「芸大受験物語」ブルーピリオド odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
芸大受験物語
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数学も物理も学校一番の優等生だが頭は金髪、煙草も持ち歩く不良の面もあり、多彩な友人たちに好かれているユニークな高校生、矢口八虎(眞栄田郷敦)が親の望む無難な生活重視の人生レールを進むことに悩んだ挙句、絵画に魅かれ芸大を目指す軌道変更。劇中にテーマとして課せられる「好きな風景」で八虎が惹かれたのが明け方の青い渋谷でした、タイトルのブルーはその辺から来ているのか、それとも青春なのか、悲観的な象徴でもあるブルー、ピリオドは終止符だからブルーな悩みの青春期の区切りと捉えた方が良いのかもしれませんね。
原作者の山口つばささんは芸大出身の漫画家、芸大迄出て漫画家かよと勿体ない気もしますが本物ならではの芸大受験の展開のリアリティあるエピソードは流石でした。劇中、課せられるテーマと八虎の描いた絵の繋がり、仕上げがお見事、監督はもとより監修、協力の絵描きの方が凄腕だったのでしょう。
ストーリーより多彩、多様な登場人物が起こす化学反応、キャラクター重視の創作手法は宮藤官九郎さんの手法に似ていますが人物描写の緻密さでは凌いでいるように思えました、ただ、凡人のおじさんからみると才能に恵まれた八虎の贅沢な悩みと出来過ぎたハッピーエンドはちょっと縁遠い気がして共感には至りませんでした、ごめんなさい・・。
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