八犬伝のレビュー・感想・評価
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役所広司!いい俳優陣、いいカメラワークとサウンド、演出、脚本・・・素敵な娯楽作品ですね!!
昨年の公開時に「面白そう!」と思い、観ようとしたがそのままになり見損ねた映画だが、最近AMAZON PRIME VIDEOで配信されたので早速見ることに・・
冒頭からの「八犬伝」の序盤ストーリー、とてもいい!小木茂光の里見義実も深めの演技で重みがあり、それを強調するための軽妙さをもって演ずる側近武将も良い感じ。土屋太鳳の伏姫も美しく、栗山千明の玉梓は情念と怒りを上手く出している。
そして、犬の八房に姫が跨って語るシーンは若干「この女優、犬に乗っちゃってる姫という構図に本音では笑っちゃってるな・・」と思わせる感じも、そのあとの「八犬伝原作者の脳内に浮かべる虚構から、原作者の実際の情景への切り替え」という映画の中でのややリアルからリアルへの場面転換を観客に気持ちよく解釈させる為に一役買っている。
役所広司の滝沢馬琴がまた実にいい!!Scitt’s Creekのユージン・レヴィっぽい表情も重厚且つ軽妙という娯楽作品向けの絶妙感のある存在感。良い役者だねぇ~~。
其の後も実に見どころのある、役者の演技やカメラワーク、音、演出が続くのだが、まぁ”ネタバレ”過ぎても何なので割愛・・・
「CGにもうちょっと費用かけられたらねぇ・・・」っと思うところが随所にあるが、それもまた「映画の中の更に馬琴の脳内の虚構の部分」か・・ということで寧ろ演出として納得できる!
兎に角、面白い、良質の娯楽作品です。最近のハリウッドよりずっと楽しめる!!
サイトなどにキャスト名が挙げられていない役者も含めて、皆いい演技してる!!緊迫感のある女性俳優陣、軽妙と重厚と気迫のある男性俳優陣・・・
カメラワークも良い、光の使い方、構図が良い、音楽、効果音も良い、
映画が始まったら、(家で見ていても)途中でトイレいけなくなりますよ・・・ホント😊💛💛💛
後でもう一回、そして妻と一緒に更にもう一回観たいと思います。
物語パートと実話パートでの構成が良かった
予想よりずっと良かった
やっぱり角川版が良い
老人馬琴の八犬伝秘話
虚と実の世界…
八犬伝の中のパートと創作する馬琴の現実のパートに分かれ、行ったり来たりするのだが混乱すること無く、上手く描かれている。八犬伝のストーリーを全く知らなかったので、それを知れただけでも楽しく、なるほどドラゴンボールだと思った。馬琴と南北の虚と実の世界に対する考え方、やり取りがハイライトであり、考え深かった。どちらも真実だと思う。しかし、その後28年かけて視力を失いながらも、己の信念を貫き通し、八犬伝を完成させた馬琴の思いはお路の奇跡的な助けも手伝い、実を結んだと思う。
虚と実を織り交ぜた馬琴の半生
八犬伝のストーリーと、作者の滝沢馬琴の半生が交互に織り交ぜられて進んでいく。
映画では堅物で偏屈な滝沢馬琴が、和風ファンタジー長編の元祖みたいな八犬伝を想い描けたのはすごいと思いつつ、現実での息子の死と言う救われなさとの対比が切ない。鶴屋南北のつじつま合わせの虚は無意味、と言う言葉と、渡辺崋山の虚でもそれを貫いた人生は実となる、的な言葉の対比も馬琴の悩みが反映されていて考えさせられる。ちょいちょい訪ねてくる葛飾北斎の自由気ままな空気感で程よく和める。
人生を賭けたライトノベル
八犬伝は20年以上前に見たアニメでなんとなく
知ってはいましたが、
その物語がどう生まれたかは知らなかったので、
滝沢馬琴とその息子そしてお路、葛飾北斎に渡辺華山と
錚々たる歴史上の人物が
その人生を賭けて作った物語と知って、
100年が経ち、これからも残って語り継がれて行く理由が
少し分りました。
ただ、この馬琴の物語に対して八犬伝の部分が淡々と
掻い摘んで描かれているため、八犬伝を知ってる人には
分かるのかもしれないけど、あんまり知らない僕なんかは
人生を賭けて描かれた物語が軽く見えてしまいました。
ただ、馬琴自身も虚を描いてるのかもしれない
と言ってたように、
八犬伝自体が勧善懲悪の戦隊ヒーロー物。
