劇場公開日 2024年11月8日

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「現実と非現実の狭間にある浮遊間」ルート29 だるちゃさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 現実と非現実の狭間にある浮遊間

2025年8月10日
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幸せ

癒される

綾瀬はるかがミニシアター系の作品に出演するという話題性に加えて、予告編で聴いたBGMが非常に印象的だったので、劇場で観たいと思いつつ機会を逃していました。
今回、DVDでようやく鑑賞ができました。
この監督の作品は、ルート29に対する興味からはじまり、まずはデビュー作の「こちらあみ子」をDVDで鑑賞したのですが、これがとんでもなく悲惨なストーリーだったので後味が悪くトラウマになっていました。
ルート29は、打って変わって、非常に不思議な浮遊感を持った作風で、何とも言えないほのぼのした後味でした。
ストーリー自体は現実なのでしょうが、いつの間にか非現実との境目が曖昧になり、いま目にしているものは現実なのか、それとも主人公の頭の中で繰り広げられる想像なのか、判別がつかなくなります。
途中で出会う登場人物も、生者なのか死者なのかさえ曖昧な雰囲気が、何とも言えない浮遊感を醸し出しています。
ある意味、死にゆく人から頼まれた人探しは、その過程において死にゆく人との出会いを誘い、死者への手向けなのかなという印象でした。
不思議な浮遊感をもった作品でした。

だるちゃ
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