「長文失礼」コードギアス 奪還のロゼ 最終幕 扇さんの映画レビュー(感想・評価)
長文失礼
少ない尺に製作陣がやりたかった事を無理矢理突っ込んだ為に出来上がった中途半端な料理という印象。
OPやEDキャラクターや設定機体デザイン音楽から素材は間違いなく揃ってたのにあまり生かされずに終わった感。
ブリタニア共和国をここまで無能にする必要あった?仮にもあのシュナイゼルが中枢なんでしょ?
押され気味だった和平交渉の駆け引きの末に引っ張ってこられたカグヤの鋭さをそこで見せないならわざわざ返り咲いた意味は?あの短い演説の為?
日本だけの危機ならともかく世界規模での危機なら演説の適役はポジションを考えればナナリーかシュナイゼルで世界の士気を上げるべきだと思うけど。
ぶっちゃけ総指揮官ジノの配役も微妙。有能そうには魅せられてない。
「映像を巻き戻せ→なんだコレは…」
押された和平交渉→「非常に厄介に感じます」
ノーランドについて→「さぁ…昔から何考えてんのかよくわからん」
ジノである必要、なしw
まあR2の頃からわりと猪突猛進な脳筋キャラではあったけど。
任命したゼロかシュナイゼルが見る目ないって感じかな
ジノの魅力は前線で楽しそうに戦う部分でしょうに。
防戦で手一杯だったとはいえ本命であるノーランド討伐が完全にアッシュ&ロゼ頼みだけだったってのもね。
あくまでナナシの傭兵は共和国の指揮下でもないから?2人に対して何のバックアップも無しってアンタ。
秘密裏に進めていたシトゥンペバリアへの対抗策を例え未完成でもお披露目してノーランドに冷や汗かかせるくらいの見せ場はあって良かったろ。
というかエリアを武力占拠してるテロ国家への対抗策なんて共和国の軍事予算全部注ぎ込んででもしなきゃならない最優先事項だと思うが。
向こうは海中から悠々とコンニチワしてるのにw
国家ぐるみで不法占拠して好き勝手に日本人を虐殺してたのをマジで指くわえて見てただけなのかよ…
誰が許さないかってまずはスザクとナナリーがそんなもん放置してるわけない
設定に対するメタ的な突っ込みで無粋かもしれないけどブレイズルミナスや絶対守護領域を遥かに凌ぐ防衛力を持つシトゥンペバリアを開発する名もなき超天才がノーランドの配下にいたと?うーん苦しいな。
予算と時間さえあればロイド、セシル、ラクシャータならなんとか打開策を作れたんじゃないのかい?
例え完璧じゃなくても。
ノーランドが人類浄化したかった理由は?
そもそもシャルルが自身のクローンを作製しようとした経緯も謎。
アーカーシャの剣を使った計画に自身のクローンなんて使わんだろ。
というかマリアンヌならともかくシャルルがどうやってクローンに人格移すつもりだったのか。
あっさり退場したあのキャラの「ようやく僕たちは救われる」の意味は?
黒の騎士団にメールで情報をリークした理由は?
疑問ばかりですね。
キャラも掘り下げ不足が目立つ。
せっかくのハルカ&蛍雪がロクな活躍シーンもない。
中ボスのケツアゴに一撃くらわせて撤退させたくらいで結局敵のエース格が本気出したら一方的に蹂躙されただけでほぼいいとこ無し。
「エースはキミだ!!」
↑
立ち位置的には準主役級でしょ?
実力的にもメンタル的にも成長描いて視聴者をスカッとさせるシーンは絶対必要だったでしょうに。
ぶっちゃけ掘り下げが浅すぎてあのキャラと親子だったんだとか言われても
「ふーん、そうだったんだ」
としかならねーよ。
つーかあの形見の刀使えよ。
こういうパターンで何の役目も果たさない形見は珍しいw
カッコいい散り際を演出する為だけかい。
キャサリンに関してもそう。
自分にない強さを持っているサクラに胸を打たれて背中を押すのは良い。
でもそれだけじゃ主君のノーランドに刃を向ける理由には弱すぎるでしょ。
中立の立場にいたならともかく心酔してた相手よね?ノーランド様は
で、エピローグでは孤児院勤め志願とか何がどうしてそうなった?
