「悪魔祓い版ベストキッドと思っていくべし」サユリ ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
悪魔祓い版ベストキッドと思っていくべし
原作読んどきゃよかった、という気もする怪作。どこからが映画のアイデアかは知りたい気持ちになる。
そして確実な挑戦がここにある。そして面白いかつまんないかと言ったら面白いのだけど、まあ娯楽映画は本来こうしたものでいいのかもしれないな〜と思いながらエンディングで良いお話のようにすべてが丸まってる感じはなんなんだ、と思って笑ったりしていた。
冒頭引っ越してきた家族のあらかたが前半で次々と死に、ボケてた婆さんが覚醒してからがこの映画の覚醒でもあり、それが最大のアイデアでもあるのだけど、そのくらい前半が消化試合のようでまったく怖くも不気味でもない。後半戦に始まるテンションに近いのでかなり乱暴に、ガサツに進む。特に冒頭からセリフ含めて音がアフレコなのかわからないけど取ってつけたような大袈裟でフラットな出力でキツい。でもそのキツさに慣れてくる頃に本来のテンションでの物語(太極拳版悪魔祓いのベストキッド)がはじまる。
相手がもう霊なのかなんなのかもどうでもよくなるパットノリユキモリタばりの根岸季衣とラルフマッチ化する南出凌嘉のいきいきっぷりはとてもいい。とにかくお化け屋敷もののようにみえて、相手はどちらかというと悪魔のような設定で、かつベストキッドである、かなりの娯楽のチャンポンを観に行くつもりでいけば楽しめよう。 そうするとバチカンのエクソシストの先を観ているような気にもなる。
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