愛はステロイドのレビュー・感想・評価
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女性の気持ちは難しい
クソのような人生の出口
最高でした。
暴力と家父長制の解体というテーマをこの角度から描くか!という発想の面白さの前に、ストーリー上の多少の難点はもうどうでもよくなります。
クールなクリステン・スチュワートと、
なんともかっこいいケイティ・オブライアン。
本当にボディビルをやっていただけあって、ポーズの取り方も堂に入っていて、大きな大会のわりにしょぼいステージ(今は盛んなボディビルも、1989年当時はあんなものだったのでしょうか?)でも、輝いていました。
まあ、ステージの途中でとある展開になりますが……
最後にジャッキーが……するシーンは思わず感動してしまいました。
日本にも「我が友、スミス」という女性ボディビルダーを描いた小説があるのですが、日本で映画化は無理か……
歪んだ愛のショーケース
リバウンド?!
予想通り、ジュリア・デュクリュノーの『TITANE』、コラリー・ファルジャの『サブスタンス』なんかと同系列の作品だった。単なるレズビアン&フェミニズム映画では目新しくも何ともなくなった昨今、ステロイド中毒に陥った女性ボディビルダーとジム従業員の性と愛をマッスルに描いてみせたA24特製スリラーである。
1990年生まれのミレニアル世代監督ローズ・グラスの長篇デビュー作『セイント・モード/狂信』も拝見させていただいたのだが、ミス・リードがなかなか効いてる力作スリラーであった。今作に関しては、中毒、幻覚、ゲロ、流血といった流行りの演出に固執しているせいか、スケールが逆に“小さく”なってしまった気がする。
エド・ハリス演じる毒父が体現する女性蔑視のマチズモにメラメラと敵がい心を燃やすフェミニストといった、A24ど定番のジャンル映画。筋肉もりもりのマッチョたち相手に、主人公のルーを演じる華奢な身体のクリステン・スチュワート一人ではあまりにも荷が重すぎる。そこで用意されたのが“女ハルク”ジャッキー(ケイティ・M・オブライエン)だったのだろう。
のっけから💩がつまったジムのトイレにクリステンの手を突っ込ませるグロいシーン。その後、血飛沫あり、ゲロあり、SEXありのサービス精神てんこ盛りなのだが何かが物足りない。ギリシャ神話に目配せした『TITANE』や、スタンリー・キューブリックに捧げたオマージュがなかなか面白い『サブスタンス』に見られる、“エログロだけじゃないのよ”的な+α演出(テルマ&ルイーズというよりもリンチのワイルド・アット・ハート寄せか?)が弱すぎるのだ。
“肝っ玉が小さい癖に大きいふりをする”マチズモを蔑んだ“大蔵大臣?”というよりは、ステロイドの打ち過ぎで自分が“ハルク”に変身する幻覚をみた中毒症女のお伽噺に終わってしまっている。ステロイドにしてもニコチンにしても恋愛にしても、一旦中毒に陥ったら死ぬまでやめられない人間特に女性の危うさ。食事制限と日々のトレーニングが物を言う厳格なボディビルダーの世界だけに、多分そのリバウンド(天に届くほどに)も相当激しいのだろう(推測だけどね)。
愛と狂気と肉欲の果て
■ 作品情報
監督 ローズ・グラス。脚本 ローズ・グラス、ヴェロニカ・トフィウスカ。主要キャスト クリステン・スチュワート、ケイティ・オブライアン、ジェナ・マローン、デイヴ・フランコ、エド・ハリス。製作国 イギリス、アメリカ。
■ ストーリー
1989年のアメリカの田舎町のトレーニングジムで働くルーは、ラスベガスでの成功を夢見る野心家のボディビルダー、ジャッキーと出会い、瞬く間に恋に落ちる。官能的なまでに惹かれ合う二人の関係は急速に深まるが、ルーの父親は町を牛耳る凶悪な犯罪者であり、姉は夫からのDVに苦しんでいた。やがて、ジャッキーがルーの家族の抱える闇に巻き込まれていくことで、二人の愛は予期せぬ暴力と犯罪へと引きずり込まれる。甘美な恋物語は一転、先の読めないスリラーへと変貌していく。
■ 感想
