八犬伝のレビュー・感想・評価
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虚と実の作りの差が…
映画館で観てきました。
時間めちゃ長いのね!
それもそのはず、八犬伝の虚構とその作者の滝沢馬琴の実の物語を交互に描く。なかなか面白い手法だと思った。
個人的には、滝沢馬琴の実の物語がとても面白かった。登場人物は少ないものの、それぞれ個性があり、里見八犬伝が完成されたんだなと感じた。
一方で、その作品の八犬伝が拍子抜けだ。若者を使い、何だか8人の個性もいまいちない。そして芝居が臭いし、格闘も何だか子供騙しのよう。
元々、80年代の薬師丸ひろ子と真田広之の里見八犬伝が大好きだったので、期待してた分残念でした。
ただ、虚が実になるところは良かったなぁ。馬琴さん救われたんだなぁとしみじみ。
という事、面白いと冷ややかな両方な気持ちで観ていた映画でした。そういう意味でも2つを味わえる面白い体験ではありました。
不思議なお話
やはり 役所さんは素晴らしいと思いました。
八犬伝のような物語はどこかファンタジーぽく感じて、苦手意識がありましたので、今回初めて八犬伝を知る感じでした。
役所さんの滝沢馬琴、内野さんの葛飾北斎、黒木さんのお路の現実がそのファンタジー感をいい意味で幻想的にしてくれました。
ただ八犬伝のお話であればこんなもんかと軽く納得してしまいそうですが、現実を演じる俳優陣がとても深く重みがありました。
怨霊を打ち倒し、八犬士の前に伏姫が現れるシーンでは、八犬士たちが仔犬に見えました。
滝沢馬琴の最期も、八犬士たちに支えられるようなかたちで遂げましたが、そこでも八犬士たちが仔犬のように見えました。
やはり役所さんが演じる重みというものが、何倍もその映画を面白くすると改めて感じました(。'-')うん
思っていたのと、全然違った でも、とても良かった
ハンネのseiyoは内野聖陽様が大好きだった頃につけたハンネ
聖陽様を拝みに行ったしだい。
今日は朝イチではなくて、15:30からのスタート
お腹いっぱいでなおかつ、長尺で心配したが、何とかトイレも大丈夫だった。
里見八犬伝と言えば、山田風太郎氏。
子供の頃は魔界転生や忍法帖シリーズは好きで読んでいた。
比較的近隣に里見氏ゆかりの、里見公園がありこちらも何度か足を運んだ。
そんなわけで、山田風太郎氏の独特な感じの映画かと思っていたら、良い意味で全然違っていた。
パートが2つに分けてあり、上手に分けていた。
28年かけて、八犬伝は完成したらしいが
年月の経過を役所広司さんと聖陽様の外見で
表していた。
聖陽様のおじじぶりが演技とは思えなかった
素晴らしい👏
長尺のためか、途中せきを立つ人多数。
そのためか、エンディングロールは誰もせきを立つ人がいなかった
ビックリ!
とりあえず、テーマは
親子愛ですね
虚と実の交錯
八房と役者さんたちはよかったです
やはり深作欣二作品の里見八犬伝の印象が強く、
え、ここで❓急に親兵衛⁉️
と、ビックリしました💦
が、観てる途中で、あ、滝沢馬琴が主役なんだね、里見八犬伝と比べちゃいけないんだなと思いました。
でも、闘いのシーンはもっとメリハリが欲しかった。
しかしたしかに、タイトルが滝沢馬琴だったら観なかったかな。
タイトルなし(ネタバレ)
虚実をテーマに、滝沢馬琴近辺の実部、八犬伝の虚部をうまくまとめてたなと感じました。
・衣装などリアルな実と、衣装など明らかに作られた虚
・家族間がうまく行かない実と、八犬士がうまくそろう虚
など、細々と虚実の対比があったのはよかった。
拍子木がなくなり、正義が報われるとは限らない実と、正義が報われる虚がいつの間にかいっしょくたになっていくのはおもしろかった。
ラスト息子・おみちの正義が、作品完成という形で報われるのも虚実合わさった故にという感じ。
まぁ、ラストはもう少しどうにかできた気がするけど、八犬士に囲まれた馬琴の笑顔は1つの虚実の合わさった形なのかな。
八犬士にワクワク
八犬伝と言えば、昭和生まれの私はNHKの人形劇「新八犬伝」を思い出します。坂本九さんの語りが軽妙で、辻村ジュサブローさん制作の人形は妖艶で、ちょっと怖かったです。あらすじは全く覚えていませんが、♪”仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌”の一節だけは歌えます。
そしてもう一つは、角川映画の「里見八犬伝」。信乃役の京本政樹さん(なんて綺麗な人、と思った)が「浜路!」と呼んだのが岡田奈々さん、美しい。踊り子(毛野)役は志穂美悦子さん、美しい。でも真田広之さんの役は覚えてなかったです(親兵衛でした)。主役が薬師丸ひろ子さんですからとにかく豪華で派手。ジャックが大暴れです。同じ深作欣二監督の「魔界転生」とちょっとごっちゃになっています。エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!
