八犬伝のレビュー・感想・評価
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ラストが駄目
これ大作ですね!素晴らしい
面白かった‼️
あるレヴューに「虚構パートの物語部分の特撮が漫画っぽくてちゃちい」と書いてあったのを読んで不安に思ってたけど、え?どこがちゃちいの?凄いやん。
今から200年前、江戸時代に滝沢馬琴により執筆された【八犬伝】を映像化すると同時に、28年に渡り98巻106冊の大作を書き上げた執筆生活の中の苦難を並行して描く。
盟友の画家 葛飾北斎を内野聖陽。
サラサラと描く挿絵が素晴らしい。
晩年の富士の絵もさすが。
「正直に生きる者が苦しみ,悪がのさばる世の中だからこそ、【正義は勝つ。悪は滅びる】という物語を私は書き貫きたいのだ」と語る馬琴。
当時の庶民に多く読まれた彼の物語は、単なる娯楽を超えて、人々に生きる希望をもたらしたのでしょう。
里見家に降りかかった怨念をその命をもって守ろうとした伏姫(土屋太鳳)と、その剣士「八犬士」たちが運命に導かれて、まるで「七人の侍」や「マグニフィセント・セブン」みたく次第に集まり結集する、因縁の闘いのスペクタクルが心躍るし、みんなそれぞれキャラクターもアクションも魅力的だし、その物語自体の「虚構」パートと、作者の現実世界の「実」パートが絶妙に映し出され、どちらにも引き込まれる。
馬琴役は役所広司だからもう間違いないわけで、安心して観ていられるし、内野さんとの掛け合いも粋。息子役の磯村くんとその妻役の黒木華も好きな俳優。寺島しのぶさんと栗山千明、怖かった(笑)
2時間半だけど、全く飽きずに間伸びもせずにずっとワクワクしていました。
そしてラストシーン・・・
まさに「虚」と「実」の融合。涙
邦画の当たり🥇に出逢えました。
おすすめします。
虚とは実とは
人形劇の記憶
八犬伝というとNHKの人形劇のイメージが、それも最初の頃の
一番印象に残っているのが坂本九さんのナレーション?「さもしい浪人あぼしさもじろう」
本作にも序盤に「あぼし」さん出てきました
(劇中劇=虚のパート)
テンポよくスッキリとした流れでいい感じです
もちろん実のパートがなければ少し物足りないかも知れません
そもそも里見の殿様が「武士に二言」があったために自ら災いをもたらした訳なので、冷静に考えて自業自得なのです🙇♂️
最初に玉梓さんかわいそうだとかバカ殿何やってると思ったら、その後の展開に感情移入できなくなるので、そこは伏姫・八房・浜路さんの方がもっとかわいそうだと思ってラストまで観ましょう(笑)
栗山千明さんの玉梓よかったです
既視感があったのは夏木マリさん(1983年の映画の玉梓役)に似ていたからかも
(作り手側の物語=実のパート)
馬琴さん北斎さん家族に友人達の話なのですが、安定感がありすぎて虚のパートとの切り替えが何故かしっくりこなかったです
最後にクレジットで流れる路さんが重要な役割を果たした完成秘話をメインにし、テンポよく短くしてナレーションで補うなどの工夫があってもよかったのではと感じました
詰め込み過ぎ
なぜ馬琴が、目が見えなくなっても八犬伝を完成させたのか。
「ひとつも悪を為していない息子が、なぜ報われないのか」という想いが、「正義は美しい」「正義は最後に必ず報われる」と叫び続けさせたということなのでしょうか。
それは、鶴屋南北との会話の中でも表現されていますが、南北がいう通り、理不尽が世の中だし、正義が報われるとは限らない。
それを馬琴先生がどんな風に自分の中で昇華させたのか、イマイチよくわかりませんでした。
2時間ちょっとじゃ無理ですよね(^^ゞ
しかし、役者さんが豪華。
馬琴の役所広司、北斎の内野聖陽はもちろん、アクセントとして登場する妻役の寺島しのぶ、そしてなんといっても路女役の黒木華さんでしょう。
黒木さんは、武家の娘役をしたら、本当に美しいと思います。
眼福眼福。
八犬伝の物語を、ダイジェストじゃなくしっかり観たくなりました。
八犬伝って、みんな知ってるのね
ダイジェスト的ではあったけど満足感あり
【虚】南総里見八犬伝のストーリーと【実】滝沢馬琴の人生、両方やるのに上映時間150分、かなりの詰め込みが予想されて、
八犬伝部分はダイジェスト版、馬琴部分は中途半端になってるんだろうなと思いつつ鑑賞。
