劇場公開日 2024年10月25日

「栗山チア鬼ーーーーーーーー!!!!!!!!」八犬伝 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0栗山チア鬼ーーーーーーーー!!!!!!!!

2024年11月7日
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鑑賞方法:映画館

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2024年映画館鑑賞105作品目
11月4日(月)イオンシネマ石巻
ハッピーマンデー1100円

監督と脚本は『鋼の錬金術師』『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』の曽利文彦
監督のみは『ピンポン』『ICHI』『あしたのジョー』

曲亭馬琴の世界と馬琴が創作した八犬伝の世界のハイブリッド
両方とも良かった
里見八犬伝に集中したいのに度々滝沢家の所帯染みた与太話が出てきて興醒めする人は志穂美悦子の方をお勧めしたい
とは言え選挙速報番組と日本シリーズを融合したような酷いものではない
漫画ではよくある手法で途中に作者とアシスタントと出版社の担当者がやり取りする場面なんて珍しくない
Dr.スランプ時代の鳥山明なんてペンギン村の方にも度々登場し漫画のオチにもなる有様
正直言ってこの構成に最初は不満だった自分だが奈落で逆様の鶴屋南北の主義主張を聞き「なるほど」と受け入れてしまった
四谷怪談と忠臣蔵のハイブリッドといえば佐藤浩市高岡早紀共演深作欣二監督で94年に公開された『忠臣蔵外伝 四谷怪談』を思い出す

自分の勉強不足だろうけど八犬士を演じた8人の俳優があまりよく知らない
過去に観た事があるかもしれないが時代劇風出立のためかよく覚えていない若手俳優の面々
8人にはたいへん失礼な話だがくじらが「八犬士スターシリーズ」を披露すればゲスト審査員のYOUじゃなくても「誰?」と言いたくなるようなそんな感じ

八犬伝の世界の最優秀俳優賞はなんといっても栗山千明
あの世代であの迫力を出せる女性俳優は栗山千明において他に無し右に出る者がいない
栗山千明の真骨頂
煙のような巨大な顔もあんなCGでは力不足であれは栗山千明にしてほしかったくらい

栗山千明にはリメイクされた極妻の主演をやってほしいがまだ若いか
極妻じゃないけど夏目雅子みたいに「なめたらいかんぜよ」とか言ってほしいな

現実世界の最優秀俳優賞は人選に悩んだが病床に伏し死にかけてる宗伯を演じた磯村勇斗を推したい
だって役所広司寺島しのぶのような大物大先輩に黒木華のような国際的ちょっと先輩に囲まれてしっかり役作りして一世一代の芝居をやらなきゃいけないでしょう立場的に
東京に住んでいる方で共感した人は街で彼を見かけたら「宗伯!良かったよ」と褒めてあげてください

最期を遂げた馬琴を八犬士が迎えに来てくれるラストシーン
あれに八房がいたらまるでフランダースの犬の最終回みたいになってた

あと曲亭馬琴を演じた役所広司だが役作りのためかやけに太眉だった
馬琴の肖像画を見たことがあるがあんなに太くはない
一瞬片岡千恵蔵っぽかったがやはり役所広司だった
ちなみに専門家によると滝沢馬琴は間違いで明治以降何故かそう呼ばれるようになったという
本名の滝沢とペンネームの馬琴を勝手に掛け合わせたものだ
例えば北乃きいのことを・・・やめておこう削除されてしまう

配役
現実世界の登場人物
南総里見八犬伝の作者で人気小説家の曲亭馬琴に役所広司
馬琴の親友で度々自宅を訪れ会いに来る人気絵師の葛飾北斎に内野聖陽
馬琴の息子の宗伯に磯村勇斗
宗伯の妻のお路に黒木華
馬琴の妻のお百に寺島しのぶ
宗伯の息子の太郎に木下瑛太
宗伯の娘のおつぎに本田都々花
北斎の娘で絵師の葛飾応為に永瀬未留
宗伯の友人で画家で武士の渡辺崋山に大貫勇輔
江戸の地本問屋店主の丁字屋平兵衛に信太昌之
忠臣蔵と四谷怪談を融合させた劇作家の鶴屋南北に立川談春
民谷伊右衛門を演じた歌舞伎役者の七代目市川團十郎に中村獅童
お岩を演じた三代目尾上菊五郎に尾上右近

八犬伝の登場人物
孝の珠を持ち関東管領扇谷定正に名刀村雨を献上に向かう犬塚信乃に渡邊圭祐
義の珠を持つ信乃の使用人の犬川壮助に鈴木仁
智の珠を持ち女装し扇谷を狙う犬坂毛野に板垣李光人
悌の珠を持ち巨漢力士の犬田小文吾に佳久創
信の珠を持つ小文吾の乳兄弟の犬飼現八に水上恒司
礼の珠を持ち化け猫に取り憑かれた父親と戦う犬村大角に松岡広大
仁の珠を持ち神隠しにあった犬衛親兵衛に藤岡真威人
忠の珠を持ち浜路の異母兄の犬山道節に上杉柊平
道節の異母妹で信乃を慕う浜路に河合優実
安房里見家初代当主の里見義実に小木茂光
怨霊玉梓によっておかしくなった愛犬八房を庇い家来の誤射によって亡くなる義実の娘の伏姫に土屋太鳳
里見義実に処刑され恨みを持ち続け怨霊になった玉梓に栗山千明
神与家の老臣第一席の金椀八郎に大河内浩
八郎の息子で法師となって八剣士を探す義実の配下の金碗大輔に丸山智己
行き先々で八犬士の邪魔をする船虫に真飛聖
信乃の村雨を狙う浪人の網乾左母二郎に忍成修吾
関東管領の扇谷定正に塩野瑛久
扇谷家の重臣の河鯉権之佐に安藤彰則
大角の父で何者かに取り憑かれた赤岩一角に神尾佑
小文吾の父の犬田文吾衛門に犬山ヴィーノ
里見家の主君筋で信乃の主筋の足利成氏に庄野﨑謙
成氏に仕える執権の横沢在村に村上航
浜路の育ての親のひき六に坂田聡
道節の乳母のおとねに南風佳子
犬山家の元家臣でおとねの元密通相手の世四郎に下條アトム

野川新栄