劇場公開日 2024年10月25日

八犬伝のレビュー・感想・評価

全341件中、1~20件目を表示

5.0虚構が現実となった虚構

2024年11月2日
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猿田猿太郎

4.0優れた「虚」は「実」を孕む

2024年10月26日
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ニコ

4.0虚と実、CGとリアルの相乗効果が言い知れぬ深みをもたらす

2024年10月31日
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曽利監督といえば、これまでCGをいかにストーリーと馴染ませるかに腐心してきた人だ。そのアプローチの果てに、登場人物が所狭しと駆け巡る”絢爛豪華なフィクション”と”今まさに物語が湧きいづるリアル”という本作の二重構造にたどり着いたことは感慨深い。冒頭のかなり駆け足な”虚”のあらすじ描写に、”実”のパートがある種の理由づけを与える趣向も面白い。また、虚と実はまるで呼応する振り子のようだ。勇士たちが不思議な玉を探し求める旅と同じく、馬琴もまた一つの輝ける物語を磨き続け、それは彼一人の孤独な旅かと思いきや、そこにはやはり仲間がいる。北斎や南北といった天才らが刺激し合うのはもちろんだが、病弱な息子、夫を罵ってばかりいる妻、そして息子の嫁、その全てが馬琴を支える掛け替えのない宇宙なのだろう。いつも以上に役所広司の素晴らしさに舌を巻いた。彼の存在感こそが虚と実、双方に魂を吹き込んでいることは間違いない。

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牛津厚信

4.0虚と実が渦巻く歴史に引き込まれる眩暈にも似た感覚

2024年10月29日
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鑑賞方法:試写会

楽しい

興奮

知的

今から2500年以上前の中国の思想家・孔子を始祖とする儒教が日本に伝来したのは5世紀頃。時を経て江戸時代後期の19世紀前半、滝沢馬琴は儒教における「八種の徳」に基づく勧善懲悪を主題に「南総里見八犬伝」を28年がかりで書き上げた。それから約1世紀半後の1982年、山田風太郎は小説「八犬傳」を連載開始。「南総里見八犬伝」の物語を再構成した“虚の世界”と、馬琴の創作過程や友人の絵師・葛飾北斎との交流を描く“実の世界”を並走させる内容だった。これを原作とし、VFXの使い手として知られる曽利文彦監督が脚本も自ら手がけて実写化したのが2024年公開作「八犬伝」だ。 悪事がまかり通る現実の世界で正義など絵空事だと斜に構える北斎(内野聖陽)に対し、だからこそ虚構の世界で勧善懲悪を説くのだと主張する馬琴(役所広司)の対話は、興味深い創作論であると同時に、人はいかに生きるべきかという哲学的な問いかけにもなっている。さらには、実世界を生きる人々の想像力と思考から創作物や思想・宗教が生まれ、そうした虚の世界が後世の人々の精神に影響を及ぼし新たな現実を形作るという、虚と実が互いに影響し合いながら歴史が発展していく、そんな創作と現実が織りなす歴史の大渦に巻き込まれるような眩暈(めまい)にも似た感覚を、本作の両パートを行き来しながら味わった。 大長編の伝奇活劇である「南総里見八犬伝」のパートを、本編149分のさらに半分程度に押し込めたので、当然ながら筋を大幅に端折っており、アクション場面やVFXスペクタクルの質・量ともに物足りなく感じるのも正直なところ。もっとチャンバラを見たい、お金をかけたスペクタクルを見たいという向きには、1983年公開作「里見八犬伝」がおすすめだ。角川春樹事務所の最盛期に製作され、潤沢な資金を後ろ盾に深作欣二監督がやりたい放題の娯楽大作で、真田広之、千葉真一、志穂美悦子といったジャパンアクションクラブ(JAC)の看板俳優や目黒祐樹らが大暴れするし、薬師丸ひろ子には珍しく濃密なラブシーンもあるわ、お金をかけまくった闇の軍団の本拠地セットでは生き血の風呂で夏木マリがヌードになるわで、笑っちゃうほどの見所満載ぶり。ただし同作では物語の発端である里見家の城主と娘の伏姫、忠犬の八房、斬首された玉梓などのくだりが絵巻物と台詞で説明されるのみなので、その辺を丁寧に実写で描いた今作の「八犬伝」とうまい具合に補完し合っている。その意味でも、この機会に2作を見比べてみてはいかがだろうか。