八犬伝は大昔に読んだので全体の流れは把握しているものの、細かい内容はさすがに忘れていた。それを思い返しつつ、再現部分を楽しく鑑賞。予想通りキャラクターの掘り下げは浅めでストーリー展開も飛躍ありつつのダイジェスト版ではあったものの、八犬伝の魅力を知るには充分だった。
悲劇の姫君、八つの宝玉の力に呼ばれ集まる八人の剣士、ハラハラする戦闘シーン、仲間、運命、友情、勇気、戦い、勝利。江戸時代にこんながっつり本格派ファンタジーかつ王道少年漫画みたいな作品が書かれ、大衆に人気だったなんて、改めて考えても感慨深い。
学生時代とくに日本史や古典が好きで力を入れててまだ覚えてたので、鶴屋南北やら渡辺崋山やら出てきたときすぐに理解でき、あのころ勉強がんばってよかった〜と謎の自己肯定感が生まれた(笑)
でも、八犬伝部分よりも、馬琴の物語が印象に残った。
しっかり髷結って、いつもきちんとした格好で、生真面目で子育て頑張ってて、頭固そうで「戯作を書くのは生活のため」な偏屈な馬琴。
ざんばら頭に汚いラフな格好、駕籠は嫌いでどこまでも歩き、子どもは放任、「絵を描くのは絵が好きだから」な自由人で変人な北斎。
なんで仲良くなったんだろう(笑)な二人だけど、やっぱり芸術を愛する、創作に人生を捧げるという共通点があるからなんだろう。どんなに性格が正反対でも、信じる道が同じなら理解しあえる。ここもまた王道な少年漫画チック。
でもそれだけでなく、天才作家を支える周囲の献身、我が子を看取るという最大の悲しみ、老いや衰えや病と戦いながらも最期の仕事に全力を注ぐ姿は、ホームドラマでもあり大河ドラマでもあり。
もちろん、とんでもない分量の内容を含んでいるだけに虚も実もダイジェスト的ではあったものの、満足感のある映画だった。
大人から子供まで楽しめる娯楽大作に仕上がっていたと思います。
ジジイ2人が朝っぱらから、狭い部屋にこもって何やってんだか……
滝沢馬琴と葛飾北斎のかけあいと八犬伝の物語が交差する。2人が老いて...
虚と実
「里見八犬伝」をおさらいできたり、馬琴がどんな背景で書いていたのか思いを馳せたり、楽しい2時間半でした(当時テレビで観たと記憶する、薬師丸ひろ子さん主演の作品から41年も経っているのにビックリしました)。馬琴と北斎、馬琴と南北のやり取りが作品を光らせていました。最後の演出は少しやり過ぎでは?と感じましたが。
家族との接し方、仕事との向き合い方みたいなものを考えさせられました。
「南総里見八犬伝」が28年という年月をかけて書かれていたことも、代筆によって完成していたことも知りませんでした。馬琴がどんな「実」を見据えながら、どんなことを目標に「虚」を書き上げたのか気になりましたけど、今となっては「実」のところは誰にも分かりませんよね。
ただ、代筆したお路だけでなくいろんな人の協力があって生み出された作品であること、それが何百年も読み継がれていることは間違いない「実」で、馬琴は読み手の想いをきちんと理解していたってことですし、こんな生涯、仕事ぶりは羨ましくもみえました。様々な出来事を経て周りの人の協力があって書けていることに気付けた馬琴が、北斎に「絵になる」と言わせたんだと解釈しました。
ちなみに、鑑賞を終えた直後にLAドジャースのワールドシリーズ制覇というニュースに触れ、すべてを手にしたようにも見える大谷さんがこの先どんな目標を持って仕事に望むのか気になったりした、10月31日でした。
よかった、よかった~👏
創作の喜びとは
八犬伝のほうは、支離滅裂になりそうなところ、
よく短時間でまとめたなぁという印象でした。
セリフで状況を説明しなければならないのは仕方のないところ。
飢饉のときに相手を支援したのに、逆の立場になると攻めてくるとはひどい。
犬がモフモフで可愛かったです。
馬琴のパートもそれぞれのキャラがいい味を出していました。
交友関係とか結構史実に基づいていたのですね。
忠臣蔵の対極にあるものとして四谷怪談がでてきましたが、
里見八犬伝の監督だった深作欣二さんの作品にも忠臣蔵外伝 四谷怪談
というのがあるのですね。
四谷怪談は忠臣蔵のスピンオフだったとか。知りませんでした。
調べてみるとなかなか面白いです。
虚と実の論争。八犬伝が虚で馬琴の生活が実ということでしょうけど、
楽しみは虚に結び付きやすく、実を感じるのは苦しいときが多いですかね。
楽しみの種を虚の中に植えながら、その実(み)を実(じつ)のなかに花開かせたい。
浅はかながら、そんなことも少し考えさせられました。
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