「作者と八犬伝を同時に知れるお得な映画」八犬伝 ジュンヤさんの映画レビュー(感想・評価)
作者と八犬伝を同時に知れるお得な映画
滝沢馬琴と葛飾北斎が狭い部屋で雑談するだけの場面が何回もあるんですが、そこの会話が面白い。嫁との短い会話の中でも、馬琴の人柄や家族関係が分かるようになっていて上手いなぁと思いました。
「八犬伝」パートも名場面集になっていて、あれで良かったと思います。「八犬伝」自体は様々なところでオマージュされていて、飛び散った玉を集めるとかドラゴンボールやんとか、迫ってくる壁を2人が犠牲になって食い止めるのはFF4だったり、元ネタが使われまくっている故に今さら感が強いんですよね。
本気で凄い「南総里見八犬伝」を作ったとしても、斬新な感動は与えられないと個人的には思います。
物語の中で「忠臣蔵」が出てきて、北斎は「あんな誰でも知ってる話の何が面白いんだ」と言い、馬琴は「忠臣蔵・・・あれはいい」と言うのですが、対照的な意見を言った二人の作品はちゃんと現代の芸術や、漫画やゲームの中にも生きているのが面白いと思いました。
しかし里見家のお殿様が悪霊に呪われて、子々孫々までの危機を救う物語なのに、肝心のお殿様にあまり同情できないんですよね。
行方不明だった姫が河合由美だったから、悪霊と戦う八剣士を応援できたけど、姫がいなくて殿様だけだったら、何でそこまで必死に戦うのか理解できなかったかも・・・
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