「イッヌ」スリープ なつさんの映画レビュー(感想・評価)
イッヌ
作品始まってすぐに謎の現象のスタート。
さすが韓国映画だぜ!!
本作品は3章構成になっている。
効率的でとても良くできてるなと。
それによってこちらの考える隙を作らず、いらない場所が削ぎ落とされる。
俳優の夫、妊婦である妻。
2人の掲げるスローガンは「2人ならどんな困難も乗り越えられる」
どんだけラブラブ夫婦よ。
ぐぅぐぅといびきから始まる。
1章では夫の様子がおかしくなり、それが加速する一方。
2人で病院に行き、レム睡眠中に起こることで自身でつける掻き傷、徘徊、悪食、自殺未遂が証明できるとの診断。
協力して窓を塞ぎ、錠をつける。
一方で妻の母は謎の巫女を紹介し、男の幽霊がついていると。その霊が妻に執着しているのが原因だと。
それは眠っている状態から入ってくる。
その巫女が非常に胡散臭い。本当に。
しかし、妻のモトカレ候補には死んだ人はいない。
霊の存在は半信半疑信。
2章でおかしくなるのは妻。
出産したばかりの赤子を抱いてバスタブの中にうずくまる。ドアを蹴る夫。彼女はだんだんと眠らなくなる。だって夫は狂気の夢遊病だし。
産後まもない赤子を必死に守る為、夫に対して懐疑的に。
赤子を失う最悪な妄想を何度も抱き血走っていく瞳。
病院に行き、夫に強めの薬を所望するが出されない。彼女はつぶやく「ヤブ医者」
ここで2人でなら…という言葉が意味をなさなくなる。
そういえば、階下に新しく引っ越してきました〜っておばさんいましたね。彼女は1週間ほど上がドンドンとうるさいと控えめに苦情をもらす。
そこで気づく。
前階下のお爺さんもうるさいと苦情を出していた事を。
そして、ねちこいじいさんだった事を。
階下に行き、話を聞くと前住人は彼女の祖父。
彼は亡くなっていた。執着していたのはじいさんだった。
え?そうなの?!
3章でついに壊れる。
夫は強めの薬を処方され、疲れた顔をしながらも完治を理解し安心する。
一方で妻は完全にシャーマンの力を信じ、じいさんに憑依されている夫にじいさんが時間内に成仏できなければ悪神となるために一刻も早く夫の中の霊を出そうとする。「自分は完治した」と説得。信じない妻。
スクリーンに悪神の情報が映る。そこに影を落としながら口論を続ける2人。
まさに「科学」vs「心霊」
ついに妻は攫っておいた階下のじいさんの娘を手にかけようとする。
自分の子供に傷をつけるならお前の娘も孫も殺す!!
迫るタイムリミット。
さすがに妻に殺人はさせられない。
さすがに自分の娘、孫を殺されられない。
それでは「出ていく」とつぶやく夫の身体。
それはどちらの言葉なのか。
夫の職業は俳優である。
そして聞こえるぐぅぐぅといういびきで幕引き。
「科学」と「心霊」側で出てきた人物2人がとてつもなく胡散臭い。医者の顔も診断も怪しいし、巫女の言動も怪しい。
夫婦である2人はそれぞれ違う人物、違う道を信じた。
しかし共に乗り越えた困難。
どちらかが正しいのかわからないエンドを迎える。
「科学」vs「心霊」ネタはたくさんあるけど、最後の最後までラブい夫婦2人を納得させず争わせた結果がこれならばと私はとても楽しく観れた。
イッヌが辛い目に遭います。
しかも超愛くるしいポメラニアン。
屈強なイッヌではなく、か弱い小型犬を2段締めでやってしまうのはさすが韓国クオリティだと思うけど、やはり心臓に悪いのでワンコ強火の方々は観ない事をオススメする。