンさんが既にいらっしゃらないということ。遺作なのかどうかは不明だけど、この良作で彼を偲びたいと思います…
ほぼSFX、特殊メイクなしでよくここまで。
ほぼ家の中。ワンシチュエーション。明らかにローバジェトだが良い出来のホラーです。
基本は家族愛の話。霊障が起きてもお互いを信じ合い、明るく乗り切ろうとする前半が後半のヤバイ状態を際立たせてるし、伏線効いてるし、解釈も膨らみ実に上手いと思った。
若い監督だけど的確だし、役者の力を充分引き出せてる。エディターも優秀だ。なんかラストの逃し方も特殊効果使わずに上手かった。
見方によってずいぶん解釈変わる結末です。
そこが良いです。
旦那役のイソンギュンの最期の作品なのかな?いろんな役こなせそうだったのに残念な事である。
イビキがトラウマになる作品。 本年度ベスト級。
壮絶な夫婦愛を描いた作品だった印象。
何がどうなってるのか解らなかったけど終盤、妻のスジンのプレゼン映像で全てが納得(笑)
夫婦間でプロジェクターを使ってプレゼンなんてするの?(笑)
一組の夫婦に起こる予想外な出来事を表現した感じのストーリー。
役者のヒョンスと出産を控えた妻のスジン。
ヒョンスが夜に奇妙な行動を取る展開。
夢遊病者って感じの恐ろしい行動が印象に残る。
そんなヒョンスが病院で診察を受け薬で治そうとするも改善されず。
夜中の奇妙な行動がかなり恐ろしい。
そんなヒョンスにスジンが優しく接するけど何だか怪しい(笑)
全く先が見えない展開。
本作は3章仕立てなんだけど1章の伏線が3章で回収される感じだった。
ミステリー作品と思いきやホラー要素が満載で観ていて結構恐ろしいシーンが満載されていた感じ。
観賞後、何も印象に残らない感じはしたけど観たことに後悔はありません( ´∀`)
イケメン俳優
レム睡眠障害で夢遊病を発症し、毎晩キケンな行動を繰り返すようになった夫と、妊娠中の妻の話。
ある日夜中にふとしたことで悲鳴をあげてしまった妻が、1週間前に下の階に越してきた住人から毎日ドンドンうるさいし悲鳴が…と苦言を言われて始まって行くけれど、前に住んでた爺さんにもうるさいと指摘されていたのに、たった1回の悲鳴でなんちゃらとか流石のお国柄w
そして今度は頬を掻きむしり、冷蔵庫をあさりむさぼり窓を開け…。
母ちゃんの横槍はいいアクセントだけれど、このテイストの作品でそっちはないよね?と思っていたら、娘が産まれて…なるほどそうきますか。
巫女だ除霊だなんてギャグで良いのに、と思いつつみていたけれど、終盤の加速はなかなかお見事。
そしてダンナのイケメンっぷりが炸裂して終わったけれど、そこからをもう一歩で良いからみせてくれないと、なんだかボヤけた感じもするし、勘違いする人がいそうな気もした。
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