「勧善懲悪ファンタジー!虚と実の狭間で藻搔く・・・」八犬伝 ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
勧善懲悪ファンタジー!虚と実の狭間で藻搔く・・・
八犬伝と言えば、国営放送の人形劇「新八犬伝」が大好きでした!(薬師丸ひろ子さんの「里見八犬伝」も面白いけど、ちょっと違うかな)
その八犬伝の映画化ですから、もう期待度マックス!ワクワクの鑑賞でしたが、見事に期待に応えてもらいました。メチャ面白かった!
元々が長編のお話ですから、一本の映画にまとめるなんてのは、所詮無理な話。
どんな風にまとめてくれるのかと思ったら、見事なダイジェスト版でした。
見所ばかりを実写化してくれて、ファンの一人としては大喜びです。
オマケにそれぞれの場面を繋ぐ馬琴と北斎のやり取りが良い。芸達者の役所さんと内野さんが28年間にわたる人生の縮図を魅せてくれます。
息子の死があったり、虚実の狭間で創作に迷いが生じたり、はたまた失明まで・・・
「南総里見八犬伝」のファンタジーに勝るとも劣らない現実のドラマが展開します。
いや〜、ホンっと面白かった。
ただ、「南総里見八犬伝」のファンタジー部分についてはどうなんだろう?
人形劇の「新八犬伝」で、ある程度の筋は分かっていたから、頭の中で勝手に補完してストーリーとして楽しめたけど知らない人は理解できたのかな?
八房に玉梓が取り憑いていたとか、犬山道節と浜路が兄妹だとか、本筋に離れたところが一切カットされていて、面白みが伝わるのかな。
出来たら、同じ役者さんで、虚の部分だけを3部作くらいで見てみたい気もする。
そうそう、役者さんと言えば、栗山さんの玉梓も最高でした。まさに悪の権化、オドロオドロしさ抜群です。ちなみに舟虫も、なかなか見応えありました。
仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌!
いざとなったら玉を出せ〜♪
懐かしいな・・・