スリープのレビュー・感想・評価
全40件中、21~40件目を表示
緻密な設定に練られたシナリオ、後半のトンデモ展開も説得力があり、ラストも秀逸
2024.7.4 字幕 アップリンク京都
2023年の韓国映画(94分、G)
夢遊病を患った夫の治療を始める新妻を描くスリラー映画
監督&脚本はユ・ジェソン
原題は『잠』、英題は『Sleep』で、共に「眠る」という意味
物語の舞台は、韓国のどこか
俳優として活躍している夫のヒョンス(イ・ソンギョン)は、新妻・スジン(チョン・ユミ)と仲睦まじい暮らしをしていた
スジンは出産間近になっても仕事を続けていて、彼女の母(イ・ギョンジン)との仲も悪くはなかった
ある夜、ヒョンスは夜中に目を覚まし、スジンがそれに気づいて起きると、彼は「誰かが入ってきた」とだけ言って、再び眠りについた
ヒョンスはそのことを覚えておらず、セリフか何かだと考えていた
映画は、その後ヒョンスが奇怪な行動を繰り返していく様子が描かれ、出産を終えたスジンは、子どもに害が及ぶのではないかと恐れていく
ヒョンスも安全を考えて色々と対策を練るものの、一向に良くなる気配はなく、そこで睡眠障害の専門医キム(ユン・ギョンホ)の診察を受けることになった
薬と規則正しい生活の導入、何かあった時のための安全を施していく
だが、その話を聞いた義母は「悪霊か何かに取り憑かれた」と思いこみ、勝手にヨンウォル堂の巫女(キム・グムスン)から買った呪符を送りつけてくるのである
映画の前半は「科学的なアプローチ」で、後半は「非科学的なアプローチ」になっていて、ヒョンスがおかしかったのに、徐々にスジンがおかしくなっていくように描かれていく
夢遊病によって影響を受ける様子はとてもリアルで、その自覚が中途半端にあるところも微妙な感じになっている
ヒョンスも独自に自分の病気について調べ、ある特効薬の存在を知ることになるのだが、医師はそれを素早く導入しない
そうして重なった時間がスジンを苦しめることになって、彼女自身もある結論を導いてしまう
映画のラストは解釈が分かれる感じになっているが、個人的には「演技」だと感じた
それは、「演技である」という伏線の張り方が明確になっていて、それが上手く回収されているからだ
本作は思い込みの怖さというものを主題に置いているので、そこに陥った人をどう納得させるかという先にある「答え」を提示しているのではないだろうか
いずれにせよ、どちらに転んでも不思議はなく、良い論争になる映画だと思った
妻にわかる周囲の人のモノマネが何度も登場し、彼自身が俳優であることも説得力に繋がっている
だが、スジンの思い描くものが本物である可能性もあって、実際には同時にそれが起こっていた、という可能性も否定できない
真相は誰にもわからないのだが、その隙を与えないことが、本作が特筆すべきスリラーと評される要因であるように思えた
そこで終わったら分かんないだろ!
良品良作でした。
ビジネスパーソンで妊娠後期の妻と売れない俳優の夫の若い夫婦の物語。睡眠時遊行症に罹患してしまった夫の行動(色々やらかしますが何と言っても犬!)に対して、不安と恐怖を抱きながらも必死に看病する妻ですが。娘さんを出産した事や母親が連れてきた巫女等々の要因により、妻の恐怖は限界を超えて行きます。
サイコホラーなのか心霊ホラーなのか?本当に危険なのは夫なのか妻なのか?揺さぶられれ続けて楽しんでました。良い脚本だ!やっぱり韓国すげー。
ラストシーンの夫の一人芝居は売れない俳優っぷり全快の三文芝居(だから名演)で涙ぐましく素晴らしい、妻もそれに乗っかったのじゃ無いかな?と思ったり。まあ本当の憑依でも何の問題もありませんけど。
お互いを思いやる家族の物語でした、観て良かったです!
