「予想をうらぎる素晴らしさ。」シサム こべっこさんの映画レビュー(感想・評価)
予想をうらぎる素晴らしさ。
和人である主人公がアイヌの村で暮らして未知の世界観と出会い自分の生き方や価値観を問い直すというのは「ダンスウィズウルブス」以来のお決まりのパターンみたいなところがあってまたかと思いながらも家族が北海道のアイヌの村を訪れて交流してとても良かったと聞いて以来、アイヌの人たちの事が気になっているので見に行きました。
舞台となった北海道の自然と役者さんたちの演技が素晴らしく物語の世界に引き込まれてしまいました。役者さんたち皆さん素晴らしかったですが特にサヘル・ローズさんの彫りの深い顔がアイヌの人のようで同じサヘルさんのことが同じアジア人として身近に感じられました。予告編にもあるように戦いの場面もあるのですがいわゆる残虐なシーンはなくてほっとしました。
少し残念なのは食べ物は分かち合って食べなくてはならない、独り占めして分かち合おうとしないのは神の教えに背くといった思想などの紹介などもあったらもっと良かったかなと思いました。
普段はパンフレットを買うことはしないのですがパンフレットを買ってみると写真がきれいで買って良かった額に入れて飾ろうかと思うほどです。映画を通じてアイヌの人たちの事をもっと知ることができればと思い行った映画でしたが映画そのものが素晴らしく映画館で見て良かったなと感じました。
シサムはアイヌ語で「隣人」という意味だそうです。世界のあちこちで戦争や対立が起こっている現在。大事にしないといけない言葉ですね。
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