「愛すべき「あざとさ」」ドマーニ! 愛のことづて sugar breadさんの映画レビュー(感想・評価)
愛すべき「あざとさ」
こういうの結構好きです。
冒頭、デリアの多忙な一日のルーティンをスピーディに描くと同時に、幾人もの登場人物をわかりやすく紹介していきます。この導入部はとてもキャッチーです。さらに場面ごとの挿入音楽が時代を超越しているところや暴力シーンのダンス化なども、コメディエンヌ(この言葉もジェンダーバイアス?)の初監督らしい工夫がされていて好ましいです。
それにしても出てくる男どもがどいつもこいつもろくでもないですね。自己中で権威主義で下品。まあ多少盛ってるところもあるのでしょうけど、本当にむかむかしますね。あの落ち着きないバカ息子達もDVのDNAを受け継いでるんだろうなあ。
一方でデリアを始めとする女性たちが生き生きと見えてきます。特に母娘の絆にはグッときます。ラストの娘へのお金に添えられた手紙が誤字で書かれていた演出(イタリア語はわかりませんでしたが)は、「あなたは学も人を見る目も身につけて、幸せになりなさい」というメッセージですね。呼応した二人のアイコンタクトと口角コンタクトが素晴らしかったです。
過分なお言葉,恐縮です。
2作品のうち「MELT」は救いがなさ過ぎて正直しんどいですが,「美しい夏」はまさに美しい映画だし,いずれVODやディスクでも視聴可能になると思います。
コメントありがとうございました。
最近観たなかでは「MELT」や「美しい夏」でも心の中で謝りまくりました。
女性が弱者であるか否かについて正面切って論じる見識を残念ながら私は持ち合わせていませんが,少なくとも筋力弱者に対して肉体的暴力を行使するのは自信の無さの無自覚な裏返し(無自覚だから指摘すると逆ギレ)だと認識しています。一方で,美術・文芸作品や音楽演奏などの評に「女性らしい繊細さ」みたいなしょーもない文言があるとうんざりです。繊細さは女性のみの美徳だといいたいのでしょうか?
すみません,話が逸れてしまいました。