という事で本作ですが、角川映画でお馴染み山田風太郎さん原作です。ただ、角川の「里見八犬伝」の原作は鎌田敏夫さんなんです。どうりで主人公も話も違う、ややこしい。
滝沢馬琴が28年の歳月をかけて書き上げた「南総里見八犬伝」の創作エピソードと、本の中身の伝奇物語が交互に進んでいきます。葛飾北斎との交流が創作意欲を刺激して、壮大な物語が出来上がったという話です。
”虚の世界”と”実の世界”は同じ分量で描かれますが、どちらかに重点を置いた方が良かったかなと思います。私は八犬伝の方が面白かったです。磯村勇斗さんはてっきり犬士かと思ったら違いましたが、8人は良かったです。これだけの物を書いた馬琴は天才と思います。
実の世界の方は中途半端かなあ。北斎や鶴屋南北とのやり取りは面白かったですが、映画では創作に28年もかかった理由がよくわからず、一体どのくらいの分量の話なんだろうとウィキペディアをみたら、98巻106冊でした。それほど膨大なら、28年かかったのも納得ですが、生みの苦しみとかがもうちょっと欲しかった一方で、要らない描写が結構ありました。
本作では妻は悪態ばかりつき、息子は病弱だし影も薄い人物。馬琴も晩年は目が見えなくなって、息子の妻が字を覚えて聞き書きで執筆を引き継いだ話になっていました。
でも土岐村という苗字と路(みち)という漢字の名前を持った女性が漢字を全く知らないとは信じがたく、自分の夫が仮名を振った原稿を全て(その時点で数十巻あります)読んだなら、分からない字を聞く事はあったとしても、馬琴がへんやつくりを一から全部教えたというのは、大袈裟な作り話ではないかと思います。もし、「うちの嫁はろくに字も知らなくてね」なんて言われていたとしたら、お路さんがお気の毒ですね。
天才作家の話を無理に家族の絆みたいな話に持っていくこともないのに、と思います。
とはいえ流石は役所広司と内野聖陽なんですわ
鑑賞前は、現実シーンと物語シーン両方が入ってるって、結局どっちつかずの感じになってしまうのでは!?
と、若干の懸念や疑念を密かに抱いていたものの、観終わってみたら、全くの杞憂でした
現実パートは、役所さん&内野さんをツートップに、日本の誇る名俳優陣が有無を言わさぬ圧巻の演技
物語(虚)パートでは、新進気鋭の若手俳優たちが、銀盤上で縦横無尽に駆け巡り、颯爽と活躍
伏姫と八房が出ていくところは、もうちょっとどうにかならんかったん???と冒頭でちょっと気になったけど、それは小さいこと
いやはや、良いものを拝見いたしました
先に観た『十一人の賊軍』も良かったけど、こっちもよかった
両者で伝えたい最終メッセージは、最終的にどちらも同じ場所に帰結していると思うのだけど、全く違ったアプローチ。まさに正反対
同じ時期にこれだけの良質な作品を双方楽しめるというのは、良いものですなあ〜
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ちなみに、自分の観た回は舞台挨拶もあったので、以下自分用備忘録。
(読まれる方は、ネタバレ注意)
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登壇者は八犬士を演じた役者さん達(犬塚信乃・犬川荘助・犬江親兵衛役の御三方)と、曽利監督
登壇直後、監督の曽利さんが、信乃役の渡邊さんから花束を手渡されていて、感激してました (以前の舞台挨拶で役所さんと内野さんだけ貰っていて、羨ましかったらしいw)
以下、問答集
Q. 最近「はっけん(発見)」したこと。
A. (曽利監督) 最終シーン(音声無し)、実は役所さんはずーっとしょーもないクイズを出していて、それで役者達を笑わせていた
なので、最後の笑顔は、役としての笑顔ではなくて、演者さん達自身の笑顔になっている!
