「神話なき里で生まれた20世紀発祥の神話? 脚本/演出付きの壮大なほら話? みたいな感じでそれなりに楽しめるB級映画」愛はステロイド Freddie3vさんの映画レビュー(感想・評価)
神話なき里で生まれた20世紀発祥の神話? 脚本/演出付きの壮大なほら話? みたいな感じでそれなりに楽しめるB級映画
え、そう来るか、という予想外の方向にストーリーが展開してゆき、それが転がり始めると、まあ、そう来るだろうな、と既視感のある方向に進み、その後にまた、え、そう来るか、という予想外の展開が待っているという、なんだか変てこりんなサスペンス•スリラーです(と、そんな風に簡単にジャンル分けもできないのですが)。
アメリカの片田舎の街みたいなところで物語は展開してゆきます。なんだか古臭い感じがするなあ、誰も携帯電話、使ってないし、と思っていると、劇中のTVがベルリンの壁が崩壊寸前だった頃のニュースを伝え始め、この物語の現在が1989年であることに気づきます。この近過去の設定がけっこうはまっていて、世代が一つ前の人たちの都市伝説感に繋がっているのかなと思いました。また、なんとなくアメリカの西部開拓時代からの伝統のトール•テール(tall tale)の香りがします。もちろん、この作品には様々な要素がぶち込まれていて素朴な話ではなくなってるんですけど、焚き火を囲みながらの席で、わけ知り顔のおっさんが語る、「ちょっと前に、こんな話があってなあ……」から始まる与太話、ほら話の類いが根っこのところにあるのでは、と思いました。
タイトルにB級映画と記しましたが、映画業界でB級という単語と相性のいい言葉に「ジャンル映画」という言い方があります。でも、この作品は、え、クィアのラブ•ストーリー? え、サスペンス?、コメディ?、ノワール?……とジャンル分け不能で(それが冒頭に書いた予想外の展開に繋がっています)、従来型のジャンル映画の方程式の外側にいるような感じです。まあ、ぶっちゃけて言えば「変な映画」なんでしょうかね。こういうのが大好物だという映画ファンは一定数いそうですが、私の場合はアメリカ系の変よりヨーロッパ系の変のほうが好きかなぁ、と自分でも何言ってるか、訳がわからなくなってきましたので、私の映画鑑賞のセンスでは処理しきれませんでしたとして、真ん中の点をつけて失礼します。
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