「馬好き必見、ジャッキー・チェン最後?の相棒は最高でした」ライド・オン Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
馬好き必見、ジャッキー・チェン最後?の相棒は最高でした
2024.6.5 字幕 イオンシネマ久御山
2023年の中国映画
老いぼれたスタントマンと愛馬の友情を描いたアクション&コメディ映画
監督&脚本はラリー・ヤン
原題は『龙马精神』で「龍馬の精霊」という意味、英題の『Ride On』は「乗馬」「人の成功に乗じる」などの意味のある言葉
物語は、かつてスタントマンとして名を馳せていたルオ(ジャッキー・チェン)と愛馬チートゥ(チートゥ)の日常が描かれて始まる
ルオはコスプレをして、街角でパフォーマーとして生計を立てていたが、その実入りはほとんどなく、慎ましい生活を送っていた
借金苦に陥っていて、借金取りのダミー(アンディ・オン)からは馬を肩代わりにもらうと言われ、街角で大暴れして逃げるしかなかった
ある日、彼の元に弁護士のリー(シャオ・シェンヤン)が訪れ、チートゥの持ち主であるワン(ハオ・ジャンハ)が破産し、彼の財産を管理しているという
チートゥもその財産の一つになっていて、ルオは法学校に通っている疎遠の娘シャオバオ(リウ・ハオツン)を頼ることになった
シャオバオは恋人で新人弁護士のナイホァ(グオ・チーリン)を連れてきて、三人で対策を練ることになった
物語は、冒頭の市場で乱闘騒ぎが動画サイトにアップロードされ、かつての弟子ユエン(ウー・ジン)経由で映画のスタントマンに復帰する様子が描かれていく
それと同時に、ルオの活躍を知った友人ワン(レイ・ロイ)が映画出資者のホー総裁(ユー・ロングァン)を撮影現場に連れてくる
ホー総裁はチートゥを手に入れたいと思い、秘書(シエ・ホンシー)に実情を調べさせるのだが、そこで債務超過に落ちっているワンの存在を知ることになる
そして、法的な措置を経て、正式にチートゥを手に入れようを動き始めるのである
映画は、ジャッキー・チェンの集大成のような作品で、多くのスタントシーン&回想シーンが登場する
最終的にホー総裁の心変わりも「ジャッキーのスタントシーン総集編」を娘に見せられたからだが、一応は「最初から決めていた」などと意味不明な供述を繰り返していた
予定調和な物語であるものの、それで良いという内容なので、ジャッキー・チェンの映画で育った人にとっては最高の映画だったのではないだろうか
とにかく登場人物が多く、関係性を把握するのが大変だが、あまり気にしなくても良い感じがする
話の詳細は非常にややこしそうだが、法的な逆転劇が「終わってから気づく」というものになっていて、有能な弁護士がついていればあっさり勝っていたのかなと思ってしまう
ホー総裁が心変わりを決めたのがチートゥが動物の生存本能に抗うのを目撃したからであるが、それらのシーンをサラっと入れ込んでも良かったのではないだろうか
いずれにせよ、何も考えずにスタントすげえと思えればOKなので、ここまで馬が動けるのかと驚くのでOKだと思う
話よりも、どうやって馬を動かしているのかが気になる映画で、円盤が出るならメイキングの苦労話を披露してほしいと思った
馬が賢いのは知っているが、ここまで来ると中の人がいるのではないか?と思ってしまうぐらいえげつないなあと思った