A. (渡邊さん) 親兵衛役の藤岡真威人君が凄く可愛いということ(笑)
何か発言がいちいち可愛いらしいw
それは確かに、壇上を見ていて自分も思ったww
Q. 信乃と壮助のキャスティングについて
A. (曽利監督) 物語中で兄と弟分のような立ち位置なので、リアルですでに親交があるから良いと思った。映画の中でも関係性をすぐに築いてくれると期待して
結果、思惑がピッタリ嵌まったそう
Q. 親兵衛役について
A. (曽利監督) 原作で親兵衛はもっと歳の低い役どころだったので、一番若い子として起用。
実際に撮影してたのが2年前で、その時まだ藤岡君は17歳だった (!)
今日の登壇を見ていても、本人も愛されキャラで末っ子の立ち位置で、やはり良く嵌まったとのこと
Q. 撮影中に印象に残ったシーン何か一つ
A. (藤岡くん) 自身の親兵衛登場シーンで、お馬さん(←)に乗って「お待ち下されー!」て言いながら出てくるところ
乗馬も初めてだったので、馬場での練習も含めて、楽しかったそう
(と、手先で馬の脚を真似ながら・・・うん、可愛いw)
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大ヒット御礼の文句に虚飾無し
とても楽しめました・・・!!
実の世界 虚の世界
■サマリー
作家の滝沢馬琴は、友人の絵師葛飾北斎に、構想中の新作小説について語る。
内容は、里見家の呪いを解くため、八つの玉を持つ「八犬士」が運命に導かれ終結、
呪いと戦うといった物語。
その内容に惹かれた北斎は、たびたび馬琴のもとを訪れ、話を聞いては、絵に描く。
そして、28年の歳月をかけ、完成を迎えようとするが、馬琴の視力は失われ、
執筆が困難となる。。。
■レビュー
1983年に公開された「里見八犬伝」は映画で見たし、原作も読んだ。
それから、40年余り・・・
覚えているわけがない!こんな話だったか?いや、こちらが本当の八犬伝?
と思いながら鑑賞。
といっても、それは八犬伝パート。
実はこの映画、馬琴が八犬伝を語り、執筆する馬琴パート(現実パート)と、
その八犬伝を描写する八犬伝パート(虚構パート)を行ったり来たり、
まさに虚実混交な作品。
中でも、馬琴と四谷怪談の作者である鶴屋南北が議論するシーンは
見ごたえあり。
文章(虚)が現実(実)を変えることができる。
その後、馬琴は勧善懲悪ストーリーを書き続けることに対し、悩み、
葛藤しながらも、八犬伝を書き続けていく。
そして、28年の歳月をかけ、作品は完結。
48歳から執筆開始、完結したときは76歳、晩年は視力を失いつつも、
息子の嫁に口述筆記してもらいながら、というのは、実話らしいです。
馬琴を演じた役所広司さん、北斎を演じた内野聖陽さん、
いまさらこの二人になにを言う。素晴らしすぎる、バツグンの安定感。
馬琴の息子は磯村勇人さん、その妻は黒木華さん、
このお二人もいろいろな映画に出ているけど、若いのに、すばらしい。
特に、黒木さんの義父、義母に寄り添う姿、執筆を手伝い、
筆記する姿勢に感動。
馬琴の妻は寺島しのぶさん、こわいわー、毒はいているわー、
こういう奥さん、いそうです笑
この映画では、八犬伝(虚)パートより、馬琴(実)パートの圧勝でした。
虚実のはざまで
タイトル八犬伝。
ここから、かの滝沢馬琴作、南総里見八犬伝の物語そのものを映像化したもの、とみる向きもあろうかと思われる。
かつて深作欣二監督、シナリオ鎌田敏夫、薬師丸ひろ子主演で映画化されてもいる。
今作は山田風太郎原作をベースにしているため、八犬伝そのものだけを映像化したものではない。
滝沢馬琴の実人生パート、劇中劇としての八犬伝パートを交え物語を進めている。原作未読ながらそのエッセンスを抽出しながら作られているものと思われる。
結論からいえば成功している面と、惜しい面が混在している。
上下巻ある原作を150分弱で見せ切るには、時間が足りないか。十分に長い時間ではあるが、キャラクターの掘り下げに今一歩深みが欲しい面。八犬伝の物語そのものの深みもまた
もうひと押しあれば、と思わなくもない。
