「いっそのこと、ED担当のグループメンバーに演じさせた方が伝説になったかもしれません」がんばっていきまっしょい Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
いっそのこと、ED担当のグループメンバーに演じさせた方が伝説になったかもしれません
2024.10.28 MOVIX京都
2024年の日本のアニメーション映画(95分、G)
原作は敷村良子の小説(1996年)
ボート部を通じて親交を深める女子高生たちを描いた青春映画
監督は櫻木優平
脚本は櫻木優平&大知慶一郎
物語の舞台は、愛媛県松山市
地元の三津東高校の伝統行事であるボート大会を見学していた転校生の梨衣奈(髙橋李衣)は、そこで途中で競技を諦めてしまう悦子(雨宮天)を見つけた
その後、梨衣奈が自分のクラスに向かうと、そこには悦子と彼女の親友の姫(伊藤美来)がいて、担任(中村早希)は彼女らに梨衣奈のあれこれを押し付けてしまった
梨衣奈は、父親の転勤でこの街に来たが、かねてからボート部に入ることを楽しみにしていた
だが、ボート部は人数不足で休部状態になっていて、ショックを受けざるを得ない
悦子は、隣のクラスにいる二宮(江口拓也)に相談すれば良いというものの、梨衣奈は共学に入るのが初めてで、男子とはうまく話せないという
そこで、悦子と姫が梨衣奈の手助けをすることになったのだが、クラブ活動には最低4人は必要ということで、悦子と姫が名前を貸すことになったのである
映画は、クラブ活動の再会をどこかで聞きつけた妙子(鬼頭明里)と真優美(長谷川育美)が加入し、その流れで悦子と姫が巻き込まれていく様子が描かれていく
三津東高校の伝統行事にボート大会というものがあって、それに勝つためにボート部に入った妙子と真優美だったが、結局はガチのボート部の大会を目指すことになる
大会で顔を合わせることになった港山高校の梅子(竹達彩奈)がライバル視することになるのだが、その実力差は天と地ほどの差があって、最終的には、梨衣奈達の実力も上がって、予選で接戦を繰り広げるほどに成長していく様子が描かれていた
かなり昔の原作で、これまでにアニメ化もドラマ化もされた作品で、なぜ今になって再アニメ化に至ったのかはわからない
おそらくはCGアニメとしての新しい試みのように思えるが、その意義はあまり感じなかった
映像は確かに綺麗なのだが、人物表現として適しているかは微妙で、常にゆらゆらとう揺らめいているのは実写ではリアルに感じても、アニメだとノイズのように思えた
物語は、やる気のない女子高生が心を入れ替えるというものだが、さらにやる気を失うエピソードとして花火大会のエピソードがあった
そこでは、おめかしして二宮に会いに行ったものの、梨衣奈と一緒にいるところ見ただけで嫉妬心を感じてしまう
その後もギクシャクしてしまうのだが、その恋愛感情はいつの間にか消えてしまい、回収されないのはモヤモヤしてしまった
恋愛要素自体は不要なのだが、花火大会のエピソードを入れると無視はできなくなる
なので、回収をしないのなら、無理にイベントを挟む必要もなく、何度やっても勝てないので無意味に思えたとか、それぞれの目標がバラバラで自然分解するとかの方がまだマシだったように感じた
いずれにせよ、若い女の子がキャッキャしているタイプのアニメが好きな人ならOKの作品で、それ以外の層には刺さらない作品のように思えた
エンディングは主役5人の声優が歌うのかと思っていたのだが、どうやら無関係のアイドルのようで、これまたプロモーションとして何がしたいのかよくわからなかった
せめてアイドルグループのメンバーに演じさせて、その集客をした方が結果は良かったと思うので、色々と大人も目論見が瓦解した映画なのかな、と感じた