劇場公開日 2025年8月1日

「デーヴァ・カッセルの存在感」美しい夏 kinako-catさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 デーヴァ・カッセルの存在感

2025年8月1日
PCから投稿

16歳の少女が、年上の女性との出会いを通して、戸惑いながらも少しずつ、少女から大人になっていく過程を描いた作品。

ジーニアは、憧れの女性に近づきたい一心で、アメーリアの生き方を真似しようとする。
彼女のその自由さに惹かれ、美しさに見とれ、距離が縮まっていくたびに、心が高鳴っていく。
アーティストたちと過ごす時間、初めての恋愛、そして好奇心と不安が入り混じった初体験…
仕事に通い、どこか大人びて見えるジーニアではあるけれど、彼女はまだ16歳の設定。
夢のように見えた世界は、やがて自堕落になっていく生活や、過酷な事実を突きつけていく。

そして印象的だったのは、アメーリアを演じたモデルのデーヴァ・カッセル。
モニカ・ベルッチとヴァンサン・カッセルの娘の存在感ったら!
凛とした佇まいのなかに、ジーニアへの感情を通して垣間見える、心の弱さと陰り。
大胆だけど、どこか繊細で、目が離せない女性を演じてました。

若さゆえの過ちや揺れる気持ちを、まるで一冊の上質な装丁の本のように、美しく静かに描いた青春映画。

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