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高森 郁哉

4.0描かれる"虚と実"が観客の想像力を刺激する

2024年10月26日
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笑える

知的

江戸時代の人気作家、滝沢(曲亭)馬琴が構想する8人の剣士の物語『八犬伝』を、友人の絵師、葛飾北斎に語り聞かせている。映画は『八犬伝』の物語世界から始まり、すぐにそれが虚構だと分からせた上で、一転、資料が山積みになった人気作家の仕事部屋へと場面は転換。以降は、馬琴のもとを予告なしで度々訪れる北斎が、物語に刺激されて挿絵を描いていくという現実パーツと、『八犬伝』の虚構パーツとのカットバックで映画は進んでいく。誰もが知っている実在のアーティストをモデルにしているので、観客の頭の中も別次元の"虚と実"が入り乱れて楽しいと言ったらない。 物語の世界は若干仰々しい演出になっているが、一方で、馬琴と北斎それぞれの"虚と実"に対する考え方の違いが浮き彫りになっていくプロセスが示唆に富み、興味をそそる。馬琴役の役所広司はいつも通り入魂を感じさせる熱演だが、馬琴とは対照的に奔放な自由人として画面に現れては消えていく北斎役の内野聖陽が、今回は役所のパワーを逆手にとって生き生きとしている。 人気小説の裏にドラマあり。作家が作品に込めた思いと、江戸の町民文化の心意気を感じさせる1作だ。

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清藤秀人

4.5愛に溢れた実の世界

2024年12月9日
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楽しい

知的

思いのほか良かった…。 作者の創作中の様子と、八犬伝の物語が交互になっていた。 なので、八犬伝の物語が途中で途切れるんだけど、どちらの物語にもちゃんと引き込まれる。 丁寧に丁寧に創られている感じがした。 奥さんの、お百があっけない感じがして、そこだけがちょっと気になった。 お百は、口うるさくて毒舌で、ひどい奥さんなんだけど、馬琴に関心がない訳ではなくて、嫉妬までしている。 馬琴はしんどかったろうな…と思う反面、お百のそれは愛情の裏返しにも思えた。 それとは対照的なお岩の夫。 その2つも裏返しで、逆さまに見えた。 義理の娘のお路も健気に馬琴を応援してくれるし、息子も馬琴思い。 北斎も足しげくやって来る。 馬琴の日常は愛に溢れているなぁと思った。 そして、最後は何だか涙が出てきた。 演者も物語も良かった。 映画館まで観に行って良かった。

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けい

4.0The 山田風太郎

2024年12月2日
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氏の小説で初めて読んだのがコレ。"虚と実"を繰り返しながら展開していく物語にワクワクしましたなぁ。それまでは実写化された忍法帖やら魔界転生やらだったのでエログロな印象強めでしたが、こんな方向もいけるのかと唸ったものです。この勢いで「柳生十兵衛死す」も実写化されないかなぁ。あれもめっちゃ面白いです。 今回の実写化はとにかく"実"パートの牽引力の凄まじさに尽きる。"虚の巻"が原作以上に駆け足で胸熱ゲージを溜めづらかったのだが、それを補完して余りある熱量。大河ドラマにして一年間眺めていたい位の濃密さでしたねぇ。"虚"のターンも駆け足を除けば(致し方なし)、"虚"をゴリゴリに落とし込んで「動く錦絵」の様に作り上げていたのが好感触でした。役者陣もフレッシュ溌剌で良かったですしね。MVPは勿論、宗伯くん。刺さりすぎて嗚咽漏らしちゃいましたよ。

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lynx09b

3.0北斎の絵

2024年12月2日
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ちょっと虚のパートが期待はずれ。尺的にも中途半端だし、演出なのかな?殿様とか、セリフ回しが臭く感じることもあった。VFXだけでは。。。むしろ北斎の書く漫画たちがリアルに馬琴の空想の中で自由に動きまわる方がよかったような気がする。北斎や鶴屋南北とのやり取りは面白かった。

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Nexus

4.5じいさんとじいさんがわちゃわちゃしている

2024年12月2日
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call

5.0現実とファンタジーの交錯を楽しむ

2024年12月2日
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ぼっち

3.5滝沢馬琴の伝記的作品

2024年12月2日
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南総里見八犬伝とその作者である滝沢馬琴の伝記的作品。2.5時間の映画でした。最近、2時間超えの作品はかなり減りましたね。 伝記作品だから仕方ないのですが、実話パートは必要な要素だったのでしょうか?物語パートだけで内容的にもボリューム的にも十分じゃね?と思ってしまいました。 友人の葛飾北斎とワイガヤするだけだし、生き様とか真髄のようなものは感じられず。あれなら、映画のコンセプトが変わるかもしれませんが、物語パートだけで2時間の映画の方が良かったかなぁと思いました。

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あいわた

4.0八犬伝パートを配信連ドラか再度映画化して欲しい!