日本初の誰でも読めるライトノベルだったのではないかな?と思いました。
お路を叱りつける馬琴がめちゃくちゃ怖かったです。
役所広司さんの怒りの演技って物凄くリアル。
虚と真実が交錯した作品
①ファンタジーな八犬伝(虚)
②滝沢馬琴の生涯(実)
が交互に織りなす不思議な作りをした映画。
①の部分はCGありまくりの、ファンタジー時代劇
②の部分は名役者たちが演じる時代劇
で、場面転換があればすぐに気付けるレベルで系統が異なる。八犬伝パートから現実パートに行くと月日が過ぎていて、馬琴の置かれている状況にも変化があり、また、馬琴自身も段々歳をとっていく。
八犬伝パートはイケメンたちが前向きに闘う勧善懲悪なストーリー、端折られてはいるが、ちゃんと一人一人仲間を見つけて…というワクワクする展開はちゃんとある。どちらかと言うと、若者向けのような印象。
現実パートはさすがの役所さんと内野さん!部屋で会話したりやりとりする中での変化を自然に演じ、お互いが段々を老いていく姿も見事演じている。
印象的だったのは、馬琴の奥さんが、お嫁さんを睨んで死ぬところかな。「女」であることから、家族なのに夫と息子の絆に入り込めない、手を出してはいけない聖域だと思っていたのに、それに事情はあれどもお嫁さんが踏み入れているのを見て、死に際に、お嫁さんのようにしたかった想いと、お嫁さんに対しての嫉妬の「ちくしょう」という言葉だったのかな…と推測。
最後はこの交錯していたストーリーが、一緒になって…というよくある展開だが、それが自然で、馬琴の表情に思わず涙しそうになった。
実は虚であり虚は実で…
虚実の交わり
名作「南総里見八犬伝」とその作者曲亭馬琴の執筆の有様を織り交ぜて描くモキュメンタリ―風の新解釈。中でも、虚であったとしても勧善懲悪を理想として描く馬琴と現実の世の性悪説を描く「東海道四谷怪談」の作者、鶴屋南北の虚実の本質を語り合うエピソードは印象的でした。本作の深み、面白みの根源は原作者の山田風太郎さんの慧眼にあるとしてもTBSのCGクリエーターだった曽利文彦さんが脚本・監督とは大変な成長ぶり、お見事でした。
ただ、虚実を交えても映画の愉しみの本質は至高の虚でしょう、余り糞真面目に捉えずに少しは脱力、遊びも交えて作って欲しかった気もします・・。
水不足の地に
愛に溢れた実の世界
思いのほか良かった…。
作者の創作中の様子と、八犬伝の物語が交互になっていた。
なので、八犬伝の物語が途中で途切れるんだけど、どちらの物語にもちゃんと引き込まれる。
丁寧に丁寧に創られている感じがした。
奥さんの、お百があっけない感じがして、そこだけがちょっと気になった。
お百は、口うるさくて毒舌で、ひどい奥さんなんだけど、馬琴に関心がない訳ではなくて、嫉妬までしている。
馬琴はしんどかったろうな…と思う反面、お百のそれは愛情の裏返しにも思えた。
それとは対照的なお岩の夫。
その2つも裏返しで、逆さまに見えた。
義理の娘のお路も健気に馬琴を応援してくれるし、息子も馬琴思い。
北斎も足しげくやって来る。
馬琴の日常は愛に溢れているなぁと思った。
そして、最後は何だか涙が出てきた。
演者も物語も良かった。
映画館まで観に行って良かった。
The 山田風太郎
氏の小説で初めて読んだのがコレ。"虚と実"を繰り返しながら展開していく物語にワクワクしましたなぁ。それまでは実写化された忍法帖やら魔界転生やらだったのでエログロな印象強めでしたが、こんな方向もいけるのかと唸ったものです。この勢いで「柳生十兵衛死す」も実写化されないかなぁ。あれもめっちゃ面白いです。
今回の実写化はとにかく"実"パートの牽引力の凄まじさに尽きる。"虚の巻"が原作以上に駆け足で胸熱ゲージを溜めづらかったのだが、それを補完して余りある熱量。大河ドラマにして一年間眺めていたい位の濃密さでしたねぇ。"虚"のターンも駆け足を除けば(致し方なし)、"虚"をゴリゴリに落とし込んで「動く錦絵」の様に作り上げていたのが好感触でした。役者陣もフレッシュ溌剌で良かったですしね。MVPは勿論、宗伯くん。刺さりすぎて嗚咽漏らしちゃいましたよ。
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