傷
睡眠障害ホラーというざっくばらんとした情報片手に下半期開幕の一本に今作を選択しました。
1章目は夢遊病に苦しむ夫に寄り添う妻の不穏な様子が描かれ、序盤こそ独り言だったり、歩き回ったりと些細なものですが、顔を掻きむしったり、寝ながら食材を食べたりとだんだんおかしくなっていき、挙句の果てには…。
映像にこそありませんでしたが、かなりショッキングな模様がありゾワっとしました。
2章目は妻も段々と不眠症や妄想が激しくなっていき、どちらもおかしくなっていくという形で進んでいき、この章は物音でビビらせるシーンが多くて少しグダッたかなと思いましたが、部屋を分けてでも拭えない恐怖の表現はとても良かったと思います。
3章目は妻の方が完璧におかしくなってしまい、お札を部屋に貼りまくるわ、パワポをプロジェクターに映してこれまでの経緯を説明するわで突然笑いどころが増えたんですが、他の人も巻き込んでしまえ精神で周りが見えなくなっている妻の様子はおどろおどろしかったです。
騒音夫婦と呼ばれていますが、3章目が顕著で、そらあんな大騒ぎしてたら下の階どころか、隣人からもクレーム言われるだろと疑問に思いましたが、結構そこは濁されていた気がしました。
取り憑かれていたのか、それとも演技だったのか、程よい余韻を残して終わっていって綺麗なホラーだったなと思いました。
イ・ソンギュンさんのご冥福をお祈りします。
鑑賞日 7/2
鑑賞時間 12:35〜14:15
座席 C-2
夢遊病の話かと思いきや…【90点】
両義的な良作
うん。面白かった。
印象としては「来る」に近かったが、より超常的な方でなく心理的な方に振ってる感じ。
3章仕立てなのも良いね。旦那がおかしくなる、嫁がおかしくなる、対決!って流れでさぁ真相は!?ってなる。だって、一連の発言に含まれてた孫の名前は語るけど、娘には「娘よ」みたいな言い方しかしない。怪しい…
そして結末がはっきりしないのも面白い。本当に憑いていたのか、演技でそう見せかけたのか、旦那が役者という設定がこんな風に効いてくるとは思わなかった。
主演お二人のたしかな芝居あってのことかと思う。なによりもただただ残念なのはイ・ソンギュンさんが既にいらっしゃらないということ。遺作なのかどうかは不明だけど、この良作で彼を偲びたいと思います…
ほぼSFX、特殊メイクなしでよくここまで。
意外な展開
寝ている時に突如"誰かが入ってきた"と話す夫ヒョンスに最初は寝言の一つかと思っていた妻で妊娠中のスジンだが、謎のセリフを機にヒョンスが睡眠時に不審な行動を取るようになっていく。
飼っているポメラニアンを冷蔵庫に入れて殺すシーンで病気?いやいや常軌を逸してるでしょ。
食用犬は確かに韓国の食文化としてあるが法律で禁止され食べられなくなったらしい。成る程その衝動でペットであってもというのは違うらしい。
結末がまさか過ぎて、説明がないと頭の整理がつかなくなるので説明しておく。
下の階に住むお爺さんがいた。よく上階の部屋から聞こえてくるというドタバタ音といった騒音に関してクレームを言ってきた。スジンをとても気に入っていた。死してもなおスジンへの気持ち変わらず夫ヒョンスの夢の中で現れ取り憑いた。
鬼神とかってワードが出るが要は日本でいう初七日が過ぎても昇天できず現れたことになる。だとしたら、スジンへの未練だろうか?
お爺さんの娘を犠牲にして、亡くなられたお爺さんの霊を自力で呼び出すなどしてかなりの荒療治だったが最後は追い出すことが出来たみたいだ。
イビキがトラウマになる作品。 本年度ベスト級。
壮絶な夫婦愛を描いた作品だった印象。
何がどうなってるのか解らなかったけど終盤、妻のスジンのプレゼン映像で全てが納得(笑)
夫婦間でプロジェクターを使ってプレゼンなんてするの?(笑)
一組の夫婦に起こる予想外な出来事を表現した感じのストーリー。
役者のヒョンスと出産を控えた妻のスジン。
ヒョンスが夜に奇妙な行動を取る展開。
夢遊病者って感じの恐ろしい行動が印象に残る。
そんなヒョンスが病院で診察を受け薬で治そうとするも改善されず。
夜中の奇妙な行動がかなり恐ろしい。
そんなヒョンスにスジンが優しく接するけど何だか怪しい(笑)
全く先が見えない展開。
本作は3章仕立てなんだけど1章の伏線が3章で回収される感じだった。
ミステリー作品と思いきやホラー要素が満載で観ていて結構恐ろしいシーンが満載されていた感じ。
観賞後、何も印象に残らない感じはしたけど観たことに後悔はありません( ´∀`)
イケメン俳優
レム睡眠障害で夢遊病を発症し、毎晩キケンな行動を繰り返すようになった夫と、妊娠中の妻の話。
ある日夜中にふとしたことで悲鳴をあげてしまった妻が、1週間前に下の階に越してきた住人から毎日ドンドンうるさいし悲鳴が…と苦言を言われて始まって行くけれど、前に住んでた爺さんにもうるさいと指摘されていたのに、たった1回の悲鳴でなんちゃらとか流石のお国柄w
そして今度は頬を掻きむしり、冷蔵庫をあさりむさぼり窓を開け…。
母ちゃんの横槍はいいアクセントだけれど、このテイストの作品でそっちはないよね?と思っていたら、娘が産まれて…なるほどそうきますか。
巫女だ除霊だなんてギャグで良いのに、と思いつつみていたけれど、終盤の加速はなかなかお見事。
そしてダンナのイケメンっぷりが炸裂して終わったけれど、そこからをもう一歩で良いからみせてくれないと、なんだかボヤけた感じもするし、勘違いする人がいそうな気もした。
この映画の存在を知ったとき、 『これからやるイソンギュンの映画って...
