劇場公開日 2024年6月7日

「いい顔をして写真を撮ると言うこと」明日を綴る写真館 たつのこさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0いい顔をして写真を撮ると言うこと

2024年6月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

とても温かい優しい映画でした。
それぞれの人に寄り添いながら写真館を営む鮫島さん。
その鮫島さんの一枚の写真に惹かれて弟子入りを志願する太一。
一度は断わるものの、すぐに受け入れたのは、鮫島さんが太一の中に何か感じる物があったからなのでしょうね。
目で見た物を撮るのが写真だと思っている太一と、被写体を撮るのだけが写真家じゃないと考える鮫島さん。
でも二人共過去に残してきた思いへの悔いがあり、この思いに対しての変化が終盤にかけて上手に描かれていました。
特に太一は写真への向き合い方そのものが変わって行きますが、演じた佐野晶哉くんは自然体でとても良かったです。黒木瞳さん演じた母親とのシーンの涙はきっと本当の涙だったんだろうな。
そして何と言っても平泉成さん。この作品が初主演だったのですね。お芝居に関して僕が語る必要などない素敵な役者さんですが、この平泉さんの為に集まった役者さんの何と豪華なことでしょう。
奥さま役の市毛良枝さん相変わらずチャーミングでした。
この豪華な役者さんを相手に佐野晶哉くん始め、若き演者さんたちもみんな素晴らしかった。
特にケーキちゃん可愛らしかったですね。劇中のケーキちゃんの写真は本当に素敵な笑顔でした。
写真には撮られる側だけじゃなく撮る側もその一枚に写される。
音が鳴る写真を目指して、明日も鮫島さんと太一は写真を撮り続けます。
優しい本当にいい映画を見ました

たつのこ