序盤はルーとジャッキー、二人の女性の間に芽生える官能的な愛の物語に目を奪われます。お互いを激しく求め合う姿は、なかなか刺激的です。このまま情熱的なラブストーリーが展開されるのかと思いきや、物語は予想だにしない方向へと舵を切っていきます。
ジャッキーの暴走をきっかけに、一気にスリラー展開へと加速します。そのテンポのよさに目が離せなくなります。杜撰で行き当たりばったりにも映る二人の行動は、まるで激流に飲み込まれるかのようで、次々と巻き起こる出来事に翻弄されるばかりです。
そして終盤にかけての怒涛の展開は圧巻です。ルーの複雑な家族関係や過去の出来事、タバコへの依存、かつての恋人デイジーの存在といった、序盤から丁寧に張り巡らされた伏線が見事に回収されていく様はなかなか小気味よいです。もはや平穏な結末など存在せず、愛を貫くために全てを投げ捨て、逃避行へと身を投じるルーとジャッキーの姿に、なんとなく心を揺さぶられます。彼女たちの未来に明るい光が差し込む保証はどこにもありませんが、それでもこの二人の時間が少しでも長く続いてほしいと、願わずにはいられません。
はっきり言ってルーとジャッキーの行動にはちょっと共感しかねたり、物語の展開にちょっと引っかかったりする部分はあります。しかし、主演のクリステン・スチュワートとケイティ・オブライアンの熱量が、そのすべてを薙ぎ払って物語を力強く牽引していきます。まさに愛はステロイド!
展開が読めないストリー。
ポコペンポコペンダーレガツツイタ
愛はステロイド(映画の記憶2025/8/29)
久々のA24ということで、期待と不安が入り混じったこの感覚を解消すべく観に行ったわけで。ストーリーはぶっ飛んでいるがちゃんとまとめてきたなという感はあり。ただこれは好き嫌い分かれるなという印象。
演技よりもケイティオブライエンの肉体がすげぇの一言。あれもCG入れてる部分あんのかな?ただ元がやべぇから加工されてても気にならん程度かもしれん。
エドハリスは役的にマッチしてるな・・・なんか向こうのゲームキャラでいそう。
邦題「愛はステロイド」原題「Love Lies Bleeding」まぁ日本人的には邦題の方が引かれるか。どちらも作品意図は伝わるし。
すげぇ評価高い人もいるだろうけど、すげぇ評価低い人もいそうだが、80年代後半辺りの設定感とかよくできてたなぁと思い作品の作りこみは良かったのでそれなりの評価
(5.5点/10点中)
70点ぐらい。バンドガールみたいなクリステン
クリステン・ステュアートが攻める!
昔はトワイライトシリーズでロバート・パティンソンと一緒に「厨二病のガキ共が大好きなアイドル女優」とのレッテルを貼られていたクリステン・ステュアートも今ではインディーズ映画の女王ぐらいにはなったんじゃないだろうか。それぐらいには普通の映画になかなか出演しない!笑
彼女のそういった尖った姿勢を支持したい。
前にもクィア物に出演してるので女性との絡みも何の違和感も無いしガンガンに攻めててちょっと笑ってしまった。いや。相手役のケイティ・オブライアンも頑張ってるんだけど明らかに攻め負けしてるよね。恐るべしクリステン。
しかしこのケイティ・オブライアンという女優は初めて見たがこの役のために生まれて来たんじゃないかと思うぐらい完璧だったし中毒性のあるキャラクターになっている。顔立ちも確かに80年代にとてもモテそうな顔してる。なんて美しい筋肉、そして目力。素晴らしい女優。
エド・ハリスはいつも通りって感じでしょうもない禿げロン毛が面白かった。あと最近頑張ってるジェームス・フランコの弟が兄にそっくりなイケメンだった。作品のノリ的にはよくあるA24系って感じで「何故ただ普通にやらない?」と思うひんまがったストーリーの流れだが今作は音楽の良さもあってしっかりとノスタルジーを感じられる作りになっている。何よりも主役の二人がとても魅力があるから新しいクィア物の傑作を見た気分になれる。あとエンディングがとても最低でなかなか良い。このエンディングで星を増やした。ドリーミーな映像表現も素敵だったしやりたい放題なとこも含めて愛しい作品だった。もっと派手でも良かったかなとは思ったがそこはA24だから仕方ないかって感じ。個人的にはあまり好きな作品は多くない会社だが今作は良かった。
ポイントが高いルーの“後始末力”
