「どちらかと言えば《変化球》系のホラー」サユリ ネコと映画と人生とさんの映画レビュー(感想・評価)
どちらかと言えば《変化球》系のホラー
新しいホラー表現を模索して「毎回の様に迷走する」清水崇監督に対して、オーソドックスながらも「手堅くゾクっとする」シーンが必ずある白石晃士監督!
…と言うのが、Jホラーを代表する両監督に対する《私の個人的なイメージ》なのですが、本作も前半は手堅く怖いシーンで構成しつつも、「怖さに慣れてくる終盤に向けて」は 物語の中盤で転調して 作品のテイストを変えてくる、白石晃士監督らしいホラー作品であったと感じました。
【ストーリー(脚本) & 演出】
[ぶっ飛んだキャラクター造形]や[物語前半の救いの無い(容赦無い)展開]など、全体としては《押切蓮介テイスト全開》なストーリーであったと思います。
その原作を基に[白石晃士]&[安里麻里]両氏が脚本を起こし、B級感はあるものの「実写化映画として充分なクオリティの作品に仕上げてきたなぁ」と感じました。
脚本評価★★★★☆(実質☆3.5です)
演出評価★★★★☆(実質☆3.5です)
【キャスティング(配役) & 演技】
邦画ホラーの[俳優の演技]を観て毎回感じるのは「普通に演技されると ホラー映画としては大人しくなり過ぎるし、かと言って大袈裟な演技だと わざとらしいし」と言う事なのですが、本作では俳優の皆さん 素晴らしいホラー演技でした!
中でも特に《根岸季衣(ねぎし としえ)さん》は 予告編を観た時から「これは絶対 婆さん無双 来るだろ」と思っていたのですが、私の想像を遥かに超える演技で [根岸季衣無双]と言っても過言ではない大活躍でした!
あと もう1人注目なのが『主人公と同じ学校の女子・住田』を演じた《近藤華さん》です。あの状況で「あのトーンで話しかけられたら 普通に不安になるわ」って思いましたもん。
配役評価★★★★★
演技評価★★★★☆(ホラー補正で甘め)
【映像 & 音楽】
平均的な[邦画ホラーの映像レベル]には到達していたと思います。(予算規模の違うハリウッド作品と比べちゃダメよ)
音楽•音響効果も「おそらく殆どの人が 不満を感じる事は無いだろう」と思われるレベルであった かと。
映像評価★★★☆☆
音楽評価★★★☆☆
【総合評価】
このタイミングでレビューを書いておきながらなんですが、私が鑑賞したのは《公開初週の日曜日•午後の上映回だった》のですが、ほぼほぼ満席の状況で「えっ!? いくら日曜日だからって こんなB級感満載のホラー映画を観に こんなに人が集まるの?」と上映前は思ったものの、鑑賞後には「こういう作品にも きちんと注目が集まるのは良い事だよな」と素直に認められる作品でした。
「怖いか?怖くないか?」は個人差があるので明言はしませんが、多くの方に「面白かった」と感じて貰える作品ではある …と思われます。
【追記】
エンドロール後に「シーンは無し」なので すぐに離席しても問題はありません。