2024年11月30日
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くまくま

4.0NHK人形劇の裏話面白すぎる

2024年11月29日
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先ず,28年もの月日をかけて書き上げられた事に驚きました。 家族の協力も並大抵のものでなく… 歌舞伎のシーンも見応えあって、面白かったです

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jiemom

3.5現代パートは最高

2024年11月28日
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とにかく現実パートの役所広司さんと内野聖陽さんの演技は最高でした。また他の役者さん達も素晴らしかったです! 何が残念って八犬伝パート、、、冒頭のわんこのCGからとてつもなく安っぽく感じてしまった、、、 殿様やら悪役の演技も微妙で伏姫だけ素晴らしかった!現実パートと八犬伝パートの区別をつけるためにわざとこのような作り物感を出したのかなーとも思いましたが、それを加味してもちょっと許せないレベルでした。かなり要所要所の場面しか撮影がなかったから役者さん達もあまり身が入らなかったのかな。 あと残念なのは馬琴さんがあんなに、虚も信じ続ければ実になる、と思っていたのに目が見えなくなったからといって執筆を諦めるのが納得できませんでした。原作ではそこらへんを丁寧に描いているのでしょうが映画ではあまりだったのでラストは安っぽく感じてしまいました。 全体的に長かった、、、

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ちょんこ

4.0北斎の力を借りて完成した「八犬伝」。

2024年11月27日
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滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」は、江戸時代の娯楽超大作の小説である。題名は知っていても、現代ではほとんど忘れられているのが残念である。この壮大な物語を現代のVFX技術を駆使して蘇らせた意義は大きい。衣装や風景などビジュアル的に美しく、戦闘シーンは迫力があった。八犬伝は論語の「徳」をモチーフにした波乱万丈の、「勧善懲悪」のドラマだと推察するのだが、見せ場の紹介だけであり、そこまで内容の面白さが伝わらないのは残念だ。 「虚」と「実」がテーマになっているが、虚はまさに八犬伝の虚構の世界であり、実は馬琴たちの現実の世界である。物語でいくら心躍る話や理想を描いたところで、現実はそれとは全く逆である。単調な毎日が続き、何事も思いのままにならず、正しい事が正しい事として通らないのが現実である。馬琴の人生はまさにそんな感じである。女房のお百の態度や息子宗伯の不幸が生きることの難儀さを良く表していると思う。戯作者南北との対話で、虚を描くことの空しさを突き付けられて、馬琴の心の内の葛藤は大きくなる。 そんな馬琴が八犬伝を書き続けられたのはなぜだろうと考えさせるのがこの映画であると言える。失明してもなお八犬伝を完成させた執念には感心するが、その原動力が何なのかは明らかにされていない。そこは、見た人個々人の解釈でいいのだろう。ただ希代の絵師北斎との創作を通した交流が大きな力になっているのは確かである。

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ガバチョ

3.5虚と実に向き合った馬琴

2024年11月27日
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八犬伝の創作を元に馬琴の人生を描いた映画ですが、 映画の中にも虚と実が有る 人生を彩る物語と八犬伝を交互に描きながら進みますが、 馬琴の人生を書いた部分は虚なんですが実とも思える出来です。 周りを固めた役者さんが良かった。 馬琴の役所さん、寺島さん、磯村さん、黒木さんと馬琴さんの馬琴の家族に北斎の内野さんをメインの物語で進みますが、この方々がいいのはもとより少し出た方々の演技もいい。 実在したとはいえ数百年前であり完全な創作なんですが、近所で見ていたかの様な実としか思えないほど、 馬琴物語の間に挟まれた八犬伝の部分は........消化不良かな、 長い物語だし1つの映画に馬琴を書いて八犬伝も出したいと考えるのが無理ですね。 馬琴物語と対で組み込むには荷が重すぎたのかな、 他では名演の若手俳優の方もいたし、悪くは無いと思うけど作り話感が出ちゃってるかな、いい役者もいたけど...........固めきれてない。 せっかく虚実に苦悩しながら書かれた戯作が虚のままで終わってしまったのでマイナス1.5 八犬伝を合間に入れなければね。 私が感じた実になった馬琴物語と虚で終わった八犬伝が交互に織りなされた映画でした。

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ぽぽJr.はうちや

4.0観て損は無し

2024年11月26日
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実パートは役者さん達が素晴らしくて魅入った。 中でも磯村勇斗さんは良かった。 実と虚の交互だから仕方ないが八犬伝の お話は色々と端折っていて少し残念だった。 薬師丸ひろ子さんの八犬伝も良いが 滝沢秀明さんの八犬伝も出演者が豪華で オススメです。 不満だったのはパンフレットが売り切れていて 売店の方に確認してもらっても再入荷されるかは 分からないと言われたがどうしても欲しかったので 某フリマサイトで購入した。

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はな

5.0編集の勝利

2024年11月25日
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時村博士

5.0滝沢馬琴の物語、江戸時代のファンタジーと物語が出来る様子を楽しめる

2024年11月24日
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怖い

興奮

萌える

面白かった! 曲亭馬琴「南総里見八犬伝」の物語は、勿論面白くて、想像の世界を美しい映像で楽しめました。 そして、作品が何年もかけて紡がれていく様子と、滝沢馬琴の生き様を楽しむことが出来きました。 葛飾北斎との交流、妻との関係、息子とその奥さんなど。 物語と現実の生活が交互に進むストーリー、それぞれのキャラクターが個性的で、やり取りが本当に面白い。

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naomi

3.5滝沢馬琴が語る虚構の物語と馬琴の現実世界が交差していくことへのワクワク感は大であっただけに、物足りなさも。

2024年11月23日
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Kazu Ann