ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワーのレビュー・感想・評価
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女も男も「男性の眼差し」で女を搾取している
「男性の眼差し」を名作映画から分析して読み解く、大学の講義みたいなドキュメンタリー
5個くらいの項目が挙げられて、進む。
主体subject/客体object (視点の設定について)
カメラ
ライティング
あと2項目くらいあったけど覚えてない
場面構成だったかな?
映画が切り取る視覚言語としての、女性の描き方によって、我々はブレインウォッシュ(洗脳)されていて、洗脳の結果として、女性を捉えている。男も女も。
で、それが映画産業における雇用差別、性的虐待・暴力と三角形を結ぶ関係である、と説明されていた。
ノートとってないからうろ覚えだけど。
映画に限らず、男性の眼差しによって望まれる女性像が余りに狭義で、その狭義な望まれる女性像に自分が含まれないことに、苦しんできた40数年。
そこまでは観る前から理解していたけど、何から「男に望まれる女性像」を受け取っていたか、具体的には理解していなかった。
このドキュメンタリーを観て、各種映像からいかに受け取っていたか、よくわかって震えた。
体のパーツのクローズアップ
カメラの上下、左右の移動にて体の線をなぞる視点
しわや汗やら現実味を感じさせない照明、、、
男性主人公の後頭部からのショットにて、登場する女は、見られる対象である(客体である)と規定しているということは、気にしたことなかった。
確かに、女は見るものであり、見るに値するのは、こういう美を備えた「もの」である、という観ている人、撮ってる人の意思を感じた。
スローモーションカメラによって映し出される男女差(女は完全に性的な客体、男はアクション)
誘拐した男を、優しいと被害者の女に言わせたり(バッファロー66 DVDもってるよ…)
若すぎる女の性の目覚めを現実のように描いたり(レオン わたしはナタリー・ポートマンと同い年…)
なんかも、現実を歪めるに寄与してるなって、実感した。
恐ろしいのは、男性の眼差しを、シスジェンダー・異性愛者の女である私自身が、だいぶ内面化しているってこと。
男性の眼差しで自分を見て、自分を女として不足していると思っている。
そして内面化した男性視線で、客体にされた役者を性的搾取している当事者でもある、というね。
私は性的搾取され、望む女性じゃないと排除されているだけじゃなくて、性的搾取の行為者でもあるのかと、頭を殴られるような感覚を得た。
これを洗脳と言わずしてなんというか。
女性主人公であっても(ワンダーウーマン、ブラックウィドウなど)、見られる対象として造形されているって、悲しい。でも違うとは言えない。
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