この映画の存在を知ったとき、
『これからやるイソンギュンの映画って、
まだあったんだ!』と思った
この2人なら間違えないからどうせ見るんだけど、
特にイソンギュンの見納めなので、心して見た
ストーリー展開からずっと目が離せず、
最後まで充実していた
イソンギュンの声は前から良いと思ってたけど、
チョンユミの声も結構良いことに気付いた
それにしてもイソンギュン、
惜しい俳優さんをなくしました
演技なのかホントなのか
展開が後半読みづらいのはあるが…。韓国の資格事情
今年234本目(合計1,326本目/今月(2024年6月度)34本目)。
(前の作品 「クワイエット・プレイス DAY 1」→この作品「スリープ」→次の作品「こころのふた 雪ふるまちで」)
韓国映画といえばシネマート、ということで。
普通に考えると予告などからでは、睡眠障害などに悩まされている夫の話かな…と思ったらそれは3割ほどで残りは違う話題に飛ぶし、映画館のポスターではまず読めない展開に7割飛んでしまうのがどうかな…といったところです。ただ、映画内で出てくる「ある女性」(の仕事)に関しては文化の差はあっても日本にも存在するし、理解しなくもない、程度ではあります。
テーマがこうしたものを扱うため「睡眠時間はしっかりとりましょう」「睡眠薬などに頼らないようにしましょう」といった教育的な内容ではなくむしろホラー(一部謎解き含む)になりますが、この暑苦しいこの時期に見に行くならおすすめです。
採点に関してはとくに気になった点までないのでフルスコアにしています。
--------------------------------------------------------
(減点なし/参考/男性主人公が手にとっている「不動産仲介士」の問題集)
日本では「宅建」におよそ相当する試験で日韓ともに年1回であることは一緒ですが、韓国では2次試験まであることと、40万人も受ける(日本では23万人だが、韓国の人口は日本の40%ほどということに注意)人気試験です。これは韓国・日本に限らずコロナ事情で何もすることがなく「比較的簡単な法律系資格でも取ろうか」ということで40万人(日本の40%ほどの人口である点に注意)もが受ける資格試験です。最終合格率は8%程度だそうです(試験科目などは上記の通り論文等が入るなどはあるが、(韓国)民法と不動産登記法で大半を占める)。
特に日本で就職が極端に難しかったとされるいわゆる「就職氷河期」は韓国にも時期はずれても同じころにあらわれているため、この韓国の試験では「法律系資格の登竜門だが合格して人生の一発逆転だ」ということで40万人ほどが受ける超人気試験となっているわけですね。
--------------------------------------------------------
笑いと怖さが融合し、94分間という短さ
眠るのが怖くなりそう
心理的なホラーで面白かった!
私は視覚的な(血みどろとか)ホラーは観られないのだけど、これはとても面白く観れました。
話が進めば進むほどに、誰が狂ってるのかもうわからない。
始まり方から結構怖かったので、ちょっと観たことを後悔したけど、その後の展開が面白くて最後まであっという間だった。
安眠だと思ってる間の自分の行動に身に覚えがないって、多分想像以上に自分も恐ろしいよね。眠るのが怖くなりそう。
そして一緒に暮らしている人の恐怖も想像に難くない。知ってる人のはずなのに知らない人みたいに見えるに違いない。
こちらも安眠できないわね。。
家って絶対的に安心できる場所じゃないと困るし、寝てる時ほど無防備な時はないんだから、スジンの恐怖は色々差っ引いてもわかる気がする。
仲良し夫婦がお互いの最善を思い合っているはずなのに、なぜかどんどん悪い方向に爆走していく恐怖を是非皆さんも味わって!
記憶にございません
全40件中、21~40件目を表示