今週の1本目はA24作品『愛はステロイド』。すっかりと定着した感のある多くの“A24作品ファン”に囲まれ、公開初日にTOHOシネマズ日比谷にて鑑賞です。
なお、シンプルながらちゃんと引っかかりがあり、しっかりと記憶に残る邦題はナイスアイディア。一方、原題は『Love Lies Bleeding(愛は血を流す)』で、これはこれで観終わって解る“本作のテーマ”をストレートに表すタイトルですが、そもそもどんな映画かと言えば、想像をはるかに超えるようなトンデモな展開が連続にもかかわらず、ストーリーは破綻せずに最後には見事に終着してしっかりと面白い。多少は目の覆いたくなるようなシーンもありますが、そこはA24お馴染みに行き過ぎていて思わず笑ってしまいます。そして、スリル感は申し分なくハラハラドキドキで最後まで目が離せません。
と言うことで、総評から入れば“褒め一辺倒”に聞こえると思いますが、今回も前情報を全くに入れず鑑賞を始めてみて、正直なところ序盤では作品の方向性が掴み切れずに心配もしました。ところが、ジャッキー(ケイティ・オブライアン)を見染めたルー(クリステン・スチュワート)が、お近づきの印に勧めた“マクガフィン”による“変化”を示すサウンドエフェクトが大変に効果的で気味が悪く、その都度にスクリーンの向こうに嫌な予感が充満して気が付けば夢中に。そして、中盤に起こる事件をきっかけに加速度的にヤバ味が増幅し、大変に焦りながらも最善策を取ろうとするルーの“後始末力”もあって、決着がつくまでの展開に無理筋を感じさせません。
そして、全体的なルックも当時(1989年設定)そのものに見えて(行ったこともないアメリカに)既視感すら感じますし、主演の二人の素晴らしい好演は勿論のこと、嬉々としてヤバい爺を演じるエド・ハリス、如何にも薄っぺらそうなイケメン役は鉄板のデイヴ・フランコ、粘着質強めで厄介な存在が板についたアンナ・バリシニコフ等々、キャストが皆イメージ通りのキャラクターという点においても優秀で違和感は全くありません。更に、上映時間104分と言うコンパクトサイズもありがたい。と言うことで、前半に感じた不安もなんのその。思いもやらぬ“最終決戦”のギミックには最早驚きを越え、思わず吹き出してしまいました。天晴れ!w
運命のように出会い、すぐに惹かれ合うルーとジャッキー。それまで夢を追いつづけることこそが自分の人生の意味だった真っ直ぐなジャッキーにとって、ルーから得られる“強い魅力と刺激”に抗い切れず、ジャンキーと化して次々と事を起こします。そして、そんなジャッキーに戸惑いつつも結局は一番に思って決意するルーもまた、過激な状況の連続に最早麻痺してジャッキーの暴走を受け止めます。いやはや愛って何なんだ…w
いやいや、面白かった。A24×ハピネットファントム・スタジオ、次回も期待しています。
確かにあの時代って後ろの髪の毛だけ長かったw
80年代後半のニューメキシコが舞台。
かつて父親の犯罪に手を貸し、今はトレーニングジムで働くやさぐれたゲイのルーと、宿無しで体を売ってその日暮らしをしているがコンテストで優勝しカリフォルニアでジム経営を夢見るボディビルダーのジャッキー。
2人は恋愛関係になり、ステロイドを打ちながらも一緒にジャッキーの夢をかなえようとしていたところ、ルーの家族の問題からジャッキーが次第に制御不能となり、ルーも後始末に奔走するが事態は最悪の方向へと向かっていくという、なんちゃって「テルマ&ルイーズ」かとんでも「超人ハ◯ク」?
吐瀉物、糞尿、薬物、暴力、(レズビアンの)性交シーンなどがストレートに表現され、意図的に不快感を覚えさせる描写をふんだんに織り込んでいるのは嫌いではない。
細かい説明を求めてはいけない類の代物だが、と言ってものすごくぶっ飛んでるかというとそこまでではない感じでもある不思議な作り方。
一部にはどこから現実なのかファンタジーなのか解釈が難しい部分があるが、突き詰めずに見た目をストレートに受け止めて楽しむ事にした。
エド・ハリス、髪型は置いておいて、久しぶりに見たけどやっぱり雰囲気あるなあ。
全104件中、81~100件目を表示