かつてあの孤児院にいたとかの伏線もないよね?
共和国にしてみたらナラと共に大罪人扱いなハズだけどサクラ(サクヤ)が手を回して無罪にする代わりに社会奉仕活動を決められたとか?
表情的にはそんな感じでもないしなあ。
本当の強さというものを見つめ直したい→孤児院で働きます
うーん強引に解釈しても無理
つーか一瞬だけ差し込まれたあの思わせぶりな幼少期の重護夫妻?との回想は結局なんだったんだよ
脚本家がそのシーンを忘れたんか?
それとも視聴者が勝手に想像してねって感じ?いやー酷いね
描かなきゃいけない描写をいくつか完全に吹っ飛ばしてるよ。
終わってみれば反逆シリーズから1番優遇されてたのがまさかのニーナというね。
別にニーナは悪くないが反逆シリーズのファンからは扇と並んでヘイト集めてたキャラじゃん。
なんでこのキャラをこんなに優遇しようとしたのか意味がわからない。
「序盤でニーナをこんだけ優遇するなら今後はもっと反逆シリーズで人気だったキャラの活躍が期待できるなあ」
とか考えてた自分が悲しい。
というかこれなら話の大筋に影響も少ないダモクレス編は無くても良かったからその分他に尺使ってくれた方が良かった。
思わせぶりにC.Cがルルーシュに言った「戯れか?」がほんとにただの戯れであれ以降一切出てこないとか悪い意味で予想裏切りすぎでしょうが。
「ギアスなんて必要なかった」とアンタがギアスを与えたサクヤが後悔しかしてないのに世界に対してもサクヤに対しても叔父さんはなんのフォローも無しかい。
一歩間違えれば人類、というかアンタが大好きな妹さんにも危険が及んだんですけど。
「自分はもう理から外れた存在だから」
で傍観者に徹する事ができるような甘ったれたシスコンじゃねーだろキミは。
終わり方。
他の方のレビューにはちらほら「ギアスだからこの終わり方は仕方ない」
みたいな意見があるがそれは違う。
全く違う。
「撃っていいのは撃たれる覚悟のあるやつだけだ」
「ルルーシュ…お前は人々にギアスを掛けた代償として…」
↑
皇帝ルルーシュの死はルルーシュ自身が自らの死を以てしか描けないゼロレクイエムのシナリオだったからだ。
だからこそ登場人物も視聴者も全員が納得せざるを得ない「主人公の死」という内容だったわけで。
アッシュの死亡(今のところはそうなっている)に誰もが納得する理由なんてない。同列にしちゃダメ。
言いたいことはまだまだあるけど他の方も語ってる部分と被るし内容についてはこのへんで。
最後に作画。
バトルや機体作画は良かったがいくらなんでもサクヤの慟哭シーンみたいな重要な部分はサボるなや。
口しかパクパクしてなくて「えぇ…なにこれ…」ってなったせいで心情的に全然入り込めずに冷静になっちゃった。
超重要なシーンでしょうが。
題名通りです。
本筋の仕上がりもファンサービスも中途半端で1〜3幕から盛り上げたコース料理で最高潮の期待感があったメインディッシュが生焼けだったみたいな。
例えるならそんな感じですかね。
もしくは1〜3章が80点のハードルに対して90点を出してくれたからそのまま最終幕も90点ラインのハードルで構えてたら50点くらいで下をくぐってきたみたいな。
これは期待しすぎたファンの八つ当たりでしかないけどやっぱりサクヤに訪れた絶望的なシーンでの暗転で
???「違うな。間違っているぞ皇サクヤ」
をどこかで期待してたよね。
ノーランドが人類を虐殺した理由はそれとなく出てましたけど
強化人間ゆえ人類を見下した生理的嫌悪ですよ、だからこそのあの人間ルンバであってあなたも害虫がはびこってたら気持ち悪くて駆除したくなるでしょう?それですよ