しかしながら、この物語は作家が物語を創造してゆく苦悩、懊悩、実人生における犠牲をも描いており、深遠なテーマに挑んでいる。その点においては、滝沢馬琴その家族、挿絵を共に描く葛飾北斎との濃密な交流。鶴屋南北とのエピソード…など実人生パートにとりわけ、魅せるものがある。
映像であれ文字であれ、無から何ものかを創造することは生命を削ることに他ならないのだ、と強く思い至る。
それは比較対象にはならないかもしれないが、私たちみなが送る人生の時間も同様ではないだろうか…。
ベートーヴェンは慢性的な内臓の疾患に加え、40歳ころには耳がほぼ聞こえなくなっていた、という。
しかし第九など後世にのこる壮大な作品を残した。
馬琴も終盤盲目になりながら、口述筆記で八犬伝を完成させる。
監督曽利文彦、デビュー作ピンポンを漫画原作を忠実に映像化し、注目された。なかなかに魅せる。
滝沢馬琴に役所広司、さすがの演技。葛飾北斎に内田聖陽ひょうひょうとユーモア溢れる馬琴とのやりとりが素晴らしい。
寺島しのぶ、黒木華、と贅沢なキャスト陣。
物語パートの土屋太鳳、栗山千明。
中村獅童、尾上右近、立川談春…と。話題作に出演中の河合優実…豪華である。
VFXによる八犬伝物語にも見どころは多い。
80年代の深作監督作、山田風太郎という作家を再び浮かび上がらせた。その点においても意義深い作品である。
真面目に、実直に
戯作の八犬伝と現実の江戸を行ったり来たり
その構造は少し奇特だけれど、それぞれの内容は虚と実、創作と現実、正義と悪、という飲み込みやすい二項対立、或いは並立で構成されているので、ややこしくならずに分かりやすい
裏返すと、意外なことは起こらない
前述したように戯作の「八犬伝」と現実の「馬琴の生涯」を二本立てとして描くに相応の上映時間となっていることもあり、人によっては退屈を感じてしまうかもしれないので、その分の星を減らしてある
個人的には三夜連続放送の特別ドラマを一気見したような感覚だった
江戸時代の習俗や“滝沢馬琴”“葛飾北斎”“鶴屋南北”といったビッグネームは納得感のある解像度で手抜かり無く描かれているように感じたので、そこを楽しめるかどうかによっても評価は分かれそうだ
とても真面目に、実直に、滝沢馬琴という人を描ききった物語だったと思う
山田風太郎の小説「八犬伝」を役所広司主演で映画化。里見家の呪いを解...
山田風太郎の小説「八犬伝」を役所広司主演で映画化。里見家の呪いを解くため運命に引き寄せられた8人の剣士たちの戦いをダイナミックに活写する,,,内藤聖陽、寺島しのぶ、黒木華、磯村勇斗らが物語を引き立たせる、、いいね!
味わいがあった・・歳くったからかもしれんけど・・・
事前にレビューの評価を見たら前評判の割には低かったので、観に行くかどうか迷ったが、久々に味のある面白い映画を観たと感じた。最近の映画では役所広司さん主演の「PERFECT DAY」が印象に残っているけど、今回の映画、内野聖陽さんと二人の言葉のやり取りに味わいがあった。二人の話の中に、馬琴(役所)の妻(寺島しのぶ)が割って入るところが、まさに江戸の日常を感じさせた。そういった日常風景を描きながら、馬琴の創る八犬伝の世界が挿し込まれる。恥ずかしながら、南総里見八犬伝の話を僕は知らなかったんだけど、この映画を観て大体のストリーが理解できた。八犬伝の話になるとCGを駆使した、まさに虚構の世界、そして、戯作家としての日常に戻る。実生活では息子に先立たれ、決して幸せとはいえなかった馬琴が、息子の嫁(黒木華)の助力で八犬伝を完成させるというラストも胸震えるものがあった。"真面目にやってる奴が必ずしも報われない"という現実であっても、息子の友人渡辺(大貫勇輔)の「たとえ正義が虚であっても、貫いていけば人生は実になる」という言葉が強く印象づけられた。虚が実になる、虚構によって現実を深める、といった一本の背骨を感じる映画だった。栗山千明の狂気に満ちた迫力ある演技も目を惹く。
玉梓
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